竹田人造の作品一覧
「竹田人造」の「ハヤカワSFコンテスト2020受賞作【無料試し読み版】」「AI法廷の弁護士」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
まったく事前情報なく書店で偶然見つけたので購入しました。本書では4つのケースが収録されていたので、最初は短編集かと思いましたが、実はすべての話がつながっていて、最後にクライマックスとして大きな謎解きがされており、それはそれで面白かったです。
ネタバレになりますので深くは書きませんが、本書の前提として裁判官がAIになった世界が描かれています。裁判数が激増し、かつ裁決までの時間がかかるという状況で、裁判官をAIにすることでその効率化を図ったわけです。主人公は人間の弁護士ですが、本のオビにも書いてあるように、アルゴリズムの穴をついてでも(汚い手を使っても)勝訴を勝ち取るという凄腕弁護士です。
最近公開された映画で「マーシー:AI裁判」というものがありました。これもAIが裁判官という想定でしたが、サスペンス的謎解き要素は面白かったものの、裁判官がAIである必然性があまり感じられなかった。それに反して、本書のAI裁判官は、コンピュータプログラムであることや、その作り手の人間が背後にいることなど、「AI裁判官」ならではの落とし穴がふんだんに盛り込まれていて、なるほどと思わせる箇所が多かったです。また登場人物(人間)の個性も面白かった。一番印象に残ったのは、ケース2で登場する、脳波義手を背中に10本つけている千手樟葉というキャラクターでしょうか。普通の人間を「二本腕」と格下扱いするのですが、本書の主題である「AI裁判官 vs ハッカー弁護士」とは別のところでも興味深い味付けがある印象です。