宮崎学の作品一覧
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Posted by ブクログ
ソ連の結末は日本の結末か-。ソ連崩壊を内側から見たラスプーチン・佐藤優に、突破者・宮崎学が聞く、という全8回の講義録を一冊にまとめたものです。圧倒的な情報量と文句なしの面白さが凝縮されています。
『突破者』でおなじみの宮崎学さんが主催する研究会が『外務省のラスプーチン』こと佐藤優さんをゲストに呼んで8回にわたって語った内容を書籍化したものです。出版された時期が小泉純一郎が政権を握っていたことで、日本に関することはここに書かれているよりは若干、変わっていますけれど、主題である『ソ連崩壊に見る国家の崩壊』というのは実際にその舞台の中にいた人間の生々しい話がてんこ盛りで、これは正直、面白いことは面白いけれど、万人受けはしないなという考えにたどり着きました。
旧ソ連が崩壊したのが、もはや古い歴史となり始めている中で、あれほどの超大国でもあっけなく崩壊するのだという現実が、私たちにいったい何を教えてくれるのか?というテーマに関して、格好のテキストであると思います。さらに、この本が優れているところは周辺の多民族国家や少数民族の細かい心情や内在論理についても鋭い考察が展開されていて、
特に僕が驚いたのはチェチェン人の男には『血の報復』という掟があって、彼らは物心がついたころには七代前までの先祖の名前を覚えさせられ、そのうち誰かがもし、殺される形で生涯を終えていたとするならば、自分が七代前までさかのぼって復讐する権利が与えられている。というものや、あまりここではかけませんけれど、佐藤優がロシアのモスクワ大学で教鞭をとっていたときの教え子で、アフガンの元兵士が語った凄惨な現実もものすごくショックだったことを覚えています。
この本を読んでいると、近くて大きな存在であるロシアがどのような歴史をたどって現在に至るかということが駆け足でありながら理解できる反面、自分のあまりの無知さに打ちのめされるものでありました。ひとつの国家が崩壊するということはいったいどういうことなのか?この本が、そして旧ソ連が僕たちに今教えてくれることは、決して軽んじるべきではないと僕は考えます。