伊神満の作品一覧
「伊神満」の「「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明」「DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文(2024/10/2発売分まで)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
「伊神満」の「「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明」「DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文(2024/10/2発売分まで)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
Yale大学の若き経済学者による、教育的な自伝である。
「イノベーターの経済学的解明」のタイトルにつられて購入した。私は前半の「イノベーター」の部分に着目していたが、本書における著者自身の力点は後半の「経済学的解明」に置いていたように思う。
著者が自身の博士論文を以て経済学の全体像を感覚で理解できるよう提示している。需要・供給・均衡・限界といった基礎的な概念から、差別化と競争、社会厚生、静学/動学、実証研究の形態の各トピックまで、幅広く紹介している。非常にスピーディーで熱のこもった筆致であるためか、サクサク読める。
経済学はしばしば、「モデルが現実的でない」との批判を受ける。しかし本書は、その批判が筋違いであることを示す。「モデルが現実的でない」と考えるのは、そもそもその理論の有用性を理解していないからだと断じる。そこに自身の問いが発さればこそ、その問いと背後の文脈に応じたモデルが活きてくる。イノベーターのジレンマをはじめとする諸々の社会的現象を、単純なモデルによって説明することの意味を、次のように説いている。
「世の物事や人の感じることを言葉で言い尽くすのは土台無理な話だが、それにも関わらず人は言葉やその他諸々の手段を使って、何かを表現し伝えようとする。方程式やギリシャ文字だけで経済活動(やそれを含む有象無象)を表現し切ることは難しい。難しいというか、そもそも現実世界の『枝葉』を削ぎ落して単純化するためにモデルという箱庭を作ったわけだから、数式自体には『現実』がほとんど登場しない。それにも関わらず、数式の行間を読み、背後の事物に想像力を働かせることは可能である。」(第10章)
既存企業にとっては、既存事業と新事業の共喰いを乗り越える必要がある旨を一連の実証分析から示唆した後、その背後に潜む現実に対して想像力を発揮させていく。その想像力の発揮はまさしく、洗練された問い/仮説と、モデルによる頑健な裏付けがあるからこそ、意味を成すものに思えた。
冒頭で掲げられた問いに対する結論は、凡庸なものであった。それでは長々とした論証は無意味だったのか?と筆者は問う。答えは当然、「否」。以下は引用である。
「『結論』や『解答』そのものに、大した価値や面白みはない。そうではなくて、
・そもそもの『問い』
・その煮詰め方、そして
・何を『根拠』に、いかなる『意味』において、その『答え』が言えるのか、
つまり『どんなことを、どんなふうに考えながらそこに到達したのか』という『道のり』こそが、一番おいしいところであり、大人に必要な『科学』というものだ。」
ここが著者の最も伝えたい主張であるに違いない。というのも本書は、「経済学を初心者に向けて紹介する本」以上に大きな意味を持っているのだ。そうではなくてむしろ、著者自身の研究を例にしながら、いかに知的好奇心を探求する営みが楽しく、(もしかすると)尊い行為であるかについて力説した書である。
そして上記の引用はまさしく「結論」に他ならない。そのためここだけを見てもあまり響かないかもしれない。しかし、著者の具体的な研究とその背後にある頭の使い方と意志を追体験することで、その結論は格段に説得力が増す。
自分の日々の営みに自信が持てなくなった時に、帰ってきたい一冊。
Posted by ブクログ
本書では、クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」を底本にして、実際にイノベーションのジレンマはあるのか、あるとしたらどういった理由が存在するのか・・・といった問題を実証することを目指し、様々な概念と方法論を定時している。
実務でコンサルティングや技術開発(イノベーション)を行なっている身からすると、やっぱり社内競合(本書でいうところの「共食い」)は本当に企業の中でよく見かける。
一方で「抜け駆け」を目指した意思決定は、本書でも珍しい例と言われているが、残念ながら一度も見たことがない。
難しいのは、ただ「共食い」するだけならともかく、ITによってそもそも提供価格が大幅に下がってしまうと、マーケットサイズ自体が小さくなってしまうことがあるということなんだよね・・・。
Posted by ブクログ
伊神先生は
イェール大学の准教授。本当は実績を残すために、日本語の本など書いている場合ではないと思うのだけど、後書きにあるように色々な思いがあって休日を使ってこの本を書いたようです。これ、本ではなくて授業とかで直接話を聴いたら、きっともっと面白かったのだろうなと思いました。
この本は結構面白い構成で、最初にざっとサマリーのようなものが書いてある。さすがは大学の先生。語り口はエッセイ調。
説明されている経済理論は3つ。置換効果(共食い)、抜け駆け、能力格差。実証研究の手法も3つあってデータ分析、比較対象実験、シミュレーション。で、そもそものクリステンセン先生のHDDの事例をベースに実証研究の結果を示すというもの。
最後の最後にまとめが書いてあって、これも3つ。
①既存企業は、例え有能で戦略的で合理的であったとしても、新旧技術や事業間の「共食い」がある限り、新参企業ほどにはイノベーションに本気になれない。(イノベータのジレンマの経済学的解明)
②この「ジレンマ」を解決して生き延びるには、何らかの形で「共食い」を容認し、推進する必要があるが、それは企業価値の最大化という株主にとっての利益に反する可能性がある。一概に良いとは言えない。(創造的「自己」破壊のジレンマ)
③よくある「イノベーション促進政策」に大した効果は期待できないが、逆の言い方をすれば、現実のIT系産業は、丁度良い「競争と技術革新のバランス」で発展してきたことになる。これは社会的に喜ばしい事態である。(創造的破壊の真意)
これが結論なのだけど、印象的な引用が2つあった。
「自分がもっともほしいものが何か判っていない奴は、欲しいものを手に入れることは絶対にできない。キクはいつもそう考えている」(村上龍「コインロッカー・ベイビース」
UCLAのエド・リーマー博士の2つの質問。1)「君の問いは何だ? What's your question?」2)「世の中の誰がその問いに関心を払うべきか? Who should care about your questions?」
Posted by ブクログ
前半は素晴らしい目から鱗 後半はもう一つピンとこなかった
以下は前半の収穫物
因果関係と相関関係(128)
因果関係はストーリー、頭の中で創造するもの AIには作れない
相関関係 Dataの中にあるもの 発見するもの
イノベーション
プロダクト・イノベーション
プロセス・イノベーション 製造・販売費用の低減
勝者総取り 戦わずして勝つのが最善 独占の妙味
複占は1/2ではない 客数は半減、単価も半減
10億件✕@100円=1,000億円
5億件✕@ 50円= 250億円
既存企業の弱点
①人や組織の惰性
②従来事業の成功体験
③大きな組織は情報の伝達効率が悪い
資本Capital
貯めるのに時間のかかる資源
人的資源
知識資本
関係資本
ブランド資本