【感想・ネタバレ】稼ぐがすべて Bリーグこそ最強のビジネスモデルであるのレビュー

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Posted by ブクログ 2021年08月15日

著者の葦原さんは、オリックス、パリーグ・マーケティング、DeNAを経て2015年Bリーグの初代事務局長となり、その立ち上げに尽力した。現在はBリーグを離れて2021年4月から日本ハンドボールリーグの初代代表理事となっている。

本書は、そんな葦原さんがまだBリーグ事務局長に在職していた時代に、主にB...続きを読むリーグ立ち上げの経緯とその苦労について記録したものである。

スポーツ団体は「稼いでこそすべて」と言い、どこか収益の話をするのがタブーとする雰囲気があった日本のスポーツの流れの中にあったバスケットボール市場に対して、魅力的で未開拓の市場ととらえて戦略的にアプローチしていく様子が描かれている。徹底的に収益化に特化すること。それはスポーツの普及やチームやリーグの強さがなくてもビジネスとして達成することができる。リーグは収益化が達成されて初めて普及や強化に投資できるという発想だ。

Bリーグは、二つのリーグに分かれていたバスケットボールリーグをFIBAが統合を求めて、統合できるまで国際試合の出場を禁止したことによる外圧で生まれた。この機会にJリーグで実績をもつ川淵元Jリーグチェアマンをトップに擁してブランディング・ビジネスモデルなどを「あるべき姿」をベースとして一新することとなった。しかし、時間がなかったことから人財を集めるところから始まって大変だったことがうかがえる。

アメリカのNBAやMLBという成功事例を参考にしながら、古巣のNPBと違ってリーグ主導のプロスポーツリーグとすること。言うと簡単だが、具体化とその遂行の大変さは想像するに余りある。そういった経緯と著者がそこで考えたことが各章の最後にまとめられていてビジネス書としても参考になる。

ファンデータベースをリーグ統合で一元化すること、新規ユーザ獲得よりも既存ユーザ(観客としてお金を払って見に来る)の回数を増やす方が効率的であること(ロイヤルカスタマーの育成)、新規ユーザ獲得の最も多いきっかけは「誘われたから」、スマホファーストの世界観(SNS、ネット配信、オンラインチケット)を構築する、といった分析に基づく戦略を構築していく。ソフトバンクがトップ同士の合意でスポンサーとなった経緯も書かれている。アリーナを各地に作ることが将来的には重要であるという観点も、アリーナ建設が十分魅力的な投資にするというビジネス上の目標としてとても魅力的だ。実体はさらに泥臭いことがあったのだと思うが、いろいろと勉強になった。

まだまだ成長中のBリーグ。辞めた経緯はよくわからないが、かつて学生時代にハンドボールをやっていた身としても、葦原さんが代表理事の職を受けたのは勝算があってのことと期待している。

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Posted by ブクログ 2021年03月29日

ビジネス書として非常に参考なる本で、Bリーグやスポーツビジネス以外でも参考になる内容でとても良かった。

特に個人的に共感できたのはこの2つ。
・スポーツを通して社会課題を解決する事
・そのためにデータを活用したデジタルマーケティングを強化した事

2016年に立ち上がったBリーグで歴史が浅いからこ...続きを読むそ今の時代にあった戦略を立てて、前例にとらわれない行動をとる凄さが伝わってくる。

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Posted by ブクログ 2021年01月30日

本質において一致。行動において自由。全てにおいて信頼。

バスケットボール団体の使命
スポーツ団体としての使命
公益法人としての使命

大きな情熱で仕事をしている。

その人がやるから、信頼できる。
任せられる。そう思われることが大切。

言われてからやるようでは、そうにはならない。

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Posted by ブクログ 2019年04月18日

すごく面白かったし熱い話。
新しい組織運営、チーム運営を考える時に最初から色々な壁を突破するために作られている。
Bリーグのこれからに期待したい。

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Posted by ブクログ 2023年08月29日

著者がBリーグへの統合から開幕戦、軌道に乗せるためのロジック、スポーツビジネスのマーケティングとは何なのかを主に明らかにする。
当時のチェアマン、川淵三郎氏の語録や著者とのやり取りも大変興味深い。

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Posted by ブクログ 2022年03月04日

稼ぐことは、ビジョンとリーダーシップと人材確保で達成することができるとの考えのもと、B.LEAGUEを育ててきた話は、興味深く読むことが出来ました。

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Posted by ブクログ 2021年11月20日

やりたいことはあくまでも趣味。できることはできるくまでもただの特技。すべきことこそチームのミッション。

走りながら考えろ。考えながら走ろではない。走りありきで、行動を起こせ、全速力で走りながら考えろ。スピード感が変わってくる。その方が何か起きそう。

勝っても負けても楽しかったというエンターテイメ...続きを読むント性。

チームが集めたファンのデータを企業と共有。企業もマーケティングができウィンウィン。

チケット売り上げはスポンサーの2倍がNBA。一番大事なのは入場者。
チケット客単価を上げるために必要なことは滞在時間。一時間800円くらい?

