天狼院書店の店主であり、プロカメラマン、編集者である三浦崇典さんの著書。
マーケティングについての小説で、約400ページある内容だったけど、一気読みできるほどおもしろく、興味深い内容だった。
大学生起業家の桐生七海は、ある理由から「受注数世界一の殺しの会社」をつくらなければならないと、世界最強のビ
...続きを読むジネスを手にしているという西城潤のもとを訪れる。
「殺し」を売るということは、経営者自身が殺されるかもしれないというリスクや、もともと違法行為なので逮捕されるリスク、表だって営業できず、広告も打てず、マスメディアを使ったPRもできない。それで、インターネットで受注することもできない。ほぼ不可能に近い。
しかし西城は、前もって七海の行動の理由をつかんでいて、マーケティングに必要な7つの要素を伝えることで協力することになる。
その7つの要素は、ストーリー(旅たちの理由)、コンテンツ(商品)、モデル(仕組み)、エビデンス(実数値)、スパイラル(上昇螺旋)、ブランド(信頼)、アトモスフィア(空気)である。
その行動を起こそうとおもった理由が大切で、次に売りさばく商品に価値があることが必要、そして売り上げが伸びていくと、加速して売り上げが上がるようになり、商品や企業への信頼によりブランド化し、社会全体が大きな空気となって後押ししてくれるようになる。
マーケティングの知識がなくてももちろん楽しめる内容だったし、マーケティングについて知りたい、売り上げを伸ばしたいと思う人も小説仕立てなので楽しみながら学ぶことができると思う。
「殺し」を売るというだけに、周りに殺人が起きたり、大切な人を亡くしたりとハラハラドキドキするような展開と、一発逆転という展開もありと、著者の本をきっかけに、天狼院書店に行ってみたいと思うようになった。