福尾匠の作品一覧
「福尾匠」の「置き配的」「ひとごと クリティカル・エッセイズ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「福尾匠」の「置き配的」「ひとごと クリティカル・エッセイズ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
『眼がスクリーンになるとき』。タイトルに引かれて久々に哲学関連の本を読んだ。良書だったので感想を書かずにはいられない。難解で知られるドゥールーズ『シネマ』の入門書であると同時に、「創造」についての本でもある。
何を隠そう僕は学生時代に『シネマ』を読んだものの1ミリも理解できなかった人間だ。何が書いてあったか全く覚えていない。でも、平易な文からいつ間にか哲学書になっていく文体で、最後まで読み通すことができた。哲学の入門書は退屈なことが多いけど、読み終えたときにカタルシスが得られる。1992年生まれで現在大学院生の著者、なんとこれがデビュー作だという。
本のタイトルになっている「眼がスクリーン
Posted by ブクログ
(01)
本書も,映画の本でもなく,映画史の研究でもない.何の本なのか,といえば,著者が冒頭でいうように,ドゥルーズ「シネマ」(*02)の解説書ではあるが,おそらく「シネマ」の詳細な解説が読めてよかったという読書体験にはならないはずである.
終盤のモチーフとなる仮構や偽といった話題へと接続しつつ,偽造や模倣,そして新しさや芸術,哲学といった問題が,ドゥルーズ「シネマ1」及び「シネマ2」から注意的に,注目的に引かれ,取り扱われる.これらの問題系は本書のさまざまな読み方の方途のひとつを示しているように感じる.
本書の真面目な通読を試みた読者はこんな疑問を残すかもしれない.「で?」「だから?」「著者