アメリカ、中国に次ぐ、大国インド。その政治の要である、モディを扱った書
面白かった。
2023年に中国を抜き、人口で世界首位にたったインド、2040年まで人口ボーナスが続くとされるインドは、米日印と、中露印と二つの世界を結ぶ、二極の国際政治の鼎の中心でもある
気になったのは次です。
・インドの
...続きを読む国名はバーラドという。ジャパンの国名は日本というのに同じ
・IT、情報通信産業の大国インドを支えるのは、数校に及ぶIIT(インド工科大学)がバックボーンです。
・インドを代表するIT企業は6社、SWITCHと呼ばれる サティヤム(S)、ウィプロ(W)、インフォシス(I)、TCS(T)、コグニザント(C)、HCL(H)。
USのGAFAM,中国のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)と同様、その国を代表する巨大IT会社である。
・イギリスの植民地であったインドには英語人材に不自由がなく、欧米の生活や文化にあこがれる若者多いの強み。
・モディは農民票を取り込もうと、AIの力で、農家の収入を二倍にすると宣言している。
・ソフトバンク、ヤフーのPayPayは、インドのペイティーエムの技術がベースとなっている。
・インドのマイナンバー制度 アダールは、いまや、インドの戸籍であり、銀行口座と同等である。
・インドの裏の顔、ミサイル、軍事技術、核装備
・インドのIT技術をささえるのは、2桁の九九であるキラム法
・IT産業は、カースト制のない職業
・インドはなぜ中国のように急成長できなかったのか。それは労働者を守る法律があるから。
・首相モディはチャイ売りの少年だった。苦労人の彼がグジャラードへもたらしたモデルがインド改革のきっかけとなった。
①強い指導力を発揮する
②電力などのインフラを整備する
③経済特区で規制緩和をして外資を導入する
④政治の透明性を高め、高成長を実現する
・インドは政教分離が国是。それを、セキュラリズムという。つまり、世俗的ということである。
・中印の二国関係は、大人の関係と言われる
目次
プロローグ
第1章 なぜインドとAIなのか
第2章 インド人が優秀な本当の理由
第3章 日印ビジネスに大切なこと
第4章 グジャラート州から生まれた政治家
第5章 モディ首相が誕生するまで
第6章 モディ政権によるニューウェーブ
第7章 宗教という国家リスク
第8章 原子力協定の深層
第9章 中国とはケンカをしないのか
第10章 象の進む途
あとがき
インド年表
主要参考文献
ISBN:9784166612376
出版社:文藝春秋
判型:新書
ページ数:256ページ
定価:880円(本体)
発売日:2019年10月20日