作品一覧

  • みんな忘れた
    5.0
    1巻1,584円 (税込)
    97歳、今日も描き続ける洋画家の、22の無伴奏の記憶── 100年近い歳月に日本やパリでふれあった22人との交遊を、卓越した感性と描写力でつづった底光りするエッセイ。前作『とこしえのお嬢さん』につづき、永遠に埋もれかけた記憶のたぐいまれなる交遊の記録。カラー口絵付。
  • とこしえのお嬢さん
    5.0
    1巻1,584円 (税込)
    94歳になる、戦後を代表する画家で名文家の著者が、日本やパリで出会った有名無名の21人を、鋭い観察眼と独自の表現で描く名エッセイ。記録としても貴重。カラー口絵8ページつき。
  • 一本の線
    4.2
    1巻880円 (税込)
    98歳を超えてなお、旺盛な制作意欲を持って絵画に取り組む著者が、若き日の懊悩や時代に翻弄される人生について、ウィットと哀しみにあふれる文章で綴る日々のかたち。 福岡県飯塚市、筑豊の炭鉱を経営する家に生まれた著者が、東京美術学校めざして一人上京し、地下鉄銀座線の開通にわく東京で、「エカキ」となっていく自分を振り返った自伝的読み物。 戦争へと向かう日々の中で、藝大生として送る日々の暮らしののどかさ、藤田嗣治や今西中通との交流、坂本繁二郎の想い出。戦争のまっただ中にあっても、想いを告げる苦しさと憧れの女性への思慕にもだえる悩みは変わらない。27歳までの青春の懊悩を綴る。

ユーザーレビュー

  • 一本の線

    Posted by ブクログ

    昔、田中小実昌が野見山暁治の義弟と聞いた時には冗談かと思った。コミマサを夫にもちギョウジを兄にもつなんて、想像できなかったからだ。本書には、その義弟とのファーストエンカウンターの話も出てくる。
    戦後のパリに12年。椎名其二を知り、私淑する。清貧ながら、しかし美食家の椎名。その椎名にきつく叱られ、ベソをかく森有正。野見山のアパートで無茶ぶりをし尽くす小川国夫。街角に寂しくひとりたたずむ藤田嗣治など……野見山の素描のようなエッセイの数々。
    本書は、日本エッセイスト・クラブ賞受賞。書名の「四百字」は原稿用紙のことらしい。

    0
    2025年05月06日
  • とこしえのお嬢さん

    Posted by ブクログ

    想い出に残る人へのレクイエム、21章。
    書名はセンゴク・シズコの章からとっている。女性の章が7つ。なかでも「林芙美子」が強い印象を残す。のちに渡辺淳一の小説のヒロインになった女子高生・純子の章もある。そして最後は「カミさん」武富京子へのレクイエム。
    そのほか、印象的なのは加藤周一とのファースト・エンカウンター。早朝にパリのアパルトマンの階段を駆け上がってドアをノック、すると髯を半分剃った加藤が現われた。中学時代、放課後の図画室でパンの耳をわけてあげた後輩・江頭匡一(のちにロイヤルホストを創業)との再会の話もいい。
    続編は『みんな忘れた―記憶のなかの人』(平凡社)。こちらは22人に捧げられている

    0
    2025年05月04日
  • みんな忘れた

    Posted by ブクログ

    97歳の時に刊行されたエッセイ集。その4年前に出た『とこしえのお嬢さん―記憶のなかの人』の続編、22人との交遊記。彼らへのレクイエムとしても読める。
    40年前に書かれた『四百字のデッサン』からずっと気になっていた金山康喜と小川国夫が再登場、後日談が書かれている。でも、謎多き不思議な金山は謎多く不思議なまま、自分勝手だった小川は最後まで自分勝手なままだった。小川については、野見山にはけっして見せなかった別の顔のことにも触れている。
    加山又造、加島祥造、今泉篤男は粗いクロッキーか。水上勉や秋野不矩のエピソードは淡い水彩のよう。若き脳研究者、萬年甫も登場する。

    0
    2025年05月04日
  • 一本の線

    Posted by ブクログ

    日曜朝のNHK「日曜美術館」でこの画家のことをもっと知りたいと思った。本屋で画集を開くことはあったが、わからない絵ばかりが並んでいた。今回、達意の随筆で、そのわからなさの理由が少しだけわかった。この画家の文章に耽溺する1週間だった。

    0
    2014年05月29日
  • 一本の線

    Posted by ブクログ

    単なる歴史の証言者ではない。読み進むごとにそれぞれの人物像が、風景画が、描き出されていくよう。素敵な文章。

    0
    2023年11月05日

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