秋山具義の作品一覧
「秋山具義」の「こうやって、センスは生まれる」「世界はデザインでできている」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「秋山具義」の「こうやって、センスは生まれる」「世界はデザインでできている」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
「センス」という言葉は、私がかつて、最も嫌いな言葉だった。
努力をすれば夢は叶うと信じていた若い頃。
「持たざる者は、生まれつき持てる者に敵うことがない」ということを、センスという一言が示しているように感じていた。
「センスがいい」という言葉で他者や作品を褒めそやす人も、その努力を否定するようなその無慈悲な言説に加担しているような気がしたのだ。
デザイナーである妻と出逢い、センスとは何かについて考える機会に触れるにつけ、その考えは変わっていった。
今はもうセンスという言葉にネガティブな気持ちは持っていない。
そんな経緯の先に、私は本書と出逢った。
「センス」を取得し、鍛えることができるものであることを、論理的に解説してくれている。
デザインというものは非常にビジネス的だ。アート的な発想力をエッセンスとして用いながらも、知識と技術で、センスのいいアウトプットを生み出し、人に伝え、人を動かすことができる。
私は、余分な情報を削りに削って本質だけにすることを至上とすることを「センスがいい」とする風潮にはやや疑問を持っている。
ジョブス以降、ロゴもファッションもプロダクトもサービスも、装飾、カオス、余剰、そうした枝葉を落とした飾り気のないものばかりになってしまった。
本の表紙もそうで、書店には総白地に黒いサンセリフの文字がドンと配置されただけの「シンプルイズベスト」なものが氾濫している。
本書でもそうした、ひたすらシンプルにしたものを賛美している部分が気になりはするが、その思想を理解すると、そうした帰結になることも理解できるようになった。
本書の構成も、そのメッセージに呼応するようだ。
分かりやすいメッセージに絞り込み、繰り返し、常に主張から逸脱しない。
いかに読者にメッセージを伝え、読者を動かすかを考え尽くされているのが伝わる。
文章でも、ビジュアルでも、映像でも、マテリアルでも一緒だ。
現代アートには目的のないものが少なくないが、多くのアウトプットには何かしらの目的が伴うことが多い。
目的を達成するための技術の良し悪しを示す指標として、センスが存在する。
そしてこの本もそのISSUEに沿った書き方をしているのだ。この再帰性が快い。
未だつらつらと長文を流しているこの感想も、センスに欠けていて嘆息ものだが、アウトプットとそのフィードバックを重ねねば磨かれようもない。
半歩ズラす視点で以て、知覚、組み換え、表現する。
自分には文学が足りていないようだ。