作品一覧

  • 刑務所の精神科医――治療と刑罰のあいだで考えたこと
    3.8
    1巻2,970円 (税込)
    〈私には、非行少年少女や受刑者の多くが人生の偶然や不運に翻弄されているように見えた。そして、人生のほんのわずかな何かが変わっていれば、自分も少年院に入って反対側の椅子に座っていたかもしれないと感じていた〉刑務所や少年院などの受刑者・被収容者の中には、精神障害が理由となって法を犯した者もいれば、矯正施設という特殊な状況下で精神障害を発症する者もいる。しかし、受刑者たちの治療の前には、つねに法の「平等主義」が立ちはだかってきた。親の顔も知らずに育った青年。身寄りもなく、万引きを繰り返して刑務所と外の世界を行き来する老人。重度の精神障害のため会話もままならず、裁判すらできずに拘置所に収容されつづける男性――。著者は精神科医として、矯正施設でありとあらゆる人生を見てきた。高い塀の向こうで、心の病いを抱えた人はどう暮らし、その人たちを日夜支える人々は何を思うのか。私たちが暮らす社会から隔絶された、もうひとつの医療現場を描くエッセイ。
  • 医療系のための心理学
    値引きあり
    -
    1巻1,265円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 看護、薬、臨床検査、理学療法、栄養など医療系学部の学生ならば知っておきたい心理学の基礎知識が1冊にまとまった教科書。豊富なカラーイラストで心理学のエッセンスをやさしく楽しく学べる! 《 目 次 》 第1章 感覚・知覚  1.1節 感覚の仕組み  1.2節 知覚  1.3節 錯覚と主観的世界 第2章 学習・行動  2.1節 学習の基礎  2.2節 条件づけ  2.3節 社会的学習 第3章 注意・記憶  3.1節 注意  3.2節 記憶 第4章 言語・思考  4.1節 言語  4.2節 思考 第5章 感情・動機づけ  5.1節 感情  5.2節 動機づけ 第6章 社会・集団  6.1節 人は他者をどう捉えているか  6.2節 対人関係  6.3節 集団の中の人の心 第7章 知能・性格  7.1節 知能を捉える  7.2節 性格を捉える  7.3節 知能・性格と遺伝の関係 第8章 人間の発達  8.1節 発達の基礎  8.2節 ライフサイクル論と子どもの発達  8.3節 青年期以降の発達 第9章 心の理解とその支援方法  9.1節 心を理解するために  9.2節 心の援助方法について 第10章 ストレスと心身の健康  10.1節 ストレスとは  10.2節 ストレスと精神・身体疾患 第11章 家族関係の理解  11.1節 家族をどのように捉えるか  11.2節 家族理解のための三つのポイント ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

ユーザーレビュー

  • 刑務所の精神科医――治療と刑罰のあいだで考えたこと

    Posted by ブクログ

    とても面白く、学びが深かった。
    安易な共感にも批判にも与しない抑制された語り口、時々顔を覗かせるユーモア、具体的なエピソード。エッセイなので読みやすいが、決して浅くはなく、どれも塀の中の人たちへの理解を深めるのにとても有用だった。
    睡眠薬を増やしてもらう受刑者のふるまいを「セリでもやっているかのように」と表現していたのは秀逸。
    印象に残った部分を箇条書きで残しておく。

    ・エピソードで強い衝撃を受けたのは累犯窃盗の中年女性の話。
    娘に対して依存気味で、親離れして大学生活を謳歌する娘の気を引くために万引きに走った母親がいた。淡々とした描写だが、どこにでもいる拗れた親子だと強く思った。
    まさに私も

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    2024年11月02日
  • 刑務所の精神科医――治療と刑罰のあいだで考えたこと

    Posted by ブクログ

    凶悪犯罪についてのドキュメンタリー動画をYouTubeでよく見たりするので、個人的にはおもしろかった。
    治療と刑罰を同時に実行するのは難しい問題なんだなと思ったし、人間を育てるのも大変だなと思った。

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    2022年08月21日
  • 刑務所の精神科医――治療と刑罰のあいだで考えたこと

    Posted by ブクログ

    矯正施設の受刑者や非行少年たちの中には、一般社会よりも高い割合で、精神障害の方や、学習面や身体面に困難さを抱えて社会に適応できずに道を踏み外してしまった方がいるとされる。

    本書は、そうした矯正施設で精神科医師として20年以上勤務した著者のエッセイである。著者の野村先生は、哲学、臨床心理学を経て、30代後半で医学の道に進んだという。この“回り道”が、野村先生の医師としての懐を深いものにしていることが、本書を読むと伝わってくる。

    野村先生は、このトレーニングをすればいい、この治療でどうにかなる、ということを軽々しく言わない。むしろ何度も医療の限界を述べ、それでも試行錯誤して、根気強く、支持的に

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    2022年06月11日
  • 刑務所の精神科医――治療と刑罰のあいだで考えたこと

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    分類は刑事法の中の矯正ということになってますが⋯まぁエッセイですね。
    タイトル「刑務所の」とありますが著者が勤務されていたのは医療刑務所だったり少年刑務所だったりで、収容されている人たちの犯罪の種類や重さもさることながら、年齢や病気の種類、病状の軽重など実に様々な人たちと関わってこられたことが綴られています。

    他にも大学の先生になられたり頼まれて精神科病棟の医師になられたり様々な場所で受刑者だけでなく一般の精神病やADS患者、認知症と思われる高齢者などに関わられたということで、実務の中でしかわからない興味深い話がたくさんありました。

    様々なケースを語られる中で「こういう点についてこうしたら

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    2025年11月19日
  • 刑務所の精神科医――治療と刑罰のあいだで考えたこと

    Posted by ブクログ

    塀の中の事は中々知ることはできない。
    長年興味があった。
    この本は作者が矯正施設に精神科医として勤めていた時の経験談が書かれています。
    作者個人の経験なので限られた範囲にとどまってしまうが、犯罪を犯してしまった人たちの心理がわかることができた。

    作者がフィンランドの刑務所を見学に行ったときの言葉が印象に残る。
    「私たちはよい受刑者をつくる事ではなく、よい市民を作ることを目標にしている」その言葉についての作者の感想が「日本の刑務所はよい受刑者を作ることに躍起になっていると言われたような気がした」とある。どちらが良い悪いは別にしてこの本を読むとそれを痛切に感じる。

    私たちは自分に害を及ばす恐れ

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    2025年10月29日

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