作品一覧

  • ファンたちの市民社会 あなたの「欲望」を深める10章
    4.6
    誰もが何かの「ファン」であるこの時代に、よりよい生と社会はいかにして実現できるのか? 資本主義社会が作り出す欲望や快楽とうまく付き合う視座を見つけるための、「ファン研究」入門。 武道でも料理でも、「ファン」を軸に切り込める! ——北村紗衣推薦! 私たちが抱く欲望や快楽の「悪さ」とは何か? 私たちの生活を取り囲む資本主義とどう向き合えばよいのか? アイドル、トランプ現象、萌え絵、武道、自炊…… より良い生と市民社会を実現するためのヒントは「真面目」な政治的領域だけでなく、「不真面目」な「ファン」に目を向けることで見えてくる! 【目次】 はじめに なぜファンの欲望と快楽を考えるのか?  「私」を守るためにファンになる/ファンダムの欲望と快楽の「悪さ」… 〈第Ⅰ部 欲望と快楽を育てよう〉 第一章 あなたの欲望を大切にしよう  アイドル文化を見下してはいけない/男に媚びたマドンナ?… 第二章 感じたことを誰かに話してみよう  ヤフコメとツイッターを見るジョーカー/社会運動の出発点としての怒り… 第三章 欲望に形を与えよう  資本主義の中で自分の欲望を練り上げるDIY文化/レイス・ベンディングとコスプレ… 第四章 人に教えたり教えてもらったりしよう  セーフキャストの非現場主義/遊びと社会運動… 第五章 「キモい」自分を生きよう  主体化とレイシズム/「キモい」欲望とどう折り合いをつけるか?… 〈第Ⅱ部 現実を二次創作しよう〉 第六章 システムにゲリラ戦をしかけよう  「この商品を買うとあなたは幸せになりますよ」と資本主義は囁く/性的欲望を共有するコミュニティー… 第七章 支配欲を変形させよう  異世界転生とコンテンツ・ツーリズムと観光の悪さ/公共の場で萌え絵を見せたいとしたらそれはなぜなのか?… 第八章 英雄のいない世界を作ろう  安倍首相によるポピュラー文化の利用/インターネット時代における感情の政治とポピュラー文化の動員… 第九章 自炊して盗み、盗まれよう  自炊は文化の盗用か?/盗まれる実践としての自炊… 第一〇章 楽しい殺し合いができる相手を育てよう  在野の研究者としての武道家/記号的コミュニケーションとしての殺し合い… おわりに 楽しい推し活をしよう  「現実」というフィクションを通して生きる/悪さを引き受けることと成熟…
  • コンヴァージェンス・カルチャー
    3.7
    1巻4,070円 (税込)
    オードリー・タン氏(台湾デジタル担当政務委員大臣)推薦! メディア論・ファンダム研究の名著、待望の邦訳! 『サバイバー』、『アメリカン・アイドル』、『マトリックス』、 『スター・ウォーズ』、『ハリー・ポッター』…… 世界的ヒットを記録したエンターテインメントは、 多くのファンたちが積極的に参加することで熱狂の渦が生まれた。 映画やアニメ、ゲーム、コミックなど多岐にわたる メディア・プラットフォームのもとに、 ポップカルチャーのファンたちは集まり、コミュニティをつくる。 そこは新しい知識が生み出され、主体的な参加が促される創造的な場である。 もはやメディア産業もファンダムを無視してコンテンツをつくることはできない。 メディア研究の第一人者が、<コンヴァージェンス>の理論をもちいて トランスメディアの複雑な関係を読みとく古典的名著。 ファンと産業界が衝突しながらも ともに切りひらいてきた豊かな物語世界の軌跡をたどり、 参加型文化にこれからの市民社会を築く可能性を見出す。 オードリー・タン氏 「参加型テクノロジーによって、私たちはメディアのリテラシーだけでなく コンピテンシー(実行力)を手にした。本書はこのことを全世代に知らしめた。 私たち自身のメディアと物語(ナラティブ)を社会的に作り出すことが 集団的な覚醒へと繋がるのだ。 本書で描かれる現象は、「ひまわり運動」など台湾で目下進行中の 民主化プロジェクトを支えているものである。 「達成可能なユートピア」というヴィジョンを通じて、 私たちはロックダウンなしでパンデミックに、テイクダウンなしでインフォデミックに反撃できたのだ。 という宣言である。」 【目次より】 イントロダクション「コンヴァージェンスの祭壇で祈ろう」 ──メディアの変容を理解するための新しいパラダイム 第1章 『サバイバー』のネタバレ ──知識コミュニティの解剖学 第2章 『アメリカン・アイドル』を買うこと ──私たちはリアリティ番組でどのように売られるか 第3章 折り紙ユニコーンを探して ──『マトリックス』とトランスメディアのストーリーテリング 第4章 クエンティン・タランティーノの『スター・ウォーズ』? ──草の根の創造性とメディア産業の出会い 第5章 どうしてヘザーは書けるのか ──メディアリテラシーとハリー・ポッター戦争 第6章 民主主義のためのフォトショップ ──政治とポップカルチャーの新しい関係 結論 テレビを民主化する? ──参加の政治学 あとがき ──YouTube時代の政治を振り返る

