【感想・ネタバレ】女子少年院の少女たちのレビュー

あらすじ

「助けてほしい」が届かない!

少女はなぜ女子少年院に入ったのか――。自分も女子少年院経験者の著者が、覚醒剤、虞犯、窃盗、恐喝で収容された佳奈・美和・沙羅・遥香の4人の少女に取材し、犯罪に至る背景や出院後の人生に迫る。複雑な生い立ちや家庭環境など少女たちが語る赤裸々な言葉が胸を打つ。

18歳の加奈は親に捨てられずっと児童養護施設育ち。頼れる大人もないまま社会に出て覚醒剤使用で逮捕された。出院後も引受先から追い出されてしまう……。普通の人ならそんなことはしない、と自己責任の一言で切り捨てられがちな風潮だが、世の人が当たり前に思う「普通」の養育を受けていない子どもがいる。少年院は刑罰ではなく、そうした子どもに衣食住を与える学びの場なのだ。だが社会に出てからも、周囲の偏見や厳しい対応で挫折し、更生できないケースも多い。

厳しい現状を伝え、それでも理解者がいれば「人は変われる」と著者は訴える。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

「加害者になる前に被害者だった」というのが印象的。昔より犯罪件数が減っているというのに驚いた。が、愛を知らない子供(親もかな)が増えているというのは納得。

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2022年04月03日

Posted by ブクログ

私には何もできないけれど、心が痛くなる話でした。

貧富の差が広がるにつれ、こういう悲しい出来事が増えていくのではないかと心配です。

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2024年08月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

少女達が少年院に入るまでの人生、周りの環境、少年院での暮らしの中で起こった心境の変化、退所後の生活等が書かれている。
「カップラーメンを二つ盗んだことで少年院に収容された子がいた。この場合、カップラーメン2個の金額が問題なのではない。問題はカップラーメンを盗んで食べなければいけなかった環境にある、ということを理解してほしい。」この文にはハッとさせられた。 

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2024年07月04日

Posted by ブクログ

女子少年院に入った経験のある著者が、それを映像化するために、全国の女子少年院を渡り歩いて入所している少年(女子)に行ったインタビューを元に書かれたもの。
自分が選んだわけでもない劣悪な環境に生まれてしまった彼女たちが、生きるために選んだのが「犯罪」という道だった…理由はそれ以外の道を「知らなかった」からだ。
経験者の著者から見ても、最近の彼女たちの行動には理解のできない部分が多いという。中でも著者が強く感じたのが、あまりにも周辺に愛情の気配がない、という事実だ。でもそれは必ずしも親たちだけに責任のあることではない。親たちも同様、愛のある環境に育ってきた訳ではない、というケースが少なくないからなのだろう。
それでも、多分私たちが思う「常識」より遥かに長い時間をかけて、彼女たちに「愛情」を感じさせることはできる。そのことを著者は読者にも、自分にも言い聞かせるように噛み締めるが如くに繰り返す。
自分の周辺にいる彼女たちにも、驚くほど似たシチュエーションがあることに、改めて気づく。愛情に飢え、そのために依存が強くなり、逆に人間関係を狭めてしまい、他の愛情に気づく機会を自ら潰しているように思える彼女たち。
一緒に映画を見てみたい、と思う。

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2022年07月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

非行少年(少女)を支援する大人の中で、どれほどの人が本当に当人たちのことを考えているだろうか。
少なくとも第1章に出てきた中間支援施設の職員は上から「助けてやっている」という態度がありありと見える。こうした態度は当然支援を受ける側にも見抜かれるだろう。もちろん、支援側には支援側の言い分もあるだろう。しかし、さまざまな問題を抱える触法少年と関わることの覚悟なしに中途半端に関わるのは一番良くないと思う。
幸い、この本に出てくる四人の少女は理解者を得、本が上梓された時点では立ち直ることができている。だが、肝心なのは少年院を卒院したあと、信頼できる人に出会うことができるかどうかだと思う。「人は変われる」本書の中で繰り返し述べられる言葉だが、人は良い方にも悪い方にも変わるのだ。変わるべきは、社会からはみ出した者に不寛容なこの世の中、また失敗を許さない社会構造そのものであると感じた。

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2021年06月09日

Posted by ブクログ

《少年院は罪を償う場所ではなく、矯正教育を受ける場所。もう二度と罪を犯すことのないよう育成する》

少年院関係の本を読むといつも感じる《教育の場》と言う印象が端的な言葉にされていて腹落ちした。

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2021年05月09日

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