配信予定・最新刊

作品一覧

  • エロティシズム
    NEW
    3.9
    1巻1,716円 (税込)
    労働の発生と組織化、欲望の無制限な発露に対する禁止の体系の成立、そして死をめぐる禁忌……。エロティシズムの衝動は、それらを侵犯して、至高の生へ行き着く。人間が自己の存続を欲している限り、禁止はなくならない。しかしまた人間は、生命の過剰を抑え難く内に抱えてもいる。禁止と侵犯の終りなき相克にバタイユは人間の本質を見ていった。内的体験と普遍経済論の長い思考の渦から生まれ、1957年に刊行された本書によって、エロティシズムは最初にして決定的な光を当てられる。バタイユ新世代の明快な新訳で送る、待望の文庫版バタイユの核心。
  • 呪われた部分 ──全般経済学試論・蕩尽
    3.5
    1巻1,430円 (税込)
    「“全般経済学”とは、生産よりも富の“消費”(つまり“蕩尽”)のほうを、重要な対象とする経済学のことである。」経済合理性の範疇に収まらない蕩尽・祝祭・宗教・エロス・芸術は、人間の喜びの本質が有用性の原理に拠って立つ生産・蓄積過程にあるのではなく、消費・蕩尽にあることを示す。本書は人間が不可避的に内包せざるを得なかった「過剰」を考察の対象にして人間存在の根源に迫り、生を真に充実させるために、蕩尽・神聖・恍惚に代表されるこの「呪われた部分」の再考を鋭く強く促す。意識の「コペルニクス的転回」に賭けたバタイユ作品の新訳。巻末に先駆的重要論文「消費の概念」を収録。
  • 内的体験 無神学大全
    -
    1巻1,650円 (税込)
    恐るべき思想家バタイユが全ての思想を転覆させて思考の極限に挑んだ20世紀最大の問題作を50年ぶりに新訳。第一人者による鋭利な訳文と膨大な注によって絶後の名著が暗黒の21世紀に降臨する。

ユーザーレビュー

  • エロティシズム

    Posted by ブクログ

    言葉で表すことの難しいエロティシズムを議論の的とした意欲作。

    エロティシズムという感情は禁止の侵犯という宗教や衝動的な暴力と同じ精神的基盤に立つという視点から至極主観的な事象を語っていく。

    この本と他の本との決定的な違いは「議論が完結していない」ということ。
    訳者あとがきでも述べられている通り、多くの問題提起と議論の余地を残したまま議論が進んでいく。

    よって、一度読んで終わりといった本ではなく、この本を契機に様々な本を読んでまたこの本に戻ってくるということを繰り替えすことで読者に考えることの楽しさを知らせてくれる。

    0
    2013年04月23日
  • エロティシズム

    Posted by ブクログ

    読む前から一度読んですんなり理解できるとは思わなかったけど、やっぱり読んでみて明確に理解することはできなかった。『同性愛の経済人類学』という論文を読んで、そこにエロティシズムと労働の関係について書かれていたので、おかげで少しは入って行きやすかったかも。

    先に論じたことを後でも繰り返し述べられているような形になっているので、そのあたりは理解しやすかった。
    あくまでこれは男性視点のエロティシズムだな、というのは感じた。女性のことははなから無視されているような。そこになんとなく違和感があった。確かにエロティシズムという問題を論じるときに、男性主体になるのは仕方ないのかもしれないけど。これが書かれた

    0
    2010年07月05日
  • エロティシズム

    Posted by ブクログ

    ネアンデルタール人に道具、すなわち労働が、埋葬すなわち死が観念として発生し、クロマニヨン人により洞窟壁画などの宗教観念が認められるものが現された。
    根源的に不連続であるインディビジュアルな人間の存在。聖なるもの、エロティシズム、死への経験、供犠などはそこに連続性、無限定性を介入させる。その暴力、不安、そしてそれを緩和させようとする笑い。
    存在を外に投げ出す経験。
    エロティシズムの本質は汚すことだという意味において、美は第一に重要なのだ。

    /禁止に対する侵犯がエロティシズムである。
    禁止と侵犯は相補的関係。/


    糞便、腐敗、生活動
    「私たちの嘔吐感とは空無感なのだ。吐き気で気を失いそうになる

    0
    2010年04月04日
  • エロティシズム

    Posted by ブクログ

    「序論」でまず、この本の目指すところがはっきりとわかる。それから、とても素晴らしい翻訳(酒井健)だと思う。こちらから入って、澁澤訳の同書を読んだほうがいいかな。「エロティシズムとは、死におけるまで生を称えることだと言える」。

    0
    2011年07月19日
  • 呪われた部分 ──全般経済学試論・蕩尽

    Posted by ブクログ

    久しぶりにバタイユの著書を読んだけどやっぱ理解するのに手間取る手間取る。
    バタイユもニーチェと同様、掴み損ねると火傷しそうな思想家。二項対立の図式から抜け出でる手段を常に模索してる感じ。
    本著の主題は経済学における既存の捉え方にコペルニクス的転回を加え、全般経済学という新たな地平を提示すること。
    生産的生活のなかに余剰を通し現れる蕩尽という非生産的消費活動。
    現代の消費主義とも深く共鳴するバタイユの鋭い視点にうなづく点が多い。
    初期イスラム、プロテスタンティズムあたりの分析は複雑すぎてあんま覚えてないけど、面白かった記憶はある。
    人は自分の欲望を大っぴらに語りたくないが、根本的な部分で人は自分

    0
    2025年02月01日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!