【感想・ネタバレ】海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること~のレビュー

あらすじ

電話1本で海岸へ出動、クジラを載せた車がパンク、帰りの温泉施設で異臭騒ぎ――。
日本一クジラを解剖してきた研究者が、七転八倒の毎日とともに海の哺乳類の生態を紹介する科学エッセイ。

「田島さん、クジラが打ち上がったよ」電話1本で海岸へ出動!
解剖は体力&スピード勝負、クジラを載せたクレーン車がパンク、
帰りの温泉施設で異臭騒ぎ、巨大な骨格標本ができるまで――。

海の哺乳類の知られざる生態に迫るなか、人間が海洋環境に与える影響も見えてきた。
日本一クジラを解剖してきた研究者が、七転八倒の毎日とともに綴る科学エッセイ。


彼らはなぜ、生きる場所として再び海を選んだのだろう。
海での暮らしに適応するために、どんなふうに進化していったのだろう。
そして、なぜ海岸に打ち上がるのだろう。
それが知りたくて、一つ一つの死体から聞こえる声に日々耳を澄ます。
(はじめに より)


<内容>
1章 海獣学者の汗まみれな毎日
山積みのオットセイとの出会い/「鯨骨スープ」の臭いにまみれる/
海の哺乳類は体重がハンパじゃない/ストランディングは突然に

2章 砂浜に打ち上がる無数のクジラたち
シロナガスクジラとの遭遇/赤ちゃんクジラの胃からプラスチック/
シャネルNo.5はマッコウクジラのニオイ/クジラは爆発する

3章 ストランディングの謎を追う
なぜクジラは海岸に打ち上がるのか/調査には一流の道具を使うべし/
外貌(見た目)調査で死因を探る/内臓の調査は“超ガテン”作業

4章 かつてイルカには手も足もあった
手はヒレに、足は無くなる/超音波で周囲の情報をキャッチする/
イルカやクジラの内臓は丸っこい/小さな殺し屋クジラ「ユメゴンドウ」

5章 アザラシの睾丸は体内にしまわれている
水族館のショーはアシカ科の独壇場/水中生活により適応したアザラシ科/
野生アシカの群れはすさまじく臭う

6章 ジュゴン、マナティは生粋のベジタリアン
「人魚伝説」に意義あり!/ラクに水中を浮き沈みできる秘密/
ステラーカイギュウはなぜ絶滅したか

7章 死体から聞こえるメッセージ
死因につながる一筋の道を全力で探す/海洋プラスチックが見つかるとき/
環境汚染物質「POPs」の脅威/人と野生動物が共存できる道とは

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Posted by ブクログ

クジラやイルカはなぜストランディングするのか。生きている個体を調査することが難しい海の生物の生態を知るために、現地に駆けつけて解剖し、そのあと剥製や標本を製作する、国立科学博物館職員の学者の話。読みやすく、知らない世界を知れた喜びに満たされました。

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2025年05月01日

Posted by ブクログ

筆者が同窓で、研究室が同じ石川先輩のお名前には興奮させられた。懐かしさと新たな知識との出会いにワクワクさせていただきました。

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2025年02月07日

Posted by ブクログ

大好きな海獣のお話を読んでいたと思ったら、筆者の話に惹きつけられ、いつの間にか環境問題のことまで行き着いていた。
人の暮らしと生きもの、自然が繋がっていることをまざまざと感じさせられ、日々の生活を見直すきっかけをもらった。

