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Posted by ブクログ
「無邪気」は、たいていは肯定的に受け取られることが多いと思う。天真爛漫で裏表がない感じ。でも、誰か周りの「無邪気」に、ある種の傲慢さや脳天気さ、無神経さを感じたことのある人は、決して「無邪気」を好意的には受け取らないだろう。
この小説に出てくるアメリカ人のパイルは、無邪気で正義感と理想に燃えている善良なアメリカ人青年。なんだか読んでると、ブッシュを連想してしまうのは偏見かしら。小説の舞台がインドシナ戦争だから、よけいにイラク戦争下のブッシュを連想してしまう。パイルが良かれと思ってやっていることは、じつはちっとも事態を好転させはしない。でもパイルはそこに気づかない。
この小説は、2つの場面がすごくリアル。ひとつは、淡々と描写される戦争の様子。もうひとつは、小説の語り手で老年にさしかかったシニカルなイギリス人、ファウラーの嫉妬。ファウラーの愛人である若いベトナム人女性フォンは、パイルにとられてしまうのだが……「が」がポイント。
淡々とした語り口だから、かえって胸に迫るといえるかも。でもひとつ文句をつけるなら、フォンがまったく受動的で人形みたいなところ。これって、ヨーロッパ男の、アジア女への幻想なのか。それとも、人種や文化的背景は関係なく、単に男の幻想なのか。ちょっと都合がよすぎて、できすぎの感じがするのだった。
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