北村滋の作品一覧
「北村滋」の「見えない戦争 インテリジェンス・勢力圏・経済安全保障の地政学」「安倍晋三 回顧録」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
ベネズエラ
●特筆すべきは、特殊部隊の突入前に、インテリジェンスと電磁領域で勝敗が決していたという事実。
●この作戦の最終目的は単なるDecapitationではなく、中露の影響力排除
●作戦が戦争ではなく、「法執行」の枠組みを帯びていた事実も重要。アメリカはFBIや麻薬取締局との連携により、指導者を犯罪者とした扱うことで正当性を付与
● サプライチェーンや重要インフラ防護は有事の防衛戦そのもの。
●冷戦後、米国が南米への関与を弱める中、中露は、この絶対的な勢力圏を侵食。ロシアは爆撃機を展開させ、米本土のほぼ全てを射程に収めるなど、米の脅威認識に深く刻まれることに。ロシアの軍事的影響力を崩し、中国の経済的技術的な支配を物理的に遮断。
イスラエル・ハマス(10.7)
●歴史的な intelligence failureとも言われるがこれは情報不足によるものではなく、その評価と解釈が問題。情報機関はハマスを contained threatと認識。(衝撃的なことに、イスラエル当局はその作戦の一年以上前にハマスの詳細な先頭計画書を入手していた)
●対するハマスの作戦は徹底したオフライン化と地下のトンネルネットワーク(ここに人質を連れ込むことで攻撃しづらい環境に、広さは山手線内の6倍)
●ここから当局はハマス及びヒズボラ幹部の斬首作戦へ。
イラン
●従来の遠方からの高出力妨害ではなく、敵レーダーの至近距離から微弱かつ精密な電波を照射することで敵の探査能力を麻痺
●NSAと8200部隊は、イランの銀行システムお暗号資産ネットワークに侵入、ヒズボラ、フーシ派への送金ルートを凍結。プロキシーの行動を抑制。
トランプ政権下での動き
●NSS2025は、国際機関などを公然と反米主義を掲げるものとして敵視。ここで注目すべきは、脱退の対象を戦略的に選択していること。(WTO、ICAOなど、米国の国益に直結するものは残留)
●同戦略では、中露を Given Realityとして黙認。中露の民主化を諦め、彼らを圏外の存在として突き放した。
中国
●中国が取り戻すべき栄光とは、1800円頃までの数十年間、清朝が謳歌した時代。
グリーンランドの戦略的価値
●気候変動が氷床のゆうかいをまねき、新たな航海路の出現と未開発資源のアクセスを可能に。
●ミサイル防衛の要石。地球儀を北極点から見下ろすと一目瞭然。
●レアアースの埋蔵量が世界最大級。
●米国は1951年から防衛協定によって基地を取得。
●グリーンランドはデンマークからの独立を希望。他方でネックなのは経済。自立には資源開発による外貨獲得。ここに中国がつけ込む隙がある。
情勢
●冷戦後に加速した自由貿易体制の拡大に伴ってグローバルエコノミーが成立。そして、グローバルサプライチェーンができた結果、ここにリスクが生まれた。
●国家の実力を決定つける要素はもはや軍事力、外交力の範囲には限定されず、ネットワークの安全性、サプライチェーンの強靭性、さらにAIを含む先端技術を自国が、あるいは同盟国と連携して手中に収める能力へ拡大
●EUは2022年にヴェルサイユ宣言にて、2027年までにロシアへの依存関係を段階的に廃止することを決定(天然ガス、石油、石炭)
AI
●AIガバナンスに重要になるのが意思決定の可視化(explainablity)
●米SimSpace社は、AIエージェントを訓練評価するためのサイバーレンジを提供
●戦争省、金融機関、大学などがこの環境を活用、防御シナリオを共有
●日本では経産省とIPAが産業サイバーレンジ構想を進め、横断的な整備を図っている
Posted by ブクログ
厚労省の変化は何なのだろう
厚労省は、統計上の差が 顕著ではない、と結論づけました。 臨床研究では相当の効果があったにも かかわらず、です。(中略)
結局は、動物実験の結果から、妊娠中の女性が飲むと、障害がある赤ち ゃんが生まれる恐れがあるので、広く使用することにたじろいでしまった のです。だったら、そうした人に処方しなければいいだけの話なのですが。(中略)
1980年代の薬害エイズ事件では、非加熱血液製剤を輸入していた製薬会社トップと、使用した医師、さらに、エイズウイルス(HIV)に汚染 されている危険性を知りながら、回収を指示しなかった厚生省の官僚が罪に問われました。(本書より引用)
この引用を読むと、厚生労働省が薬の安全性評価に慎重であろうとしていたことが分かる。薬の承認に前向きだったのはむしろ安倍氏だった。
しかし、2年後の現在から眺めてみると違和感がある。厚労省はその後、ワクチンの導入を積極的に進めた。安全性が疑問視される事例が海外で先行して明るみになっていたにもかかわらず。
厚労省のこの姿勢の変化は、何なのだろう。