作品一覧

  • 燃えつきた人間

    燃えつきた人間

    小説・文芸

    3.0
    1巻660円 (税込)
    著名な建築家ケリイは空疎な文明社会を逃れて、アフリカ奥地へとあてどもなく向った……コンゴ河支流のジャングルに建つ病院を舞台に、心の砂漠に悩む人々をキリスト教的実存主義の立場から描く
  • ハバナの男

    ハバナの男

    小説・文芸

    4.0
    1巻660円 (税込)
    1958年、独裁者バティスタ治下のキューバ――冷戦下の諜報網が幾重にも交錯する中で、スパイに仕立てあげられた平凡なイギリス人ワーモルドの行く手には? 痛快無比の傑作スパイ・パロディ
  • 密使

    密使

    小説・文芸

    4.0
    1巻660円 (税込)
    ヨーロッパのある国から特別な使命をおびてイギリスへやって来た密使Dに迫る暴力と死の恐怖!『恐怖省』と並んで評価の高い、追いつ追われつの血湧き肉躍るグリーン一流のスパイ・スリラー。
  • 権力と栄光

    権力と栄光

    小説・文芸

    4.0
    1巻715円 (税込)
    破戒しても司祭の聖職性は在るのか?──カトリック教会が追放された革命時のメキシコを舞台に、様々な波乱を巻き起こしながら明日なき逃亡をかさねる呑んだくれ司祭の運命を描く、著者の代表作!
  • 叔母との旅

    叔母との旅

    小説・文芸

    4.0
    1巻770円 (税込)
    閉鎖的なイギリスを離れ、開放的な風土を求めて旅に出た、ロマンティストの甥とリアリストの叔母──過去の生活に相通じるものを持たない二人の奇妙な旅を、笑いと幻想と冒険で綴る風刺劇!
  • 拳銃売ります

    拳銃売ります

    小説・文芸

    4.0
    1巻770円 (税込)
    一匹娘の若い殺し屋レイヴンが手がけた大臣暗殺事件は、戦争勃発の危機をはらんで意外な方向へ・・・・・・そして二重三重の追跡劇が始まった!スリリングな展開をみせる著者初期のエンターテイメント。
  • キャプテンと敵

    キャプテンと敵

    小説・文芸

    4.0
    1巻770円 (税込)
    バックギャモンの賭けに勝って少年ヴィクターを貰いうけたのは、キャプテンと呼ばれる稀代の詐欺師だった。キャプテンのあとについて、少年はロンドンから中米のパナマへと行くが・・・・・・そしてキングコングのような愛とは?
  • 名誉領事

    名誉領事

    小説・文芸

    -
    1巻825円 (税込)
    南米共産ゲリラによる誘拐事件を素材に描く、米大使と誤認されゲリラに拉致された英名誉領事、ゲリラに共感を示す若い医師、教会を捨てた元司祭のゲリラらが織りなす愛と欲望、信仰と罪の物語!
  • 喜劇役者

    喜劇役者

    小説・文芸

    4.0
    1巻825円 (税込)
    西インドのハイチ共和国を舞台に、元賭博師のホテル経営者を美しく官能的なその情婦、イギリス陸軍少佐を詐称する男などが織りなす愛と、冒険と、希望と、幻滅の、サスペンスあふれる物語!
  • スタンブール特急

    スタンブール特急

    小説・文芸

    4.0
    1巻880円 (税込)
    オステンドからイスタンブールまで――人生に悩み苦しむ多彩な人物たちを乗せてオリエント急行が走る! 映画的手法が駆使され、全篇スピーディな魅力あふれる著者初のエンタテインメント。
  • キホーテ神父

    キホーテ神父

    小説・文芸

    -
    1巻935円 (税込)
    かの名高き騎士ドン・キホーテの末裔と称するキホーテ神父。世間知らずでお人よしの彼は、世間のうさ晴らしに、おんぼろ愛車ロシナンテを駆って、共産主義者の前町長サンチョとともにスペイン漫遊の旅に出るが・・・巨匠グリーンが放つ傑作長篇パロディ!
  • おとなしいアメリカ人

    おとなしいアメリカ人

    小説・文芸

    3.5
    1巻1,056円 (税込)
    ヴェトナム戦争直前のサイゴンで水死体となって発見された一人のアメリカ人青年の死の真相を、友人の英国人記者ファウラーは静かに回想していく――若いアメリカと老獪な欧州の報われない邂逅を描き著者の転換点となった記念碑的名作
  • 事件の核心