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2025年02月03日

Posted by ブクログ

上野の国立科学博物館所属、海の哺乳類専門の研究者の方による著書。

タイトル通り海辺に漂着して戻れなくなった(ストランディングと呼ばれるらしい)クジラやイルカその他の海獣達に対して、可能であれば生きたまま海へ戻し、死んでしまったり死んだ状態で漂着した個体に関しては解剖を行い死因を特定したり標本を残すなどして研究に役立てる、というお仕事について語られている。
文章に表してしまえば簡単だけれどもその仕事ぶりは日本全国ときには海外まで股にかけて津々浦々、必要があればどこにでも飛んでゆき、様々な交渉を行い、場合によっては重機まで登場する解剖風景はとんでもなく力仕事。しかも刻一刻と腐敗が進むスピード勝負で悪臭つき。まるで極限環境へ赴く冒険家のよう……。なのだけれども、語り口は軽やかでとても読みやすい本だった。このお仕事が本当に好きでいらっしゃるのだなあ……。

解剖のエピソードが多めだけれどそればかりではなく、科博の展示の裏側のエピソードもあり、自分も見に行ったことのある哺乳類展の展示で印象に残っていた標本の話が出てきて心が躍った。
ひとつひとつの標本には、展示会場で人目に触れる以前のエピソードが存在するのだなあ。当たり前だけど。
標本の制作に直接携わった人の文章を読むと、そのあたりを強く意識する。

クジラやイルカだけでなくアザラシやセイウチ、ジュゴンやマナティ、ラッコなどの海獣達にも触れられている。
ラッコが人間を引っ張ると生命の危険を覚えるほどパワーが強いという話は驚きだった。鳥羽水族館のラッコのメイちゃんが飼育員さんに引っ張られていったり水中で一緒にダンスしたりする芸って可愛いだけじゃなくすごいことだったんだ……!
紹介されている海獣達について具体的に国内水族館の名前や個体名が出てきたりするので、本を読みながら検索して映像で眺めたりするのも楽しかった。様々な海獣達に興味を持たせるのがうまい文章だなあと思う。

本書を読んで驚いたのは、ストランディングの件数の多さ。
日本国内で報告が上がっているだけでも年間件数が数百件というのは予想外だった。
本書の終わりの章ではストランディングの原因のひとつと思われる環境問題についても触れられている。
ひと一人にできることはささやかだけれども、対策のために何ができるか考えていきたい。

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2024年12月02日

Posted by ブクログ

ストランディングに遭遇したら、まず国立科学博物館に連絡する!
自治体に粗大ゴミとして捨てられてまうかもしれんから

人間てほんとに、地球と地球上の動植物のために絶滅した方がよくね?
セイウチの牙とかラッコの毛皮ほしさに乱獲したり、レジャーボートのスクリューでマナティの背中傷つけて致命傷負わせたり、マイクロプラスチックで海洋汚染したり、まじで何様?
漁もなし!もう室内で養殖した魚だけ食ってろよ
他の生き物たちに申し訳なさすぎ

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2024年11月24日

Posted by ブクログ

全く知らない海獣研究の世界をわかりやすく面白く紹介されていて、とても興味が湧きました。
こんな女性の研究者もいらっしゃるんだと思うと、わくわくします

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2023年09月11日

Posted by ブクログ

子どものころ、昔の話として近くの町の海にクジラがあがった話は聞いたことがあったけれど、こんなに多くストランディングがあるとは知らなかった。海獣ってかわいいなあ。。

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2023年08月10日

Posted by ブクログ

全く知らないクジラ研究者の世界の話であるが、とても読みやすく引き込まれる内容でした。

多感なうちに子供にもぜひ読ませたいと思いました。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

淀川河口にクジラが漂着したニュースはしばらく流れていたが、今はどこへやら。
鯨類研究者ってどういうことをするのか?調査してわかることとは?いろいろ興味深いことばかり。

大型哺乳類の調査は、規模が本当に土木工事並みであれこれ大変だということは噂できいていたが、これを読んで本当に骨の折れることなんだと実感した。しかしながら、その先にある調査や標本など様々な活用と、将来に残すべき保存という技術もあるということを深く理解した。海に沈めれば済むという話ではない。

後日追記。
あのタイミングで読んだことを思い出す。この本の編集者がむかしなつかしい人だったことを知って。

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2023年01月29日

Posted by ブクログ

流れ着いたクジラやイルカの解剖と聞くとグロテスクだけれども、何のために行っているのか、標本はどうやって作るのか、そして意外にガテン系な実際の解剖について、など、とても面白く読んだ。

