女子少年院に入った経験のある著者が、それを映像化するために、全国の女子少年院を渡り歩いて入所している少年(女子)に行ったインタビューを元に書かれたもの。
自分が選んだわけでもない劣悪な環境に生まれてしまった彼女たちが、生きるために選んだのが「犯罪」という道だった…理由はそれ以外の道を「知らなかった」
...続きを読むからだ。
経験者の著者から見ても、最近の彼女たちの行動には理解のできない部分が多いという。中でも著者が強く感じたのが、あまりにも周辺に愛情の気配がない、という事実だ。でもそれは必ずしも親たちだけに責任のあることではない。親たちも同様、愛のある環境に育ってきた訳ではない、というケースが少なくないからなのだろう。
それでも、多分私たちが思う「常識」より遥かに長い時間をかけて、彼女たちに「愛情」を感じさせることはできる。そのことを著者は読者にも、自分にも言い聞かせるように噛み締めるが如くに繰り返す。
自分の周辺にいる彼女たちにも、驚くほど似たシチュエーションがあることに、改めて気づく。愛情に飢え、そのために依存が強くなり、逆に人間関係を狭めてしまい、他の愛情に気づく機会を自ら潰しているように思える彼女たち。
一緒に映画を見てみたい、と思う。