作品一覧

  • キノコとカビの生態学 枯れ木の中は戦国時代
    4.5
    1巻1,980円 (税込)
    枯れ木の中では多種多様な菌類による「陣地領地獲得合戦」が繰り広げられています。その様子はさながら戦国時代のよう。武将として登場する菌類には、シイタケのような立派なキノコを作る種類だけでなく、顕微鏡を使わなければ見えないようなカビもたくさんいるのです。ただし、カビといっても侮るなかれ。決して雑兵ではありません。そもそも、キノコもカビも同じ菌類の違う姿にすぎないのです。 本書では枯れ木に生息する菌類をすべて「木材腐朽菌」と呼び、森の枯れ木の中で彼らがどのような暮らしをしているのか紹介します。最近の菌類生態学の大きな進歩の一つに、キノコではなくその本体である菌糸の野外でのふるまいに関する知識が急速に増えたことがあげられます。本書では、こういった最新の研究成果を盛り込んだ菌類生態学の解説を目指しました。
  • 枯木ワンダーランド
    4.2
    1巻2,640円 (税込)
    樹木が枯れて土に還っても続く彼らの営みから、微生物による木材分解のメカニズム、意思決定ができる菌糸体の知性、林業や森林整備による林床からの枯木除去が生態系に及ぼす影響、倒木更新と菌類の関係、枯木が地球環境の保全に役立つ仕組みまで、身近なのに意外と知らない枯木の自然誌を、最新の研究を交えて軽快な語り口で紹介する。

ユーザーレビュー

  • 枯木ワンダーランド

    Posted by ブクログ

    コケや菌類が大好きで研究者でもある著者が私達が見落としがちな枯れ木の重要性について述べた本。

    つまり枯れ木には生態系の維持と炭素貯留という見逃せない価値があるという。
    生態系で循環する食物連鎖には植物の炭素の固定から始まり、その生きた植物の葉を生きた昆虫などが食べることにより始まる生食植物網と枯れ木の落葉などの死んだ植物を分解して食べる菌類などの微生物から始まる腐食植物網があるという。

    陸上と異なり水中の食物連鎖では腐りづらいからか食べ残しとしての炭素の貯留分は少ない。植物プランクトンは動物プランクトンに食べられ動物プランクトンは小魚に食べられる。
    一方で陸の植物網では植物や樹木が食べ尽く

    0
    2023年08月29日
  • キノコとカビの生態学 枯れ木の中は戦国時代

    Posted by ブクログ

    大変面白い一冊だった。タイトル通り、「枯れ木の中」でのキノコやカビの戦いーいかに資源を取るか、どのように資源を利用するかーということについて色々な角度から、分かりやすく示してくれる一冊である。この本を読んでから森に行ったら、ただの丸太や立ち枯れの木が大変魅力的に見え、覗き込まずにはいられなくなってしまった。そして「これがあの本で言ってた線だな」とか「今こういう腐朽段階だろうな」とか、新たな発見も沢山あった。

    0
    2022年01月15日
  • 枯木ワンダーランド

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    蘚苔類、菌類、菌根菌、植物そのものの奥深い面白さ。研究結果を提示こそすれ、曖昧な部分にすぐ結論を出さないで保留様に書いてくれるところが信頼できてありがたい。人間のむしろ先駆者である森には学ぶところがとても多く、これを『資源』としか捉えないのは勿体ないというより失礼な気持ちも、私は持った。とはいえ、一読ではこの「ワンダーランド」の、せいぜい通りをさわったかどうか、というところまでしか辿り着けなかったので、森の物語を書くものとしてはぜひ再読したい。

    0
    2024年03月07日
  • 枯木ワンダーランド

    Posted by ブクログ

    小学生の頃からコケが好きだったという著者がキノコ、菌糸菌などに興味を広げ、表に出てこない森の生態系の「枯木ワンダーランド」について話題を展開する。
    小学生から時間を経て研究者になっていく著者の興味が広がっていく様が面白い。研究とはこういうものか、とわかった気にもなる。予備知識がないと科学的知見の深みにはハマりきれないけど、そこは読み飛ばしても未知の世界が広がっていることはわかるし楽しめる。

    0
    2024年02月11日
  • 枯木ワンダーランド

    Posted by ブクログ

    枯れ木も山の賑わいではなく、「枯れ木こそ山の賑わい」。
    枯れ木が分解されていくなかで育まれる、生き物たちの豊かな営みに感心させられた。
    生き物たちの写真も満載。

    0
    2023年10月06日

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