海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること~

海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること~

1,683円 (税込)

8pt

電話1本で海岸へ出動、クジラを載せた車がパンク、帰りの温泉施設で異臭騒ぎ――。
日本一クジラを解剖してきた研究者が、七転八倒の毎日とともに海の哺乳類の生態を紹介する科学エッセイ。

「田島さん、クジラが打ち上がったよ」電話1本で海岸へ出動!
解剖は体力&スピード勝負、クジラを載せたクレーン車がパンク、
帰りの温泉施設で異臭騒ぎ、巨大な骨格標本ができるまで――。

海の哺乳類の知られざる生態に迫るなか、人間が海洋環境に与える影響も見えてきた。
日本一クジラを解剖してきた研究者が、七転八倒の毎日とともに綴る科学エッセイ。


彼らはなぜ、生きる場所として再び海を選んだのだろう。
海での暮らしに適応するために、どんなふうに進化していったのだろう。
そして、なぜ海岸に打ち上がるのだろう。
それが知りたくて、一つ一つの死体から聞こえる声に日々耳を澄ます。
(はじめに より)


<内容>
1章 海獣学者の汗まみれな毎日
山積みのオットセイとの出会い/「鯨骨スープ」の臭いにまみれる/
海の哺乳類は体重がハンパじゃない/ストランディングは突然に

2章 砂浜に打ち上がる無数のクジラたち
シロナガスクジラとの遭遇/赤ちゃんクジラの胃からプラスチック/
シャネルNo.5はマッコウクジラのニオイ/クジラは爆発する

3章 ストランディングの謎を追う
なぜクジラは海岸に打ち上がるのか/調査には一流の道具を使うべし/
外貌(見た目)調査で死因を探る/内臓の調査は“超ガテン”作業

4章 かつてイルカには手も足もあった
手はヒレに、足は無くなる/超音波で周囲の情報をキャッチする/
イルカやクジラの内臓は丸っこい/小さな殺し屋クジラ「ユメゴンドウ」

5章 アザラシの睾丸は体内にしまわれている
水族館のショーはアシカ科の独壇場/水中生活により適応したアザラシ科/
野生アシカの群れはすさまじく臭う

6章 ジュゴン、マナティは生粋のベジタリアン
「人魚伝説」に意義あり!/ラクに水中を浮き沈みできる秘密/
ステラーカイギュウはなぜ絶滅したか

7章 死体から聞こえるメッセージ
死因につながる一筋の道を全力で探す/海洋プラスチックが見つかるとき/
環境汚染物質「POPs」の脅威/人と野生動物が共存できる道とは

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海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること~ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    クジラやイルカはなぜストランディングするのか。生きている個体を調査することが難しい海の生物の生態を知るために、現地に駆けつけて解剖し、そのあと剥製や標本を製作する、国立科学博物館職員の学者の話。読みやすく、知らない世界を知れた喜びに満たされました。

    0
    2025年05月01日

    Posted by ブクログ

    筆者が同窓で、研究室が同じ石川先輩のお名前には興奮させられた。懐かしさと新たな知識との出会いにワクワクさせていただきました。

    0
    2025年02月07日

    Posted by ブクログ

    大好きな海獣のお話を読んでいたと思ったら、筆者の話に惹きつけられ、いつの間にか環境問題のことまで行き着いていた。
    人の暮らしと生きもの、自然が繋がっていることをまざまざと感じさせられ、日々の生活を見直すきっかけをもらった。

    0
    2025年02月03日

    Posted by ブクログ

    上野の国立科学博物館所属、海の哺乳類専門の研究者の方による著書。

    タイトル通り海辺に漂着して戻れなくなった(ストランディングと呼ばれるらしい)クジラやイルカその他の海獣達に対して、可能であれば生きたまま海へ戻し、死んでしまったり死んだ状態で漂着した個体に関しては解剖を行い死因を特定したり標本を残す

    0
    2024年12月02日

    Posted by ブクログ

    ストランディングに遭遇したら、まず国立科学博物館に連絡する!
    自治体に粗大ゴミとして捨てられてまうかもしれんから

    人間てほんとに、地球と地球上の動植物のために絶滅した方がよくね?
    セイウチの牙とかラッコの毛皮ほしさに乱獲したり、レジャーボートのスクリューでマナティの背中傷つけて致命傷負わせたり、マ

    0
    2024年11月24日

    Posted by ブクログ

    全く知らない海獣研究の世界をわかりやすく面白く紹介されていて、とても興味が湧きました。
    こんな女性の研究者もいらっしゃるんだと思うと、わくわくします

    0
    2023年09月11日

    Posted by ブクログ

    子どものころ、昔の話として近くの町の海にクジラがあがった話は聞いたことがあったけれど、こんなに多くストランディングがあるとは知らなかった。海獣ってかわいいなあ。。

    0
    2023年08月10日

    Posted by ブクログ

    全く知らないクジラ研究者の世界の話であるが、とても読みやすく引き込まれる内容でした。

    多感なうちに子供にもぜひ読ませたいと思いました。

    0
    2023年08月06日

    Posted by ブクログ

    淀川河口にクジラが漂着したニュースはしばらく流れていたが、今はどこへやら。
    鯨類研究者ってどういうことをするのか?調査してわかることとは?いろいろ興味深いことばかり。

    大型哺乳類の調査は、規模が本当に土木工事並みであれこれ大変だということは噂できいていたが、これを読んで本当に骨の折れることなんだと

    0
    2023年01月29日

    Posted by ブクログ

    流れ着いたクジラやイルカの解剖と聞くとグロテスクだけれども、何のために行っているのか、標本はどうやって作るのか、そして意外にガテン系な実際の解剖について、など、とても面白く読んだ。

    0
    2023年01月14日

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