『法学はまた議論を大切にする場でもあるから、読者も本書を素材として大いに議論してほしい。』
――あとがきより。
筆者の思想信条にかなり依る記述もあり、初見ではびっくりする人もいるかもしれません。
ただし、学者肌の法律家というのは元々左寄りの思想が強い人が多く、そういうものだと理解したうえで論旨を理
...続きを読む解すべきだと思います。
思想信条が自分の考えに沿わないからといって、その人の論も否定するようであれば、この表題にある「法」に則った考えとは言えないでしょう。
個別の法律に関する解説では理解できない、根源的な法のあり方を考える本です。
例えばAという法律に違反したからBという刑が適用される、という話にとどまらず
「なぜAという法律が成立し、正当性があるといえるのか」
「なぜBという刑で権利が守られると考えられているのか」
という点を考えることができます。
冒頭にあるように 法=正義 を念頭に置いて読んでみてください。