瀧野隆浩の作品一覧
「瀧野隆浩」の「改訂版 宮崎勤 精神鑑定書―多重人格説の検証」「これからの「葬儀」の話をしよう」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
ダイヤモンドプリンセス号で発生した新型コロナウイルス感染症への対応の記録。感染拡大を「災害」と早期から捉え、現場に入った災害医療チームらの活動が記載されている。
極限状態の中で完璧ではないまでも現場で対応していたが、それは必ずしも外部からは正当に評価されていない。本書では、船内外で活動した主要人物らへの取材に基づき、その時現場で起こっていたことや、どういう経緯・考えであのような対応がなされたのかを明らかにしようとしている。
なお、書名ではダイヤモンドプリンセス号対応のことしか書かれていないように想像されるが、実際にはその後の国内における感染の流行と、それに対応したいわゆる神奈川モデルの策定過程についても描かれている。
過去に読んだ類書と比べて、より個人にフォーカスされているという印象。そのため、その人たちに対するヒロイズム的な書きぶりが多少見て取れる。また、政府や役人といったものに対する批判的な観点が筆者の根底にあるような感はある。
関係者への取材が主とはいえ、様々な報告書などにも拠っているので、そういった物を出典として巻末などに明記してもらえたら、より資料としての価値が上がるのにな、と感じた。あと、人名などに誤字がいくつかあり気になった。
とはいえ、いずれにせよ、当時のことを記録した貴重な書籍であることに間違いない。自分も末端ながら当時その場に関わっていたので、その感覚として、本書に書かれていることは概ね妥当で実際を反映していると思う。
Posted by ブクログ
ノンフィクションにはあまり手が出なかったが、
多重人格に興味があったこともあり読んでみた。
当時、幼い女の子を誘拐し自宅で殺害、その遺体をビデオ撮影したり、肉を食べたり、あげくには遺体を焼却してその小さな骨を家族のもとに段ボールで送りつけたりと、残虐このうえない手口で世間(特に小さなこどもをもつ親たち)を震え上がらせた宮崎勤事件。
オタクの象徴と言われた「宮崎さんちの勤クン」の頭の中が、いかなる構造になっているかものすごく知りたかった。
「精神鑑定書」は、供述に沿って書かれているのでいたって淡々としていて、だいたい想像通りの内容だったが、それに基づく精神鑑定がまっぷたつに分かれたこと、その理由がこの本の骨となっている。
すなわち、
1.宮崎勤は多重人格者である。したがって責任は問えない。
2.多重人格という病気は存在しない。宮崎勤の犯罪は、性格上の歪みによるものなので十分に責任を問える。
精神鑑定の権威が、このふたつの意見で相対してしまい、双方譲らず、結果的に精神鑑定はかなり長い時間を費やして二度行われたことになる。
ノンフィクションだからこそのリアリティに興奮しながら読んだものの、再度、読みたいとは思わない。
精神鑑定の権威っていっても、結局は自分の言いたいことだけ言って見たいものだけ見るというのは、常人と変わらないわけね。
Posted by ブクログ
DES(解離体験尺度)
・気がつくと別の場所にいて、どうしてそこまで行ったのか自分でも分らない。
・自分の持ち物の中に新しい品物がある。しかし自分では買った憶えがない。
・身に憶えがないのに、嘘をついたと人から責められる。
・自分の体が自分のものではないと感じる時がある。
これらは、多重人格などの解離性障害の患者を見つけるために用いられているスクリーニングテストの質問項目の一部です。実際には、28項目の質問があり、経験がなければ0を経験が多いほど100に近い値を選ぶようになっています。
多重人格障害と判定された宮崎勤の2回目の精神鑑定においては、このテストは行われなかったのですが、もしも行われていたとしたら、鑑定の有力証拠の一つになっていただろうと言われています。たかだか、こんなテストが・・・
なぜ、精神鑑定において被告が正直に答えるなどと考えられているのか、全く理解できません。質問のうち、たった9項目に該当すると答えるだけで、解離性障害の疑いあり、と判定されてしまうのですから。刑事訴訟上の精神鑑定の危うさを、痛切に感じました。