作品一覧

  • グローバル・バリューチェーン 新・南北問題へのまなざし
    4.0
    1巻2,750円 (税込)
    ◆たとえばアップルの製品のように、アメリカで研究開発され、日本や東南アジアで作られた部品が中国に集められ、組み立てられて全世界に輸出されるといった複雑な国際分業体制があたりまえの時代になりました。その結果、通商問題は中国からアメリカにどれぐらい輸出されているかといった単純な問題ではなくなってきています。 また、単純な部品は途上国、高付加価値品は先進国でつくるといった国際貿易の前提も崩れました。途上国に最新鋭の工場が作られ(しかし、その国に必ずしも富は落ちず)、一方で先進国で失業問題が深刻化するといった複雑な新・南北問題が起きています。 ◆このような複雑な国際生産分業ネットワークがどのように張りめぐらされ、どの段階でどれぐらいの付加価値が付くのかを膨大なデータを駆使して分析する最新の手法がグローバル・バリューチェーン(GVC)分析です。本書では、東アジア経済の一体化や、米中貿易戦争、第4次産業革命の影響といった国際経済の構造とダイナミックな動きを明らかにしていきます。数式はほとんど用いず、ビジュアルを工夫した図表で直観的に理解できるように解説します。 最先端の研究成果をもとにしながら、グローバルに事業を展開している企業のビジネスパーソンにとっても、知的刺激を受けながら読み進められるわかりやすい内容になっています。
  • グローバル・バリューチェーンの地政学
    4.0
    1巻2,640円 (税込)
    ■複雑に張りめぐらされた国際分業ネットワークを、付加価値という視点から読み解くグローバル・バリューチェーン分析。OECD国際産業連関表など最新のデータをもとに、米中対立を中心とする近年の経済対立、経済安全保障問題を見通す。 ■たとえば、シャツの生産において、ミラノのデザイナーがデザインを手がけ、それをもとにロンドンの職人が型紙を起こし、最後にダッカの工場で大量生産されるなど、生産工程は細かく切り分けられ、各工程は、その業務が最も効率よく行われている国へと移転されるようになった。  輸送技術や情報通信技術の進歩、そして自由貿易を支える様々な制度の発展により生産システムは大きな変容を遂げている。 ■このような国境を越えた生産分業についてその構造に目を向けると、資産や雇用機会、テクノロジーといった「経済的価値」の分配をめぐる国際的なパワーゲームが見えてくる。生産分業の構造は企業の力関係を反映しており、究極的にはこの力関係こそが、ゲームにおける価値配分の大きさと方向性を決めるからだ。グローバル・バリューチェーンの価値ネットワークの誕生は、安全保障の考え方に少なからず影響を及ぼしている。国際経済ネットワークの「かたち」と国家間のパワーバランスを、本書では読み解いていく。 第1章 地政学への接近 第2章 チョークポイントはどこにあるか 第3章 中国の驕り、米国の恐怖 第4章 米中デカップリングのゆくえ 第5章 戦術から戦略へ 第6章 GVCによる経済安全保障

ユーザーレビュー

  • グローバル・バリューチェーンの地政学

    Posted by ブクログ

    これは勉強になる。

    何が?と言う各論の話ではなく、GVCと言う世界観を理解できるかどうか、と言う話。

    これが理解出来ないと、今後のビジネスが見えて来ない。

    0
    2023年09月30日
  • グローバル・バリューチェーンの地政学

    Posted by ブクログ

    経済安全保障を語る上で重要となってきた、グローバル・バリューチェーン(GVC)に関して包括的に述べられており、概要的な部分から、バリュエーション分析で用いられる種々の指標、および米中対立に関する部分などが、全体的にわかりやすくまとめられている。
    欧米諸国と中露の対立が深まる中で、日本は国際的にどのように立ち回る必要があるかという点で示唆を与えてくれる本。国際的なGVCの中で日本の存在感を高めるには、日本だけが保有する資源(工業製品等を含む)の開発/利活用がこれまで以上に重要視されるように思えた。

    0
    2025年09月21日
  • グローバル・バリューチェーンの地政学

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    サプライチェーンマネジメントに関心を持ち始めたので読んでみた。以下勉強になったポイント

    サプライチェーンがどれだけある国に依存しているかの指標として量的な指標(付加価値貿易指標)だけでなくどれだけその国を通過するか(通過頻度指標)の2パターンあり、国際産業連関表からいずれも可視化することが出来る。

    一方で国際産業連関表の限界として、産業部門分類が粗い(半導体は「コンピュータ、電子·光学機器」に含まれ半導体関連製品の分析ができない)ことや製品の代替可能性に関する情報がないことも挙げられている。

    経済安全保障の姿勢として、代替性·模倣可能性の低い技術を開発するか、国際標準化等の制度面で優位に

    0
    2024年03月02日
  • グローバル・バリューチェーンの地政学

    Posted by ブクログ

    決して易しい本だとは思わなかったけど、面白かった。
    国際産業連関なんて初めての世界だった。
    考えてみれば、サプライチェーンが海を越えるのが当たり前だから、産業連関だってインターナショナルなはず。

    この本のいいところは、米中の経済制裁を分かりやすくまとめてくれていること。
    後から、あの時どっちがどうしたんだっけ?みたいなことを振り返りやすい。

    あと、安保は「囚人のジレンマ」だという指摘もなるほどと思った。
    (囚人のジレンマがわからない人のための簡単な解説もついている)

    0
    2023年10月26日
  • グローバル・バリューチェーン 新・南北問題へのまなざし

    Posted by ブクログ

    ー 第1章では、グローバル・バリューチェーン (GVC)とは何かについて、本書における概念定義を行った。 GVC研究は、国際生産分業の構造と、生産活動が生み出した付加価値の分配メカニズムとの関係性を考える学問である。

    平たく言えば、経済グローバル化の勝者が誰であり、またその勝因は、そして勝利のコストは何かについて突き止めることである。そこで、まずは生産分業のメカニズムを確認し、その上で国際生産分業が発展するための要件について説明した。それは、①各国の比較優位性 ② 製造拠点を連結する諸機能へのアクセシビリテイ、③スケールメリットを十分に活かせる市場の存在、の3点である。

    次に、国際生産分業

    0
    2023年09月18日

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