佐佐木幸綱の作品一覧
「佐佐木幸綱」の「NHK「100分de名著」ブックス 万葉集」「角川短歌ライブラリー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
〈本から〉
じっさいに短歌を作るには、自分の内部に短歌の音楽(リズム)を育てなければいけません。そのためには暗唱が一番です。頭脳だけではなく、\肉体で短歌を感じ、体験する。何日かかけて、五十首ぐらいは暗唱してほしい。五十首暗唱すれば、短歌の音楽があなたの肉体に住みつき始めたといえます。
たはむれに母を背負ひて
そのあまりの軽きに泣きて
三歩あゆまず
石川啄木
短歌の三大転機
1 正岡子規の「歌よみに与ふる書」
2 塚本邦雄の「水葬物語」
3 俵万智の「サラダ記念日」
短歌 奈良時代から
俳句 江戸時代から
五音と七音でできている日本の定型詩
人はみな馴れぬ齢を生きているユリカモメ飛ぶまるき曇天
永田紅
「句切れ」は、いったん意味や内容が終わる切れ目
字余りでも字足らずでもOK
定型の句切れを崩す「句またがり」「句割れ」
短歌の文字の数え方
記号は数えないのが基本
「ココアでも飲む?」といふ声聞こえて夜を明かすらし姉と弟 花山多佳子
カギカッコは音として数えない
記号は音として数えない
「ココアでも飲む?」→七音
「!」「・・・・・」「ー」も数えない
小さな文字の数え方
【促音】詰まる音。「っ」は一音として数える
例・・・キック(三音)
【拗音】ねじれる音。「きゅ」「しゅ」「ちゃ」
「ゅ」「ゃ」は一音として数えない。
例・・・チャレンジ(四音)
【長音】・・・伸ばす音は一音として数える
例・・・サーカス(四音)
【撥音】「ん」は一音として数える
例・・・大根(四音)
短歌の書き方
基本の書き方 縦一行でスペースなし
変則的な書き方 句ごとに一字空ける
三行書きにする
東海の小島の磯の白砂に
われ泣きぬれて
蟹とたはむる
石川啄木『一握の砂』
「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ 俵万智『サラダ記念日』
障子からのぞいて見ればちらちらと雪のふる日に鶯がなく 佐佐木信綱
白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ 若山牧水
作家の心構え
独自の視点を大切にする
何を詠むか=素材
どう詠むか=技術
対象をじっくり観察する
五感を大切にする
短歌の技法
比喩ー直喩・暗喩・擬人法を使う
早起きはどん百姓の得意技午前三時をともえ投げする 高辻郷子
みちのくの体ぶつとく貫いてあをき脈打つ阿武隈川は 本田一弘
会話体ーセリフをそのまま使う
のぼり坂のペダル踏みつつ子は叫ぶ「まっすぐ?」、そうだ、どんどんのぼれ 佐佐木幸綱
「飲み過ぎではないかメールがうつスラと酔つてゐたで」と友書きてきぬ 梅原ひろみ
体言止めー 一首を名詞や代名詞で終える
わが仕事この酔ひし人を安全に送り届けて忘れられること 高山邦男
助動詞ーほかの語に接続して意味を添える
き・けり・・・ 過去の助動詞
つ・ぬ・たり・り・・完了の助動詞
む〈ん〉・らむ・けむ・・推量の助動詞
なり・・・・ 断定の助動詞
ダイレクトに言わないのが短歌
(略)短歌の面白さは、この美しいものを「美しい」と言わないところにあります。どのように美しいのかを丁寧に表現しなければ、第三者には伝わりません。
「助詞」は言葉と言葉の関係を示したり、意味を添えたりするものです。「てにをは」とも呼ばれ、音数の限られた短歌においては重要な働きをします。(略)
定型に収めるために助詞を省略することもありますが、それがなくては意味が通じないものは、字余りになっても省略してはいけません。
「わたくしが生きているかぎり先生はお元気でゐて診てくださいね」 長嶺元久
Posted by ブクログ
万葉集はご存じ、現存する日本最古の歌集です。7世紀前半から130年の長きにわたる歌を集めた万葉集について、わずか171ページの中で活き活きと伝えてくれていて、解説の書ではありますがとても楽しく読めました。
著者は歌人ではあるのですが、読み終わって印象に残ったのは、個々の歌よりもむしろ万葉集が作られた時代背景や、その時代に生きた人々の生活ぶりや心情のことでした。