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2023年01月14日

Posted by ブクログ

面白かった。
クジラなども乳がんやインフルエンザ、脳炎、肺炎、心臓病、糖尿病などにかかると初めて知った。人間同様、哺乳類なのだと改めて感じた。

海洋プラスチックが海の生物に影響を与えているので、環境に気をつけないといけないのだなと改めて感じた。

プラスチック片には、残留性有機汚染物質「POPs(Persistent Organic Pollutants)」が吸着し、濃縮する。
一般に、POPsは食物連鎖を介して、小さな生物から大きな生物へと移行し、そのたびにどんどん濃縮されていく。したがって、海の食物連鎖の頂点に位置するクジラやイルカなどの哺乳類は、高濃度にPOPsを含んだ餌を日常的に口にしていることになる。
POPsが体内に高濃度に蓄積されると、免疫力が低下することがわかっている。その結果、感染症にかかりやすくなったり、発がんや内分泌機能の異常(甲状腺、副腎、下垂体から成長ホルモンや性ホルモンを正常に分泌できなくなる)などにもつながる可能性が示されている。

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2022年10月22日

Posted by ブクログ

クジラのストランディング、解剖、標本作り、みたいな話から始まって、海の哺乳類についてのいろいろな話しまで、みたいな本。この辺はまったく無知なので、知ること一つ一つが新鮮で楽しかった。文章は軽くて読みやすいが、著者の想いはしっかり詰まってよい。

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2022年10月18日

Posted by ブクログ

 知らないことばかりの生物学。今回は海獣学者のお話を選んだ。
 予想通り、たくさんの知らないことばかりで感想を書いていくと、あらすじになってしまう。と言う訳で、コラムで紹介していた先生のお言葉がずしんと心に響いたので転載する。
 「無駄の中に宝は眠っており、その無駄を経験しなければ宝を発見する能力は得られない。結果として無駄なものは何一つない」

 余談だが、科博の画伯「渡邊さん」は伊与原新さんの『八月の雪』に収められている「海へ還る日」を思い出させてくれ、知ってる!と嬉しくなってしまった。

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2022年10月16日

匿名

購入済み

時々目にするクジラやイルカなどが打ち上げられたというニュース。
地元が海に近いということもあり、そういうニュースは結構興味があったので、本書で詳しく知ることができてとても勉強になった。
著者の方の海の哺乳類への愛がとても感じられる。
昨今、話題になっている海洋プラスチックのことなど、人間の社会生活が他の生物の生活に影響を及ぼしていることを改めて考えさせられた。

#アツい #タメになる

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2021年09月14日

Posted by ブクログ

国立科学博物館に所属する研究者、田島木綿子(たじま・ゆうこ)さんの著作で、海の哺乳類の研究者がどんな活動調査をしているのか知れる1冊。

一般向けの本ということで、とても読みやすい。
田島さんのお人柄もあると思うが、研究対象への探求心や思いが溢れていて、とても面白かった。

ストランディングの連絡を受けて日本各地に調査に赴く、イルカ1頭なら一人で車に乗せるなど、想像以上に体力・力仕事で、研究者へのイメージが更新された。

この本を読んだら、ストランディング調査をしている研究者を見つけたら、話しかけずにはいられない。
研究者の話を聞く機会があったら、是非行ってみたいと思った。

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2025年08月20日

Posted by ブクログ

海洋生物が海から座礁することをストランディングというらしい。ニュースで私たちが目にするより、もっと頻繁にあることだとか。原因は様々ありそうだけど、お腹からプラスチック片が見つかることもあると知って、海洋汚染が気になった。
人間が生態系におよぼしてること、沢山ありそう。
海の哺乳類の仲間たちのことも、沢山触れられていて、同じ哺乳類の仲間として親近感を持って読んだ。個人的には、シャチとラッコ推し。もちろん鯨も好きだけれど。

