作品一覧

  • 妖精の墓標
    3.0
    1巻1,001円 (税込)
    山間の町、古くから鷺沼で製材業を営む新羽家の先代、新羽堂市が、療養していた自宅で死去。司法からは自殺と判断された堂市の死因に、新羽家に訪れた親戚の医師、桂木雄二は疑念を抱く。不穏な空気が新羽家に渦巻く中、こんどは新羽家の当主に嫁いだ佳織が失踪、そして佳織の妹の夫、滝見が死亡する。桂木は、アメリカに暮らす研究者トーマ・セラに事態の真相究明を依頼する。
  • 玻璃の家
    3.4
    1巻1,771円 (税込)
    アメリカ・マサチューセッツ州の小都市。そこには富豪が、謎の死を遂げた廃屋敷があった。11歳の少年コーディは、その屋敷で死体を焼く不審人物を目撃する。だが、少年は交通事故にあって以来、「相貌失認」の症状を抱えていた。若き心理学者トーマは真相を探り出すために調査を開始するが、真相に迫るにつれ明らかになる、怪死した富豪一族と事件との忌まわしき因縁とは……!第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。

ユーザーレビュー

  • 玻璃の家

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    相貌失認ものです。
    おー、今時、本格だ!当たりだ!! ^^/

    と思ったらそれもそのはず、島田荘司選考の
    「福山ミステリー文学新人賞第1回受賞作」だそうで。
    シマソーって福山出身だったんだ~。へー。

    岡山県西端の高校へ通っていた頃、
    この街の古本屋でクリスティーやクイーンを集めました。
    福山城は駅に隣接状態で、桜の季節にはホームにも花びらが舞っていたなあ~今でもかなあ~

    0
    2016年02月25日
  • 玻璃の家

    Posted by ブクログ

    面白かった。作者はきっと島田荘司が好きなんだろうと思う。理系ネタと本格ミステリの融合──まさに島田氏の提唱する21世紀本格ミステリの理論に合致する。選評の“福ミスのような地方の小賞に投じられてきたことに感謝した”という辺りに島田氏との相性の良さがうかがえる。ということは、私とも相性が良い。そういう雰囲気は序盤から感じていた。
    「相貌失認」という聞きなれないテーマに臆することはない。症状や解釈についての描写も多く出てくるが、私のように何となくわかった程度でも何ら支障はない。もちろん、この扱いにくいネタがなければストーリーは成立しないし、トリックにも直結している。よく形にできたなあと感服すると共に

    0
    2010年01月24日
  • 妖精の墓標

    Posted by ブクログ

    妖精のイメージは羽をつけ、空を飛び交うロマンチックな生き物というヴィクトリアン調のイメージが根強いけど、アイルランドの妖精は老人妖精で三角帽を被り髭をこさえているというレプラホーンが主流だ。でもその際、リトルピープルで執念深く、悪戯好きでどこか悍ましいイメージ。忘れられた古代の神々が事件に介在するとき、ミステリの深層を抉りだす。

    0
    2013年10月03日
  • 妖精の墓標

    Posted by ブクログ

    信州の山林地主の先代・新羽堂市が変死した。
    東京から葬儀に訪れた孫の医師・桂木優二は自殺と判断されたその死に不審感を抱く。
    そして葬儀の直後、遠縁の画家・滝見伸彦が転落死。
    生前、滝見が白昼夢のように見ていた「妖精」に、連続する事件解決の鍵があると考えた桂木は、米国ボストンに暮らす心理学者のトーマ・セラに調査への協力を依頼する。

    第一回福ミス受賞者、松本さんの第2作目。
    ざっと4年ぶりですか。
    それだけの時間がかかっていそうな、凝った作品でした。
    だけどちょっと合わなかったかなぁ~。

    滝見が初めて妖精を見たという、マサチューセッツでのプロローグから一転、閉鎖的な田舎の人間関係が思いやられる

    0
    2013年06月16日
  • 妖精の墓標

    Posted by ブクログ

    妖精が出現する幻想的な光景や、その科学的・論理的解明と、まさに島田荘司が提唱する『21世紀本格』。異形の論理に基づく毒殺トリックや旧家に隠された秘密など、全ての謎が複雑に結びついた緻密な構成も見事。

    0
    2013年04月23日

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