あとがきを読むと、著者自身も「万葉の時代がどのように展開し、歌がどのように影響を受けていったかについて」書いたと述べていますので、
そのとおりの本になっていると思います。そのことで万葉の歌がさらに楽しめるようになりました。
万葉集には、宮廷での儀式としての歌、宴会での座興としての歌、個性が開花する歌人による歌、防人や方言の混じる東歌などいろいろな歌があることもあらためて理解できました。
万葉集というと素朴で、表現はおおらかで直裁的というイメージですが、政の儀式上の表現や戯れ歌、第4期あたりからは繊細な表現も見えるなど時代の流れも分かりました。
また、柿本人麻呂や山上憶良など名前のよく知られた歌人たちの多くは当時身分が低かったこと、編纂に当たった家持自身についても万葉集編纂後の人生についてはは全く足取りがつかめないという事実もわかりました。
もうひとつ面白かったことは、この日本最古の歌集について近代の研究家や著名な歌人がどのように評価していたのかについても書かれていたことです。斎藤茂吉、塚本邦雄など人によって評価ポイントが違うところが面白かったです。
最後の章で相聞歌の特集を載せていますが、万葉人の大胆な表現、繊細な表現に驚きました。
天皇から無名の庶民まで、男も女も、若い人も老人も、都の人も東国の人の歌も載っている万葉集、やっぱり魅力的だと思いました。
Posted by ブクログ
昨年ブク友さんの影響で短歌作りに再び興味を持った私、
年末に立ち寄った本屋さんでこの本を見つけ、購入しました。
前から著者の作風には惹かれるものがあり、さらに俵万智さんの師としても知られていること、ページをめくって興味のある歌人さんの歌が多かったので本書を選びました。
(実際に手に取って選べるのは本屋さんのいいところです)
内容は歌作りの基本の決まり事はもとより、その後の腕の磨き方、具体的には歌会に参加したり、添削を受けたり教室に行ったり、大会に応募することや結社について、スランプに陥ったときの乗り越え方、そしてその先にある歌集の出版法など、今さら人に聞けないことも書いてあって面白かったです。
印象に残ったことは、気に入った歌をまず十首暗唱すること、さらに”五十首暗唱すれば、短歌の音楽があなたの肉体に住みつきはじめたといえます”とのことです。これは以前他の有名歌人の方も似たようなことをおっしゃっていて、気に入った歌の暗唱って大事なんだなと改めて思いました。
他にはこれまで知らなかった歌人を知ることができたことも収穫でした。
たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時 (生活を詠った江戸時代の歌人橘曙覧)
聞くやいかにうはの空なる風だにも松に音するならひありとは (夭折の天才少女歌人 宮内卿)
わが仕事この酔いし人を安全に送り届けて忘れられること (タクシードライバーの歌人 高山邦男)
知っている歌人の歌を改めて鑑賞できましたし、新たに出会うことができた歌人もいました。
今年は無理なく楽しみながら日常の短歌を詠めたらいいなと思っています。
Posted by ブクログ
はじめにのことばは印象的でした。
○自分の好きな歌を五十首くらいは暗唱する。
○五七五七七という「型」を習得する。「型」をマスターすれば「型破り」という夢も見えてくる。
○短歌を作ることは各自が「個性」と向き合うこと。
第一章知っておきたい短歌の基本
短歌の歴史
短歌と俳句の違い
短歌のルール
第二章実践 短歌を作ってみよう
作歌の心構え
短歌の言葉遣い
推敲する。推敲を重ねる
第三章短歌の表現テクニック
短歌の技法
第四章短歌の言葉の使い方 扱い方
和歌の表現方法
押さえておきたい文法
第五章短歌の世界をもっと広げる
短歌を発表する
短歌の結社に入る
短歌について勉強する
投稿や大会に挑戦
歌集を作る
この本も『はじめての短歌』に続けて読みましたが、あちらは実作中心でこちらは知識と文法が要だと思います。和歌の表現方法はかなり難しく、おさえておきたい文法は知らないとまずいと思いました。
短歌の勉強法では、自分のレベル(限りなくゼロに等しい)では、しばらく独学してから通信教育(月三千円程度だそうです)をうけるのが第一目標かなと思いました。でも、楽しそうです。