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

日曜天国に出演されてて気になって読んでみた。

ストランディング、解剖、はく製とかアレな言葉が並ぶのに面白いし興味深い。

シャチが流氷に閉じ込められて、脱出できたのに脱出できない子どものシャチの鳴き声を聞き戻ってきたシャチが数頭いてって話に泣く

ヒトが絶滅させた、絶滅するくらい数を減らした生き物たち
沖縄のジュゴンが埋め立なんかで食べるものや住みかを追われずに、いつまでも居てくれるために出来ることってなんだろう

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2024年10月20日

Posted by ブクログ

へんなものみっけ!の鳴海先生そのものだった。
いつの日か謎が解けますように。
いつの日か人と海獣が幸せに暮らせますように。

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2024年02月02日

Posted by ブクログ

海岸に打ち上げられた海の哺乳類たちを調査する海獣学者のエッセイ。
クジラたちの生態がわかりやすい言葉で書かれており、とても楽しく読めた。
摂餌方法とかとても興味深い。→

クジラたちが海岸に打ち上げられる状態である「ストランディング」という言葉も初めて知ったが、意外とストランディングが頻繁に起こっていることに驚く。そして、陸に上がった彼らを調査する時間の短ささにも(内臓が溶けて爆発するとか、想像できない……)驚いた。

あと、イルカやシャチ、ペンギンやマナティなどの話も楽しい。ペンギンの赤ちゃんの見た目の違いとか、謎が解けた感があったり!(もふもふボサボサの赤ちゃんはキングペンギンの子なのか)アシカとアザラシの違いとか、ふんわりとしかわかってなかったなぁ。今度水族館行ったら色々見てみよう。

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2024年01月09日

Posted by ブクログ

ぱわーショベルの職人さんと仲良くなるエピソード、異業種だけどプロ同士の仕事を通じた目に見えないものが伝わってきて、“なんか”よかった

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2023年09月24日

Posted by ブクログ

海岸に打ち上がること、ストランディング
これが日本全国でほぼ毎日のように起こっていることは知らなかった。時々ニュースになるくらいだから珍しいことだと

なぜ、打ち上がってしまうのか
なぜ、死んでしまったのか

海洋汚染の問題、乱獲の問題にも触れていますがとても読みやすくそしてわかりやすい

私もクジラ、シャチ、イルカは好きです
海も好きです

この本を読むことで、海や自然について自分にできることを考えさせられます
もっともっと、ストランディングについて知ってもらいたいという気持ちを作者さんと同様に持つことができました

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2023年08月28日

Posted by ブクログ

刑事のような解剖調査と推理があると知った。
死んだ理由を知りたいというごく単純な思いに突き動かされて世界中を飛び回っている作者の研究生活。
たくさんの支えと豊かな経験が綴られた本だった。

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2023年08月04日

Posted by ブクログ

研究者として鯨などが浜に打ち上げられるストランディングという事態に、調査研究のために馳せ参じる模様が語られる。某ラジオ番組で解説されていた内容通りの展開があり、その世界に引き込まれる。研究のやり甲斐、一般の人に解説する時の楽しさなど、その情熱が語り口にあふれている。研究者や関連する方々との交流も、熱く語られていて、読んでいて楽しい。
アシカなど鰭脚類にも言及があり、最後はストランディングの原因とも考えられる海洋プラスチック、POPsについての解説があり、認識を新たにした。

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2023年07月08日

Posted by ブクログ

鯨中心の生活!海の哺乳類への愛情が凄い♡
解剖作業中のニオイまで感じられるような描写や解剖って体力仕事なんだ!!と知らない世界を覗けて楽しく読みました♪

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2023年05月18日

Posted by ブクログ

ストランディングした(=浅瀬で座礁したり海岸に打ち上げられた)クジラやイルカなどの海洋生物の死体を解剖して死因などを究明し、標本を保管するといった、著者の仕事について書いたもの。
大変興味深い内容でした。

