眼がスクリーンになるとき

眼がスクリーンになるとき

2,200円 (税込)

11pt

4.0

20世紀最大の哲学者、ジル・ドゥルーズが著した芸術と哲学をめぐる伝説的大著『シネマ』がわかる!
思想界に颯爽と現れた26歳の新鋭、衝撃のデビュー作!
映画という特殊な経験のシステムから立ちあがる、イメージがそれ以上でもそれ以下でもなく見たままで現れる地平、「眼がスクリーンになるとき」とはどのようなことか。
「たんに見る」ことの難しさと創造性をめぐって書かれた画期的入門書。

「映画とは何かを考え抜いたジル・ドゥルーズの伝説的著作『シネマ』が、本書によって、ついにわかる。『シネマ』のロジックを一歩一歩解きほぐす、目からウロコの超解読。そして、これは映画だけの話ではない。あらゆる芸術・文化を考えるのに役立つツールがここにある。」 ―――― 千葉雅也

『シネマ』は不幸なすれ違いを被ってきた、と著者は言う。哲学研究者からは「映画の本だから」、映画研究者からは「哲学の本だから」と、読まないでいる理由が用意されていたからだ。本書は「ゼロから読む」という副題のとおり、ジル・ドゥルーズの『シネマ』という書物の入門的な解説書である。したがって本書を読むにあたって、ドゥルーズについても、哲学についても、映画理論についても事前に知っておく必要はない。映画をどれだけ見たことがあるかということもまったく問題にならない。本書では映画作家、作品について可能な限り言及しない。つまり、ただ純粋に『シネマ』を読んでみたい、興味があるというひとにこそ、ぜひ手にとってほしい本である。

本書では、『シネマ』にとって、映画は、哲学の「フッテージ(footage)」、つまり「思考の素材=足場」であると捉えなおすことから議論を開始する。その映画というフッテージに、もうひとりの重要な哲学者アンリ・ベルクソンの哲学が流しこまれることで、映画は、「イメージ=映像による〈思考〉の実践」として立ち現れてくるのだ。『シネマ』と「映画」の関係、ドゥルーズとベルクソンの関係というふたつの問いは、哲学にとって「見る」ことと「読む」ことがいかにして概念の創造へと導かれるかということを指し示している。そのとき観客である私たちはどんな存在へと生成するのか。

本書は、「見る」ことと「読む」ことの復権を同時に実現するだろう。

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眼がスクリーンになるとき のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2019年03月11日

    『眼がスクリーンになるとき』。タイトルに引かれて久々に哲学関連の本を読んだ。良書だったので感想を書かずにはいられない。難解で知られるドゥールーズ『シネマ』の入門書であると同時に、「創造」についての本でもある。

    何を隠そう僕は学生時代に『シネマ』を読んだものの1ミリも理解できなかった人間だ。何が書い...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年11月21日

    内容は難解だけど数回読めばわかるようになる。
    問題は『シネマ』を読まないと『シネマ』の議論と福尾の解釈との見分けがつきづらいこと…
    この本を手掛かりに『シネマ』も読むかあ

    0

    Posted by ブクログ 2018年08月13日

    (01)
    本書も,映画の本でもなく,映画史の研究でもない.何の本なのか,といえば,著者が冒頭でいうように,ドゥルーズ「シネマ」(*02)の解説書ではあるが,おそらく「シネマ」の詳細な解説が読めてよかったという読書体験にはならないはずである.
    終盤のモチーフとなる仮構や偽といった話題へと接続しつつ,偽...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年02月12日

    ただ見るとは。
    映画はモンタージュの集合体であり、それ自体が隠喩であると信じていた自分には、あまりにも逆説的な出だしで困惑した。だが、映画は映画でありスクリーンであり自分が見ている世界でもある。目の前で流れている存在そのものが自分の眼であると考えるのも面白い。

    0

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