浅野和生の作品一覧
「浅野和生」の「イスタンブールの大聖堂 モザイク画が語るビザンティン帝国」「エルサレムの歴史と文化 3つの宗教の聖地をめぐる」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
「専門的研究に裏打ちされたような情報を一般向けに判り易く説く」というのが“新書”なのだと思うが、本書は正しくその「新書らしい」という感じの一冊に纏まっていると思う。
今年は「2023年」だ。これは「イエス・キリストの生誕の年」ということになっている年を「紀元」とした数え方の「西暦」だ。この「西暦」というようなモノが始まった頃、更にそれ以前からの歴史が積上げられている都市というようなモノの存在は、「何やら凄い」と思う。極個人的には、幼少の頃に「住んで居た家の近隣の建物が竣工していない様子で、それらの工事現場を毎日眺めていた」という経験を有している、言葉を換えると「眼に留まる近所の建物の悉くが、未だ幼かった自身より“若い”」という状況下に在って、更に国内でも「古い街」の歩みが「相対的に少し短い」という地方に育っていて、100年を超えているような経過を有する建造物等を然程視ないままに長じたという面が在る。故に、本書が取上げる「エルサレム」というような場所は「詳しく知るでもないが、何やら凄い…」という程度に思ってしまう面が在る。
本書はそのエルサレムの長い長い経過、現在に伝わる史跡等を紹介する内容の一冊である。「西暦」というようなモノが始まった頃、更にそれ以前からの歴史が積上げられている都市の経過と、知られている史跡がよく判る内容だ。殊に、「西暦」の「紀元」とされる「イエス・キリストの生誕の年」ということが在るが、そのイエス・キリストが実際に活動したとされるのがエルサレムの辺りで会ったと伝わっている訳で、関連の事項が本書では非常に詳しい。
イエス・キリストの物語は(新約)聖書に綴られているが、時代が下るに連れて美術作品で色々と表現もされている。そして「行間に想像し得る動き」というモノも考えられる。エルサレムの聖墳墓教会の周辺には、そういう史跡が殆ど悉く設定されていて、祈りをささげる場となっていて、各々の場が色々な経過を持っているのだという。それらが本書に詳しく紹介されているのだが、何やら凄い。驚きながら読み進めた。
本書は、このキリスト教関係のことや、それ以前のユダヤ教関係のこと、それ以降のイスラム教関係のこと、更に少し分類し悪い史跡と、遥かな時の流れを伝える都市が擁している様々なモノを、極力漏らさずに判り易く伝えようとしている労作だと思う。或いは、色々な立場の人の非常に強い思い入れが滲む場所であるだけに、エルサレムは何時も“争点”のようになってしまうということに、何か変に納得してしまった。
興味深い一冊で、広く御薦めしたい。
Posted by ブクログ
本書は、西洋美術史を専門とし、
現在は愛知教育大学教授である著者が
西洋の中世美術について概説する著作です。
ローマ・ギリシアとの連続性や
キリスト教徒の関係など、中世美術の全体像を概説した上で、
信仰、聖遺物、都市、写本、そして巡礼など、
テーマごとに個別の作品を紹介します。
美術史の著作というと専門用語が並び
近寄り難い印象がありますが、
本書は話し言葉で書かれ、専門用語も必要最小限なので
気軽に読み始め、読み通すことができました。
観光のような巡礼、中世美術とルネッサンス美術の関係など
興味深く、もっと深く知りたいと思うことは多くありましたが、
とりわけ印象深かったのは、
カンタベリーの修道院について論じた12章。
私の場合、作者の顔がなかなか見えてこないことが
中世美術を敬遠する一因でしたが
ここでは修道院の復興工事を指揮した仏人建築家ギヨーム・ド・サンスについて
作業の工程や、建築の特徴をつぶさに紹介しているので
遠い過去の建築家でも身近に感じることができ、
彼が建てた修道院も、ぜひ実際に訪れたいと思いました。
ルネッサンス以降の美術と比べて、
縁遠く、興味を持ちにくい中世美術について、
平易かつコンパクトに解説した本書。
美術史に興味がある方はもちろん
ヨーロッパ旅行のご予定などがある方には、
強くおススメしたい1冊です☆