    事件の核心

    小説・文芸

    4.3
    1巻1,100円 (税込)
    アフリカの西海岸にあるイギリス植民地――妻の不在中に、年若い未亡人を抱いたのは、結婚と同様、“憐れみ”の気持からか? 警察副署長をめぐる人間関係を通して、信仰とは何かを問う本格小説
  • ヒューマン・ファクター〔新訳版〕

    ヒューマン・ファクター〔新訳版〕

    小説・文芸

    4.1
    1巻1,144円 (税込)
    イギリス情報部の極秘事項がソ連に漏洩した。スキャンダルを恐れた上層部は、秘密裏に二重スパイの特定を進める。古株の部員カッスルはかろうじて嫌疑を免れた。だが、彼が仲良くしていた同僚のデイヴィスは派手な生活に目を付けられ、疑惑の中心に。上層部はデイヴィスを漏洩の事実ともども闇に葬り去ろうと暗躍するが……。自ら諜報機関の一員だったグリーンが、追う者と追われる者の心理を鋭くえぐる!
  • 二十一の短篇 新訳版

    二十一の短篇 新訳版

    小説・文芸

    3.6
    1巻1,210円 (税込)
    廃屋に住むじいさんを狙う少年ギャングのおかしくも残酷な企みを描く「廃物破壊者たち」。バーで拾った女と自分の故郷へ旅行にでかけた男の姿が切ない「無垢なるもの」など21の短篇を収録。若島正、田口俊樹、鴻巣友季子、越前敏弥ら当代一流の翻訳者たちが参加した電子書籍版

ユーザーレビュー

  • 二十一の短篇 新訳版

    Posted by ブクログ

    グレアム・グリーンによる短編集。
    私の父は、「そんな渋い本を!」と驚いていたが、その父自身も数十年前にグリーン作品を読み漁っていたらしい。

    21話の短編で、数ページで終わるものもあれば
    数十ページにわたるものもあり、読み応えは抜群。
    シニカルなもの・ホラーのようなもの・難解なものなど様々で、読みにくい話の次の章は、なんとなく進むのが億劫になりそうだったが、そんなこともなく読み終えた。

    読んだ感想としては

    ・人間観察眼の鋭さ
    ・人の心の毒や闇を言語化するのが上手い
    ・人間の「自己矛盾」を的確に鋭くついてくる

    そんな印象。基本的には「皮肉屋」だなーとww
    そこを含めて好印象。
    「ヒューマンファクター」も積んでるので、そちらも楽しみだ。

    0
    2026年09月18日
  • ヒューマン・ファクター〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    これは翻訳の妙でもあるのだろうけど、文章の隅々まで英国っぽさが溢れる小説。人物の性格造形から気候や街の雰囲気、ウイスキーや料理、菓子等の小道具に至るまで、芯が一本ビシッと通っていて、知らずしらずのうちに世界に引き込まれた。

    0
    2021年07月16日
  • 事件の核心

    Posted by ブクログ

    「幸福と愛を混同するのは間違いだ」英文学史に名を刻む恋愛小説の最高傑作とはいえそこに甘さはない。妻と恋人と神との4角関係を描くキリスト教哲学小説の名作。西アフリカの植民地の警察副署長スコービーは南アフリカに移住したいと言う気まぐれな妻のためにシリア人の悪党に金を借りる。妻が発った後、海難事故で夫を失った若い女ヘレンと出会う。
    グリーンの凄さは無駄のない人物描写にある。何かの役割を持って過剰に語ったり作者すら気持を理解できない人形のような人はいない。登場人物はごく自然に登場しその一挙手一投足が適確なジャブのように後々確実に効いてくる。そうそうと言ってるうちに迷路に迷い込み、それでも進むうちに一気に視界が広がりすべて計算されていたことに気づく。戻ってきた妻と理解ある恋人がいる中でスコービーはある決断をする。心の中は永遠に他人にはわからない。ときめきこそが人生の花でありときめきの数だけ罠がある(≧∀≦)しかし果たしてそれは罠なのか。恋人への愛、家族への愛、友への愛、人類への愛、神の愛、違うものなのになぜすべて愛という言葉で表現するのか、それが人類の明日の課題。魂が震える傑作

    0
    2022年04月26日
  • ヒューマン・ファクター〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    「ヒューマン・ファクター」。人間的要因、とでも訳しますか。
    これは、大人の男性には堪らない小説でした。
    手に汗握る、スパイ小説。紛れもないスパイ小説なんですが、そういう状況に置かれた男性の心理描写。葛藤。
    銃の撃ち合いやら車の追っかけっこなんか、ゼロです。
    後半は物凄い緊迫感。やめられないとまらない、でした。