国内でも年間300件ほどのストランディングが報告されているとのこと。ニュースにならない事例も多いということですね。

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2023年04月09日

Posted by ブクログ

クジラやイルカのストランディングに対応する科学者と自治体各方面のあれこれがとても興味深い。現場で身体に染み付いてしまった臭いにどう対応するかとか、極寒のオホーツク海沿岸での苦労とか、そこに居る人ならではの経験を知るのは貴重だ。

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

どこかで連載したものをまとめたのか?と思うぐらい同じ内容の繰り返しだった。クジラの解剖ということで大いに期待したが、解剖してもプラスチック混ぐらいしか解らないのだろうか。病気の判定等の詳細な解剖内容よりも、この作業について周りからどう見られているか、最終的には地球環境に配慮してプラスチックゴミを減らしたいことなど、私が期待していた内容とは違っていたので残念である。申し訳ないがギャグのセンスも若干古い。同じ女性が著した解剖記の中でも、郡司芽久氏の「キリン解剖記」のほうが何倍も興奮して読めた。

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2024年12月09日

Posted by ブクログ

淀川河口にザトウクジラがストランディングした時、この本の存在を知って読みました。死体を解剖し調査・研究することにより、「この個体はなぜ死ななければならなかったのか、その原因に私たちの生活は影響しているのか、影響しているとすればどういう対策を取るべきなのか」の答えの一端が見つかったかもしれない。大阪市は本格調査をせずに海洋投棄を選択したが、多少お金がかかっても面倒なことはしたく無いというお役所の姿勢が見えた気がした。残念!

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2023年01月29日

Posted by ブクログ

国立科学博物館の研究者が海の哺乳類について書いた本。ストランディング(漂着)して死んだクジラ、イルカ、ジュゴン、ラッコなどを解剖して分かること、はく製作りなど知らない世界の話で興味深かった。真面目でお堅い内容だけど多くの人に(特に将来を考える中高生にも)読んで欲しいなぁ。

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2022年12月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なぜクジラは打ち上がるのか、を追い求めて。

日本は実にたくさんのクジラ・イルカがストランディングしているらしい。ニュースでたまに報道されるから、珍しいことなのだと思っていた。そしてストランディングしたのが死体なら自治体の判断でゴミとして扱ってよいらしい。これは本当にビックリした。水族館の人など専門家がやってきて調査するのが当然だと思っていた。

クジラは日本の捕鯨文化が国際的に槍玉にあがるほど馴染みのある動物であり、イルカはかわいくて頭がよい水族館の人気者である。それなのに知られていないことが多い。ストランディングした個体は数々の謎を解く鍵なのだ。現場に駆けつけて解剖を進める著者は自身を刑事や法医学者に例えていた。検死を行い死因を特定する。それが無念にも打ち上げられた遺体への供養というように。

海洋プラスチックごみについても触れられている。マイクロプラスチック問題と環境汚染物質POPsについて、ストランディングの原因になっているのではないかと。人間の生活がストランディングの原因になっている例は漁業、レジャーなどもあげられているが、プラスチックについてが一番心に響いた。プラスチックにあふれた便利な生活をしながらクジラの雄大さに憧れイルカを愛でている人間の矛盾。

なによりも印象的だったのは、この本が一般向けに出された意味である。ストランディングの多さ、解剖する理由、明らかになっていることとこれから解明すべきこと。これらをもっと知らせていくことか、クジラたちの謎を解明し、クジラたちを取り巻く環境を守っていくことにつながるのだ。知らせることで世界をよりよくすることは、研究者の役割のひとつだと思った。

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2022年11月06日

Posted by ブクログ

海の哺乳類に対する熱き想いの伝わる本。年間300ものストランディングが発生し、その対応の難しさ、そもそもなぜストランディングが発生するのか、考えさせられました。

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2022年10月28日

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