作品一覧

  • 現代民主主義 思想と歴史
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    日本では民主主義(デモクラシー)の使徒とみなされるルソーが、欧米では全体主義の思想家とみなされるのはなぜか。なぜ、民主主義はナポレオンやヒトラーのような独裁を生み出してしまうのか。民主主義は何に敗北してきたのか。そもそも民主主義とはいったい何なのか――。  本書は、民主主義、そして民主主義の双子ともいうべきナショナリズムをめぐる思想がどのように生まれ、変容してきたのか、原点であるフランス革命の基盤となったルソー、シィエスの思想にさかのぼり、トクヴィルやJ・S・ミルによる自由主義者からの民主主義への反論、世界大戦期ドイツのヴェーバーとカール・シュミットの思想、さらに全体主義批判を踏まえた冷戦期のアレント、ハーバーマスを経て冷戦終結後の現在に至るまで、思想家たちが生きた時代的背景とともに、一気呵成に描き出す。  民主主義とはなにか、この根源的な問いの答えは、幾多の血を流しながら民主主義が歩んできた歴史のうちにこそ見いだされる。著者渾身の民主主義思想史!! 【本書の内容】 はじめに 序章 民主主義のパラドクス 第1章 近代民主主義とナショナリズムの誕生  第1節 フランス革命とルソー、シィエスの思想  第2節 ドイツ・ナショナリズムとフィヒテの思想 第2章 自由主義者の民主主義批判とナショナリズムの発展  第1節 民主主義革命とトクヴィル、ミルの思想  第2節 ナショナリズムの統一運動と民族自決権の思想 第3章 民主主義観の転換とナショナリズムの暴走  第1節 第二帝政期ドイツとヴェーバーの思想  第2節 ワイマール期ドイツとカール・シュミットの思想  第3節 民族自決権の適用とその帰結 第4章 民主主義の再検討とナショナリズムの封じ込め  第1節 全体主義批判と民主主義論の再構築  第2節 民族自決権の受容と回帰 結び 冷戦終結後の民主主義とナショナリズム あとがき
  • ヘーゲルにおける理性・国家・歴史
    5.0
    1巻8,800円 (税込)
    1970年代以降,従来未公刊であったヘーゲルの草稿や講義録が続々と出版され,ヘーゲル哲学の研究は画期的な進展を見せている.著者はそれらドイツでの研究動向を踏まえつつ,とくに歴史哲学と法哲学(国家論)に焦点を絞って緻密な発展史的読解を展開,従来のヘーゲル政治思想像を大胆に書き換えるにいたった.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

    試し読み

    フォロー

ユーザーレビュー

  • ヘーゲルにおける理性・国家・歴史

    Posted by ブクログ

    ヘーゲル哲学の核心に三位一体論の独特の解釈が位置していることを浮き彫りにしながら、その思想が悪名高い<歴史哲学>と<法哲学>、さらには『精神現象学』に至るまでの初期ヘーゲルの思想を貫いていることを丹念に論じている。内容は大きく三部に分かれている。第一部では歴史哲学がテーマとなる。『歴史哲学講義』のテキストの成立過程を検証して、ヘーゲル本来の神学的歴史解釈の視点を異質な文化同士の接触による文化の変容であることを指摘している。現在流布している単線的歴史発展史観としてのヘーゲル歴史哲学とは異なる歴史哲学を打ち出し、その現代的意義をも問うという内容になっている。第二部では国家論がテーマとなる。まず、ヘ

    0
    2014年03月19日
  • 現代民主主義 思想と歴史

    Posted by ブクログ

    「民主主義とナショナリズムの相互作用という観点から、フランス革命以来の現代民主主義の思想を統一的に把握し、欧州ナショナリズムの歴史の中で、現在見られる様々な現象を理解しようとする試み」と「はじめに」にあるように、近代民主主義論の先駆者であるルソーの議論や「国民」を政治の舞台の中心に置いたシィエスの議論から出発しつつ、民主主義の思想や運動がナショナリズムのそれとどのように結びつき、現実の制度や秩序に影響を及ぼしてきたかを総合的に叙述している。ただし著者の問題意識は、民主主義とナショナリズムの相互作用からなぜ強力な指導者を待望する民主主義論が誕生するのか、というところにあり、そのためヴェーバーの指

    0
    2022年01月03日
  • 現代民主主義 思想と歴史

    Posted by ブクログ

    フランス革命前のルソーから(カエサルにも触れつつ)現代日本までの民主主義あるいはナショナリズムの考察.初心者にも分かりやすくとの主旨だがかなり読みにくかったが内容は面白い.特にワイマール憲法からナチスの独裁に至るあたりが詳しく,民主主義の旗に隠れたナショナリズムに歴史上のいろんな角度から切り込んでいる.
    そして今日本の「強力なリーダーシップ」「決められない政治」という政治改革の標語風潮に警鐘を鳴らしている.

    0
    2021年04月04日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!