    1978年にイギリスで書かれた小説です。
    書いたのは、グレアム・グリーンさんという人です。
    グリーンさんは1904年生まれのイギリス人さん。1991年に亡くなっています。86歳くらいまで生きたんですね。
    で、1930年代、つまり30歳前後にはもう、小説家として成功していたみたいですね。
    そして、20代で共産党に入党。
    この辺で、誤解してはいけないなあ、と思うのは。
    1950年代くらい以降、スターリンさんが、隠しようもないくらい、相当な虐殺や警察国家をつくるまでは、
    共産主義、というのは、世界中のインテリさん、理想主義者、ロマンある知識人的な若者たち、にとって、ある種の期待を込められる希望だった、ということですね。
    で、第2次世界大戦が1945年に終了して、数年内に東西冷戦が始まるまでは、共産主義というのは、そんなに蛇蝎のように否定されるものではなかったはずです。

    一方で、子供の頃からスパイ小説好きだったグリーンさんは、第2次世界大戦前から、MI6に入って、諜報活動、スパイをやります。
    マジで、007の世界な訳です。
    で、終戦直前くらいに辞職してます。
    この辺、僕も不勉強ですが、若い人気作家が、同時にスパイでもあった訳ですね。

    その後は、人気小説家として、不動の地位、死ぬまで続きました。
    とは言え、一部の「スパイ小説ファン」「ミステリー愛好家」「イギリス文学ファン」以外には、そんなに知られてないですね。
    名作映画「第三の男」の原作者でもありますが、これはグリーンさん本人が、「映画は素晴らしいけど原作はそうでもない」と発言しているそうです。

    今回、読んでみたのは、大した理由でもなくて。
    「娯楽小説読みたい気分だなあ。ミステリーっていうか、犯罪モノとか」
    という気分と、
    「丸谷才一さんが、褒めてたなあ。グリーンさん」
    そして、
    「読んだことのない作家を、外れるかも知れないけど、読んでみないとなあ」
    という感じで。

    で、外国文学は、翻訳が命。
    これはほんと。
    ぱぱっと調べて。
    代表作らしく評判が良い。そして割と最近に新しい翻訳が出ている。電子書籍にもなってる。ってことで、「ヒューマン・ファクター」。

    ###########

    主人公は、どうやら50代らしい男性の、カッスルさんです。
    イギリスの情報部で働いています。
    現場と飛び回るわけじゃなくて、ロンドンのデスクワークです。
    アフリカなどの情報の受けや、その整理をやってます。
    割に地味な仕事、地味な風貌、地味なブ男な感じ。
    年下の部下デイヴィスと、実質ふたりの部署っぽい。
    郊外に、妻と子と住んでいます。これがなんと、黒人妻、黒人の子。
    カッスルさんは、諜報部員として南アフリカにいたんですね。
    そのときに、スパイとして使った黒人女性に恋をして。
    南アフリカですから。アパルトヘイトですね。白人が黒人と愛し合うなんて、えらいことなわけです。
    色々あって、なんとか彼女を逃がして、自分も脱出。その辺りは全て、上司組織にも隠さず報告済みな訳です。問題なし。

    さてこの、カッスルさんの部署の情報が、どうやらソ連側に漏れている、ということになります。
    誰かが、スパイなんじゃないか?
    って・・・みんな仕事がスパイですから、つまり、「二重スパイ」がいる・・・隠れている・・・。
    さあ、それは。カッスルなのか。部下デイヴィスなのか。
    罠。監視。不審。不信。不安。嘘。猜疑心。恐怖。

    物語は、疑い迷う、上司たちの視点の章と、
    疑われている一人である、カッスルの視点の章で描かれて。

    #######ここからは、ネタバレです#######
    上司たちは、部下デイヴィスが犯人、と状況証拠で判断、デイヴィスを暗殺しちゃう。
    だけど、二重スパイは、カッスルだった。
    カッスルは、妻をアフリカから脱出するときに世話になった友人がいた。
    その人に本当に世話になった。
    その男性は、共産主義者だった。
    その人への友情義理から、ソ連側に情報を流していた。思想としては、全く共産主義じゃないけど。
    そして、カッスルは恐れる。いつバレる。もうだめか。バレてるのか。バレてないのか。
    デイヴィスが死んだ。もうこれ以上、情報を漏らしたら、自分が犯人だとバレる。引退しよう。

    そんなときに、MI6の仕事で入った情報。
    それは、そのまま許すと、アフリカの黒人たちに大変不利になる、米英の陰謀だった。
    苦悩したが、それを、ソ連側に流すんですね。
    もう、カッスルさんは、祖国も思想も大義名分も、その欺瞞性に倦んでいます。
    ただ、黒人の妻と自分との、愛の共同体だけが、彼にとっての祖国なんですね。
    それには、アフリカを、黒人を、見殺しにはできないんですね。

