葦原一正の作品一覧
「葦原一正」の「稼ぐがすべて Bリーグこそ最強のビジネスモデルである」「日本のスポーツビジネスが世界に通用しない本当の理由」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「葦原一正」の「稼ぐがすべて Bリーグこそ最強のビジネスモデルである」「日本のスポーツビジネスが世界に通用しない本当の理由」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
著者の葦原さんは、オリックス、パリーグ・マーケティング、DeNAを経て2015年Bリーグの初代事務局長となり、その立ち上げに尽力した。現在はBリーグを離れて2021年4月から日本ハンドボールリーグの初代代表理事となっている。
本書は、そんな葦原さんがまだBリーグ事務局長に在職していた時代に、主にBリーグ立ち上げの経緯とその苦労について記録したものである。
スポーツ団体は「稼いでこそすべて」と言い、どこか収益の話をするのがタブーとする雰囲気があった日本のスポーツの流れの中にあったバスケットボール市場に対して、魅力的で未開拓の市場ととらえて戦略的にアプローチしていく様子が描かれている。徹底的に収益化に特化すること。それはスポーツの普及やチームやリーグの強さがなくてもビジネスとして達成することができる。リーグは収益化が達成されて初めて普及や強化に投資できるという発想だ。
Bリーグは、二つのリーグに分かれていたバスケットボールリーグをFIBAが統合を求めて、統合できるまで国際試合の出場を禁止したことによる外圧で生まれた。この機会にJリーグで実績をもつ川淵元Jリーグチェアマンをトップに擁してブランディング・ビジネスモデルなどを「あるべき姿」をベースとして一新することとなった。しかし、時間がなかったことから人財を集めるところから始まって大変だったことがうかがえる。
アメリカのNBAやMLBという成功事例を参考にしながら、古巣のNPBと違ってリーグ主導のプロスポーツリーグとすること。言うと簡単だが、具体化とその遂行の大変さは想像するに余りある。そういった経緯と著者がそこで考えたことが各章の最後にまとめられていてビジネス書としても参考になる。
ファンデータベースをリーグ統合で一元化すること、新規ユーザ獲得よりも既存ユーザ(観客としてお金を払って見に来る)の回数を増やす方が効率的であること(ロイヤルカスタマーの育成)、新規ユーザ獲得の最も多いきっかけは「誘われたから」、スマホファーストの世界観(SNS、ネット配信、オンラインチケット)を構築する、といった分析に基づく戦略を構築していく。ソフトバンクがトップ同士の合意でスポンサーとなった経緯も書かれている。アリーナを各地に作ることが将来的には重要であるという観点も、アリーナ建設が十分魅力的な投資にするというビジネス上の目標としてとても魅力的だ。実体はさらに泥臭いことがあったのだと思うが、いろいろと勉強になった。
まだまだ成長中のBリーグ。辞めた経緯はよくわからないが、かつて学生時代にハンドボールをやっていた身としても、葦原さんが代表理事の職を受けたのは勝算があってのことと期待している。