心身ともに追い込まれた男の子が唯一心を許したツールはスポーツだった。すごいよなスポーツ。

努力し続けると成功する確率が高くなる。直角三角形の法則。

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Posted by ブクログ 2021年07月10日

データはあくまで答えをみつけるためのツールで、大事なのは自分なりの仮設、そして信念だということ。
たまにデータに踊らされそうになるので肝に銘じたい。
読み終えて、バスケにさして興味なかった自分がBリーグにハマったのは、この戦略に乗せられたのだなとわかり、マーケティングの大切さを再認識させられた。

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Posted by ブクログ 2021年04月11日

元々バスケをやっていたので、ビーリーグには興味があり手に取ってみた一冊。

立ち上げの苦労や工夫が勢いのある文章で書かれており筆者の熱い思いが伝わってきた。正直なところスポーツビジネスは素晴らしい選手がいれば儲かるもの、と安易に考えていたが、通常の企業同様にビジョンや戦略が必要であり、働くすべての「...続きを読むヒト」あっての経営だと気付かされた。

どうせNBAには劣るんでしょ、と思い今まで見もせずになんとなく毛嫌いしてしまっていたが、一度じっくり見てみて、プレーだけでなく裏方の方々の想いも感じながら体感してみたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年06月21日

R:なんでこの本に興味を持った?
 バスケ事態にはあまり興味がなかったが、スポーツビジネスで事例として特にデジタルマーケティングの手法に興味があったから。

A:読んでどうだった?
 事業戦略やマーケティング論は読んでいて面白かったし、「潜在的な顧客」をどうやって「顕在的な顧客」とするかは今の自分の...続きを読む仕事のヒントになりそうと思った。
 バスケが若年層の方が人気があるのはなんとなくわかるが、女性人気がかなり高いのはかなり意外だった。
 Bリーグの例のように、全体で「稼ぐ」ということを考えたら1つの部署(本書の例でいえばクラブ)だけで何かしても、「稼ぐためにすべきこと」はできないなと感じる。

P:心に留まったフレーズ
●人材採用論
 ・「人材」と「人財」の違い
  ※人材 → 人の持つ可能性を加工して成長させるイメージ
  ※人財 → あるがままの素材を活かすイメージ
 ・「べき」論を語れる人
  ※やりたいこと → あくまでも趣味、
  ※できること → ただの特技
  ※すべきこと → 自分たちのミッション
●走りながら考える vs 考えながら走る
 ※スピード感が必要な仕事はまず「走る」ことありき。
  確かに考えることありきだったら、いざという時に考えて止まってしまいそう。
●事業戦略論
 ・「ファン数」と「来場者数」は違う。一般的にはファンの10%が来場する。
  →来場するコアなファンを分析し、ただのファンもしくはファンでもない大多数にアプローチするのではなく、
   分けて考えるコトが重要ではないか?
 ・データを使う人材は「分析のプロ」と「現場の人間」のハイブリッド。
  特に分析のプロは現場の生の声を知らない観点の分析・提案になりがち。
 ・データから答えを探さない。まず信念を持ってデータを見ることが大事。
 ・分析の手法「重回帰分析」
●マーケティング論
 ・bリーグのライト層の初観戦動機は「誘われたから」。つまりライト層を取り込むためにライト層をターゲットに戦略を立てるのではなく、
  ライト層を誘うコア層が「誰を誘いたくなるか」「どうしたら他の人を誘おうと思うのか」の方が大事。
  だって結局観戦に来た1番の理由が「誘われたから」だから。
  ※この視点はめっちゃ重要と思う。
 ・その事業にとって1番大事なことは何??

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Posted by ブクログ 2019年10月04日

この本に触発されて昨日開幕戦を見に行った。この本に書かれた理想を達成するための改善点はあれど面白かったので今後も応援していきたい #Bリーグ #bleague

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Posted by ブクログ 2018年12月08日

私よりも4歳も年下の方が、こんなにも熱い仕事をされているのを、旨を熱くして読みました。また、私自身も、幼いころはバスケットボールに憧れていたけれど、叶わなかった事を思い出し、バスケットボールの競技人口の多さに驚き、ぜひ、今度、見に行きたいとも思いました。P 36 「何がしたい、何々ができます」より、...続きを読む「こうあるべきで、こうしなければならない」と、自分の言葉で語れる人。よく面接で熱く「こういうことがしたいんです!」と語ってくる人がいる。「やりたいこと」は、あくまでも趣味。「できること」は、ただの特技。「すべきこと」こそリーグのミッション。P55 本物のリーダーは、「傾聴力が高く、話したとしても、シンプルな表現のみ。そして何よりも飾らない。いつでもオープン」P91 データはツール。データから答えを探さない。信念を大事にして、答えを探していくツールとしてデータを利用することの大切さを再認識。P97 Bリーグでは、観る人と競技する人との好循環をいかに作って行くか。協会、リーグ、クラブが連携して、健康サポートや運動する時のアプリとの連動などのアプリ開発なども検討。P106 初めて来たお客様の来場理由は、「誘われた」コアファンが、「誰を誘いたくなるか」「どういう情報を伝えれば誘おうと思うのか」というメカニズムの解釈が大切。P107 コアなファンに試合を観てもらい、その後、周囲の人たちを誘って再び会場に足を運んでもらう。P117 スポーツでその社会を少しでもよくしたい。最初は「デジタルマーケティング」押しで進めてきたが、途中からリアルコミュニケーションを活性化するためのデジタルとの位置づけを推し進める。P123 SNSの位置づけとして、当初は「認知拡大」「観戦意向向上」のためのツールとしていたが、2年間の数字では、SNS経由での購買が意外と高く、とくにLINEの貢献度合いが大きくなってきている。P196 Bリーグの今後。1. 夢のアリーナ構想の推進、2. 若手人材育成 3. 社会課題に対する取り組み P204 ドリームジョブと呼ばれるスポーツの仕事につけるように、誰にも負けないスキルセットを身に着けよう。何らかのスキルを持って入った方が確実に成功する。後悔しないキャリア形成の為にも。P224 昨日よりも1%の努力を積み重ねると、1年後は37倍に成長する。努力し続けると、その偏差は小さくなり、成功確率は高まる。

