作品一覧

  • 女子少年院の少女たち
    3.4
    「助けてほしい」が届かない! 少女はなぜ女子少年院に入ったのか――。自分も女子少年院経験者の著者が、覚醒剤、虞犯、窃盗、恐喝で収容された佳奈・美和・沙羅・遥香の4人の少女に取材し、犯罪に至る背景や出院後の人生に迫る。複雑な生い立ちや家庭環境など少女たちが語る赤裸々な言葉が胸を打つ。 18歳の加奈は親に捨てられずっと児童養護施設育ち。頼れる大人もないまま社会に出て覚醒剤使用で逮捕された。出院後も引受先から追い出されてしまう……。普通の人ならそんなことはしない、と自己責任の一言で切り捨てられがちな風潮だが、世の人が当たり前に思う「普通」の養育を受けていない子どもがいる。少年院は刑罰ではなく、そうした子どもに衣食住を与える学びの場なのだ。だが社会に出てからも、周囲の偏見や厳しい対応で挫折し、更生できないケースも多い。 厳しい現状を伝え、それでも理解者がいれば「人は変われる」と著者は訴える。
  • 帰る家がない 少年院の少年たち
    4.3
    1巻1,430円 (税込)
    闇バイト、半グレ、詐欺、虐待……「明日はいらない」 女子少年院の少女たちを取材した著者が、今度は多摩少年院、久里浜少年院の4人の少年を取材し、少年たちの心と犯罪の背景に迫った。幼少期から親に虐待されて家出、食うために窃盗や強盗をした子ども。友達の身代わりに詐欺の受け子をして抜けられなくなった子ども。それぞれの犯罪の裏には、まだ自立できない年齢なのに、頼れる大人も安らぎもないという家庭や社会の問題がある。また、少年院を出ても昔の仲間が足を引っ張る。追い詰められた結果、闇バイトの実行犯として懲役刑を受けた18歳の「特定少年」は「捕まってホッとしている」と言った。自暴自棄になっていた別の少年は「犯罪をして、ダメになったら死ねばいいやと思ってた」――。 頼れる人のいない少年が生きていくには多くの困難がある。だが少年犯罪厳罰化は進み、2022年、改正少年法が施行された。自身も少年院経験者の著者は、彼らが犯罪へと踏み込んでいくのは少年だけの問題ではなく、社会、すなわち大人の問題でもあると語る。人は人とつながることで生きていける。支えがあれば、人は変われる!

ユーザーレビュー

  • 帰る家がない 少年院の少年たち

    Posted by ブクログ

    色々な若者達がどうやって罪を犯してしまったのかが読みやすく書いてありました
    実際は想像もつかないくらい苦しんでいたと
    思います
    巻き込まれて犯罪に手を染める方もいました
    ニュースなどでも闇バイト系も頻繁に見ます
    幸い今の所縁のない世界ですが為になりました

    0
    2025年02月02日
  • 帰る家がない 少年院の少年たち

    Posted by ブクログ

    貴重な話を読むことができました。

    可哀想や悲しいというより、切なさを感じました。育っていく環境や人の出会いも大切なことであるか、痛感しました。

    0
    2024年10月12日
  • 帰る家がない 少年院の少年たち

    Posted by ブクログ

    人によっては厳しい視線は変わらないかもしれないし、当人たちによってはとことんワルで、更生の余地がない人間もいるかもしれない。
    重要なのはきっかけ、なのだろう。ここで終わってたまるか、まだ自分はやり直せる。そんな言葉をかけてやれる人間がどれだけいるだろうか。
    読み終えて深く突き刺さる一冊である。

    0
    2024年09月27日
  • 帰る家がない 少年院の少年たち

    Posted by ブクログ

    大げさに言えば、日本国民全員にこの本を読んでいただきたい。
    私は卑怯者で弱かったから、早く自分の人生を終わらせたかった。
    だから、大量服薬やリストカットといった内側の世界で自分を殺そうとした。
    でも生き残ってしまった。
    そしてこの本に出会った。
    だからといって、この先の自分がどうなるかは、自分次第。
    人によっては厳しい言葉かもしれない。
    でもあえてもう一度言う、この本を日本国民に全員に読んでもらいたい。

    0
    2024年09月21日
  • 帰る家がない 少年院の少年たち

    Posted by ブクログ

     少年院経験者でもあり、少年院出院者支援も行っている著者と少年院入所者らとの面会・交流の様子をルポ風にまとめたもの。少年に限らず、犯罪者には風当たりの強い世の中だが、多感な時期の若者が様々な理由から犯罪に手を染め、また検挙・少年院入所等をきっかけに立ち直ろうともがく姿が描かれる。

     犯罪に手を染めてしまったとはいえ、被害者のことを思い、そのことを後悔したり、著者との交流で前を向く決意をしたりするところは読んでいて感動してしまった。悪いことをしたら子供も大人も関係ない!重く処罰しろ!なんて簡単には言えない。社会で起きていることは自分にも関係していて、何が必要なのかを考えることが必要、という著者

    0
    2025年06月30日

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