作品一覧

  • 錬金術の終わり 貨幣、銀行、世界経済の未来
    3.7
    1巻3,520円 (税込)
    ★預金者から調達した資金が長期投資のために使われ、新たな価値を生み出すという、歴史的に続いてきた現代金融の仕組みはまさに「錬金術」だ。ところが、金融の「賢者の石」を追い求めるこの錬金術は、ハイパーインフレから金融破綻まで、経済に大惨事をもたらしてきた。市場経済の錬金術師である貨幣と銀行はなぜ、その「アキレス腱」になってしまったか。錬金術を終わらせて、健全な金融と経済を築くにはどうすればよいのか。 ★著者は、世界金融危機を収拾した立役者のひとりであり、「錬金術師」とも評された前イングランド銀行総裁。その豊かな学識、歴史への洞察、中央銀行総裁としての経験をもとに、現代の貨幣・銀行システムが生み出す危険性に対して痛烈な警告を発する。そして、大恐慌の再来を防ぐための新たなアイデアにもとづく金融システム、経済政策への移行を提示する。主流派経済学とは異なる観点からの大胆な問題提起のため、刊行されるや、メディア、学界などで議論を呼び起こしている。 ★著者は、安定した将来見通しが得られない不確実性と経済の不均衡が常に存在する現在、従来の金融の仕組みでは、必ず危機が再来すると警鐘を鳴らす。そこで、中央銀行の果たすべき新たな役割、危機を引き起こさない銀行システムを提案。世界経済の不均衡を原因とする、迫り来る危機に対処するには、短期的な処方箋である金融の量的緩和政策では効果がなく、新たな思想にもとづく経済学と政策の仕組みが必要だと力説する。 ★『ライアーズ・ポーカー』『マネー・ボール』著者、マイケル・ルイスが「この本が十分注目されれば、世界を救うかもしれない」と大絶賛。「経済学の本で、これほど知的興奮を覚える本に出会うことはめったにない――目がくらむほど、本当にすごい」(ジョン・プレンダー、フィナンシャルタイムズ紙コラムニスト)など、高く評価されている。
  • SDGs・ESGを導くCVO(チーフ・バリュー・オフィサー)―次世代CFOの要件
    -
    1巻3,740円 (税込)
    コンパクトな原書であり、理念が中心となっている。それでは、日本企業にとって何が問題になりつつあるのか、世界の資本・投資の流れがどのように向かいつつあり、どのように対応すべきかがわからないので、原書の3つのPARTに対応して、日本の対応・課題・展望を加える。 現著者のメッセージは、以下の2段階で展開される。 (1) 21世紀は限られた資源(自然資本や社会資本も含めて)をいかに有効に活用し、また、同時に、ダメージを与えない、あるいは限りなく少なくするか、という点での取り組みが重要であること。逆説的に言えば、20世紀は、資源を保有し、使う権利があることがビジネスに貢献しており、転換が必要。それを具体的な目標として示したのが、国連による「SDGs(Sustainable Developmennt Goals:持続可能な開発目標」(2015年国連サミットで採択)として位置づけられる。MDGs(ミレニアム開発目標)と異なるのは、先進国も含むすべての国に適用されている点にある。 (2) 財務情報だけでは企業価値の2割弱しか説明できていない。残りの8割のインタンジブルが企業の市場価値を決定づける方向になりつつある。その流れのなかで、CFOにとどまるのではなく、非財務的な価値も含めて企業価値に関するエコシステムについて関わるCVO(Chief Value Officer)という位置づけが求められ、結果として、(1)につながる。今のままでは、開示による企業価値棄損もありうる。

ユーザーレビュー

  • 錬金術の終わり 貨幣、銀行、世界経済の未来

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     金融危機前後の期間にイングランド銀行総裁を務めた著者による、政治経済の大局的視点からの金融政策の諸問題と、持続可能な経済システム構築に向けた提言の書。極めて長大でスケールも大きく、読み進めるうちに見当識を失いそうになるが、全編を通じて「不均衡」「根源的な不確実性」「囚人のジレンマ」「信頼」の四つの概念が軸になっておりブレがなく、理路整然とした論調は読んでいて清々しい。現在の先進国の金融政策が持続可能でないばかりか、新たな危機の火種になりかねないというのは自分の直観に沿うところでもあり、それを極めて精緻に言語化してくれているという意味で稀有な書だった。将来に向けた提言は主に金融政策上のルール構

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    2017年10月15日
  • 錬金術の終わり 貨幣、銀行、世界経済の未来

    Posted by ブクログ

    ー 何世紀ものあいだ、貨幣と銀行は金融の錬金術だった。それは強さの源泉とされていたが、実際には、資本主義経済のアキレス腱だった。貨幣と銀行、そしてグローバル経済という制度を長い歳月をかけて改革するには、知的な革命が不可欠である。2007~9年の金融危機後、ほとんどすべての先進工業国が停滞を克服できないでいるのはなぜか。それは個人の失敗か、それとも制度の失敗か、あるいは思想の失敗なのか。それが本書のなかで投げかけた根本的な疑問である。しかし、そのなかでいちばん大きいのは思想である。

    錬金術は終わり、経済の停滞は克服できないままだ。モーゲージも預金を元手にした融資もレバレッジも、そもそも労働に値

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    2024年09月16日
  • 錬金術の終わり 貨幣、銀行、世界経済の未来

    Posted by ブクログ

     筆者は、世界金融危機を収拾した立役者の1人であり、「錬金術師」とも評された前イングランド銀行総裁。
     安定した将来見通しが得られない不確実性と経済の不均衡が常に存在する現在、従来の金融の仕組みでは、必ず危機が再来すると警鐘を鳴らす。そこで、中央銀行の果たすべき新たな役割を提案。世界経済の不均衡を原因とする迫り来る危機に対処するには、短期的な処方箋である金融の量的緩和政策では効果がなく、新たな思想にもとづく経済学と政策の仕組みが必要だと力説する。

     私の言う「錬金術」とは、紙幣はすべて、金など、そのもの自体に価値がある商品にいつでも換えられる、銀行に預けているお金は、預金者が払い戻しを求めれ

    0
    2021年08月08日

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