ユーザーレビュー

  • ファンたちの市民社会 あなたの「欲望」を深める10章

    Posted by ブクログ

    個人的には最近悩んでた己の欲望の加害性、暴力性をどう引き受けるかの話でめちゃくちゃ参考になりました。

    0
    2025年09月28日
  • ファンたちの市民社会 あなたの「欲望」を深める10章

    Posted by ブクログ

    「推し活」の文化や生じる感情、起こっていることに興味があり、読んでよかった本。

    資本主義を生きる中で、自分の欲求とその暴力性を自覚し、知性化し、「好き」や「推し」がもたらす「豊かな人生」の背景に目を向ける。
    そのことで、より人生は豊かになるかもしれない。ひとまず、定期的にこの本を読みたい。

    入門書だけあり、とてもわかりやすい。

    0
    2025年09月13日
  • ファンたちの市民社会 あなたの「欲望」を深める10章

    Posted by ブクログ

    すごく深い本なのに、終わりの方になるまで、全然的を絞れず読み続けていた。

    タイトルの「ファン」、さらに はじめに で出てくる「推し」という言葉、
    さらにAKB48の「ヘビーローテーション」、マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」
    ときて、完全に混乱。
    はやり言葉の「推し」の研究本なのかと、、、

    そのせいでぼやーっと読んでいたのだが、ふと気づく。
    欲望、快楽がテーマなのでは?と。
    あ、サブタイトルに書いてある。
    資本主義のもと「これを買えば幸せになれますよ」と、欲望、快楽を押し付ける。
    どうやってこの魔の手を逃れ、自身の欲望に素直になれるか、生きていけるか、
    それを問うている本だった。
    そのた

    0
    2025年09月03日
  • コンヴァージェンス・カルチャー

    Posted by ブクログ

    2006年に初版、2008年にペーパーバック版が販売された、Henry Jenkins『Convergence Culture:Where Old and New Media Collide』の邦訳書。邦訳が出版された2021年の時点から見ると、15年以上前に存在していたメディアの風景は「過ぎ去ったもの」のような印象を持つものもあるし、メディアテクノロジーが可能にする市民参加についてやや楽観的なのではないか、と思える部分もある。

    しかしそれでも本書は、2023年の現在でも、読む価値がある。いや、時を隔てた今だからこそ、ここに記述されたファンたちの活動とメディア産業、そして宗教右派を含めた様々

    0
    2023年05月07日
  • ファンたちの市民社会 あなたの「欲望」を深める10章

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    悪さを自覚しながらの推し活を。

    ファン研究の入門書。その行動に資本主義的な欲望の問題、そして政治活動に利用されること、そもそもすべての源にある欲望と、なぜファンになるのか、なぜ推し活をするのか、など広く話題を提供している。アイドルとファンの関係、当事者と非当事者の活動、観光地化と聖地巡礼、二次創作の権利、自炊と文化の盗用など、興味深い視点がたくさんあった。文献紹介にも気になるものがたくさん。

    自分の欲望を否定することはできない。欲望を表現するのは構わない。しかしそこにある非対称性から生まれる暴力を認識すること。社会的には認められない欲望の源に、自分が本当に求めているものを見出すこと。二次創

    0
    2025年10月13日

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