田島木綿子の作品一覧
「田島木綿子」の「博士が愛した論文2 自然科学系研究者19人が語る「偏愛論文」アンソロジー」「海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること~」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「田島木綿子」の「博士が愛した論文2 自然科学系研究者19人が語る「偏愛論文」アンソロジー」「海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること~」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
この本によると、海の哺乳類に携わる関係者には圧倒的に女性が多いらしい。鳥類の研究でも猛禽類や大型鳥類を研究するのも女性が多いとのこと。一方でかわいらしい小鳥などを研究するのは男性が多いそうだ。
女性は自分より大きい海の哺乳類に対し、ある種の憧れ、尊敬、癒やし、幸福感を抱く傾向がある、と書かれていた。
→私がクジラやゾウなどに興味を持つ理由に納得。
クジラ、と言うか捕鯨を題材にした小説や映画が好きで、太地町や生月町とか、捕鯨の街に行ったり。
解剖学を専門とする研究者が絶滅危惧種である、と言うコラムの
「無駄の中に宝は眠っており、その無駄を経験しなければ宝を発見する能力は得られない。結果として無駄なものは何一つない」
がとてもココロに刺さった。
→効率化は大いに結構だが、結果をすぐに求めようとして、すぐに「無駄」と切り捨てようてするのはどうなんだろう?と日頃から思っているのでとても納得した。
一度でいいから、クジラを解剖をこの目で見てみたい。
え?私って変な奴?
はい、自覚してます
Posted by ブクログ
著者の田島さんが海岸に打ち上がったクジラのお話をされていたのを以前ラジオで聞きました。
打ち上がったと聞けば飛んでいき、解剖の様子やクジラ爆弾、埋めて微生物にキレイにしてもらうなど…とにかく話が面白かったのを思い出し、手に取りました。
クジラだけでなく海で暮らす様々な哺乳類について、生息地や特徴、打ち上げられる原因なども紹介されています。
クジラが打ち上がったニュースを見ると、その迫力にギョッとしてしまうのですが、田島さんにとっては細かく調べられる大チャンス!そのフットワークの軽さには驚きます。
結果、体内からはビニールや海洋プラスチックも見つかっているそう。これも田島さんたちが解剖してくれたからわかったことですね。
自然は過酷で危険だらけで、そりゃ何かで死んでしまうこともあるけど、いやいやこれは明らかに人間のせい!という死因が想像以上に多い事を知りました。
地球上の生物たちにしわ寄せがいってしまっている現状、気持ちが沈みます。
Posted by ブクログ
既読の『キリンの解剖』と『ゾウが教えてくれたこと』は、どちらも女性研究者だった。本書のクジラも女性、これっれ偶然? そしたら、本書のコラムのテーマが「女性研究者は大きいものに萌える?」
2021年刊。著者は科博の先生。海生哺乳類が専門。動物の種類も広範囲だが、仕事の内容も、調査研究から標本の保存や展示までと、多岐にわたる。本書は、その仕事の魅力(あるいは3K度)をわかりやすく紹介。解剖や骨格標本の作製にいくらかかるか、「突撃!カネオくん」ふうの記述もある。
どっかの浜辺にクジラやイルカが漂着したとなれば、さっそく駆けつけて解剖。でも、野次馬の方々も集まって来る。解説しながら、仕事をする、いわば無料の解体ショー。このクジラやイルカの座礁・漂着(ストランディング)の謎には、かなりのページを割いている。個人的には、マナティとジュゴンの解説が興味深かった。
(p.s. 4章はイルカの祖先の話題。タイトルは「かつてイルカには手も足もあった」。手も足もあったら、イルカではないと思うんですけど。)
Posted by ブクログ
基本的には人間は、性善説が支配的であると思う。御二方の対談は非常に興味深いものであろうということは、本書が視界に入った時に瞬時に察しがついた。
本書は、霊長類学の権威である山極氏と獣医・海獣哺乳類学者である田島氏との対談を編集している。
一般的に、サルの社会は序列化されているが、山極氏によれば、ゴリラの世界は、徹底的な対等社会であると言う。
少なからず映画等の影響を受けて歪曲されていたので、これは、衝撃的だった。
ちなみに、獰猛で野蛮なイメージを増幅させるいわゆるドラミング(立ち上がって、胸をドンドン叩く行為。)は、『これ以上近づいたら喧嘩になるから、お互い離れようぜ。』等の平和的解決へのサインらしい。ゴリラは、極めて紳士的な森の住人ではないか。
ゴリラだけでなく、田島氏が紹介するザトウクジラの例も、心を熱くする。
カナダの研究チームによると、シャチに襲われているコクジラの親子を助けるべく、ザトウクジラが盾となって間に入って、守っていたようだ。
さらに驚くべきは、シャチに襲われて海に落ちたアザラシをザトウクジラが助けて、数十分泳いで避難させた事例である。
これらの事例は、ごく限られたものであるが、ゴリラもザトウクジラも、立派に心を宿していると言えるだろう。
ここで、鯨類の区分けについてであるが、一般的に体長が4メートルを臨界値として、クジラなのかイルカなのかを決定しているに過ぎないことに注意されたい。
本書を通じて、言葉を持たないゴリラやイルカ等も、利他の心をもって社会生活を営んでいることを知った。
筆者が言うように、我々は、彼らに見習うべく言葉に依存するだけでなく、たとえば、従来無駄とされていた時間等について向き合っていく時期に来ているだろう。
『人間は、家族や仲間と協力し合い、支え合うことを喜びとする生き物である。』という原点に立ち返れば、テクノストレス等にエネルギーを浪費する現実から脱却できる明るい未来が待っているはずだ。