    その情報を出した後で。
    周辺の「連絡網」に異常が起こります。
    もうダメか。妻子は、母の実家に、喧嘩したことにして去らせる。
    さり気ない尋問に、職場の人が来る。ダメか。殺されるか。東側の救出は、あるのか。
    結果、ぎりぎりタッチの差で、東側に救出、脱出、亡命。
    モスクワで何とか無事暮らす。
    だが、妻と子とは別れたまま。それが辛い。それが辛い。妻子もいずれモスクワに呼ぶ、と東側は約束してくれたのに・・・。

    ###############

    と、言うお話です。

    なので、ほとんどは、サラリーマン的な暮らしをしているカッスルさんの日常。
    そして、サラリーマン的な暮らしをしながらも、二重スパイが誰なのか、考える、上司たち。
    という、地味な状況。
    全体の1/3くらいを過ぎて、多分そうだろうな、と思っていたけど、「カッスルが二重スパイ」と分かる。

    ●もう、そこからの、心理サスペンスが一級品。

    ●それから、敵味方を問わず。
    諜報に生きて暮らす人々の、神経の疲れ具合。孤独感。不信感。寂寥感。この描写がまた、絶品で。
    これは、ある意味、何の仕事をしていても、愛無き暮らしに忙殺されていれば、同じように当てはめれる心理。

    ●そして、そんなにクドくなく、語られ、展開される、世界観。
    共産主義が正義でもない。
    でも資本主義陣営が正義でもない。
    黒人、という立場を通した時に見える風景。
    仁義なき戦いの中で、主人公と妻が、守らなければならない、人としての最後の砦というか。
    ヤクザ映画風に言うと、それでも捨てられない義理というか。
    そして。
    そんな主人公の周りで行われる、なんだかもう、手段と目的が数回転くらいこんがらがったような、
    諜報戦。ゲーム。

    いやあ、このジリジリした心理描写、圧巻です。脱帽です。
    神なき孤独な街を往く男の背中、という意味では、男性のハードボイルド・ミステリー娯楽作なんですが。
    とてもそれでは収まりきらない。
    小説ならではの心理描写、サスペンス。
    確かに、原作を手がけた映画「邪魔者は殺せ」「第三の男」に通じるテンション、焦燥感。

    女性向きではないでしょうが、えらく、面白かったです。
    丸谷才一さんの「快楽としてのミステリー」で確か知ったんですけどね。さすが丸谷氏。

    ちなみに。
    「半分、実話小説じゃないか」、という噂があるらしいですね。
    キム・フィルビー、という名前でネット検索するとわかるんですが。
    雑に言うとグリーンさんがMI6時代に、仕えていた上司さん。
    この人が、MI6でかなーり偉くなったんですけど、実は共産主義者で、ソ連の二重スパイだった。
    1950年代の英米のスパイ戦略は、モスクワに漏れまくっていたそうです。
    で、ばれて、1960年代かな?にソ連に亡命したんですね。
    その後は、モスクワでKGBで働いていた。
    1988年か、そのへん、冷戦終結直前に逝去。

    この人と、グリーンさん。
    ゴルバチョフの雪解け時代にですね。
    グリーンさんは何度かモスクワに行って。
    再会してるんですね。
    相当、仲が良かったみたいです。

    面白いですね。

    グレアム・グリーンさん、大人の味わいのある作家さんですね。
    渋いです。
    ジョルジュ・シムノンさんの、イギリス版っていう感じですね。
    次々続けて読みたいわけではないですが、うん、四〇代から読み始めるくらいで、正しい作家さんだと思いました。
    お子様にはね、渋すぎて。面白くないだろうなっ・・・と(笑)。

    そんな、歳を取ることの旨み、を、味わえるのも、読書の快楽ですね。

    0
    2014年03月30日
  • ヒューマン・ファクター〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    007の痛快なスーパーマンの諜報部員ではない。地道な情報担当の諜報部員の日々が息苦しく描かれている。主人公は妻のために祖国を裏切った二重スパイ。疑惑・陰謀・奸策に囲まれてる。家族とともに生き抜くために、自分を隠しながら全てを疑い、真実を判断しなければならない。小さな過ちは破滅につながる。心の支えは妻と息子、しかし家族に真実を話すことも許されない。孤独と愛、信頼と裏切り、人生でのどうしようもない不条理が濃縮されているよう。その中で懸命に生きる主人公たちが切ない。緊迫感に溢れたストーリー。

    0
    2013年05月07日

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