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Posted by ブクログ 2018年11月29日

紆余曲折を経て2016年に発足した男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」の事務局長であり、元Arthur.D.Littleで経営コンサルタントとしての経歴も有する著者が、B.LEAGUEの「事業で稼ぐことが大前提であり、その上でチームの強化やリーグの普及活動が成り立つ」という基本思想を語...続きを読むった一冊。

日本におけるプロスポーツにおいて、ここまで事業で稼ぐということを根幹に据えた組織は恐らくないように見受けられ、個々の選手にまでそのマインドをしっかりコミュニケートするという姿勢が徹底している点が印象的。かつ、アメリカのプロスポーツと比較して圧倒的に遅れているデジタルマーケティングの手法を実践しているという点で、良いケーススタディの役割も果たしている。

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Posted by ブクログ 2018年11月29日

バスケがプロ野球やJリーグと1番違うのは権益統合していること。
MLBが発展した理由をここに見出し、リーグがイニシアチブをとって事業を進めることの意義が印象に残った。
他球団や他クラブは競技面では競合でも、ビジネス面で競合になるケースはほとんどない。その点では各クラブ個別最適を目指すより、まずはベス...続きを読むトプラクティス(ナレッジ)を共有した上で、各々の色を出す方がふさわしいのだということが学べた。

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Posted by ブクログ 2018年11月09日

【エナジー】

昔はNPB(日本プロ野球)とMLB(メジャーリーグ)共に1500億円の市場規模だった。
現在では1800億円と頭打ちなNPBに対し1兆円の規模まで大きくなったMLB、この差は何か?
「前例が無い」と挑戦しない体質
「趣味の問題」や「思いつき」で行動する上長
私利私欲を満たすことが大好...続きを読むきな老害経営者
それらを打ち破りつつあるのがB.LEAGUEだ。
バスケットボールで社会の課題に取り組むことが彼らのミッション。
彼らの「稼ぐ」ことは「私利私欲を満たす」ことではなく、「エナジーを集めること」なのだろう。
試合会場はエナジーを集め、発信する場なのだ。
エナジーのやり取りをするためB.LEAGUEを体感し続けよう!

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Posted by ブクログ 2019年11月17日

少し自画自賛の気があるかな?けどそれ程嫌味ではない。
作中にもあるけれど、2時間弱で読めて1600円、つまり1時間800円。
もしやこれも狙い通り?笑

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Posted by ブクログ 2018年11月19日

今年発足3年目を迎えるB.LEAGUEの裏側を語った本。徐々に認知され、ファンや観戦者も拡大していく中にあって、その当時の苦労が随所に垣間見られるものとなっている。

スポーツビジネスは各都道府県にクラブチームがあり、今後もますます固定客が、そしてネットを通じて内外ともに視聴者も増えていきそうな気が...続きを読むしている。年を重ねるごとに演出も凝ってきており、ますます目が離せないものとなっている。

また、特別な試合にあたっては、プレミアムチケットさながらの高額な価格設定で強気に販売しているが、昨今の若者事情を踏まえればそれも頷ける。若者は財布の紐が固い、購買意欲が低いと言われているが、やはり自分の興味関心が強いものにはしっかり考えてお金を使ってもいる。

私自身、実際会場まで足を運ぶのはまだ年に数回だが、今年初の年度末の試合を生で見られるのを今から楽しみにしている。

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Posted by ブクログ 2018年11月17日

スポーツビジネスに興味があり特にバスケは思い入れが強いので読んだ。

内容は川淵さんのリーダーシップ論+マーケティング視点のスポーツビジネス+デリバリーロック時のプロマネ論の3本立てって感じ。

新規客の来場理由は何となく誘われたから、みたいなことが意外と多いから、狙うべきは新規客ではなく既存客にと...続きを読むっていかに誘いやすい情報を提供できるかである、みたいなマーケティングの考え方も勉強になった。
が、一番は川淵さんと著者の熱量。トップの熱量を超える組織にはならない、って言うあれ。

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