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  • ゆとり世代はなぜ転職をくり返すのか? ──キャリア思考と自己責任の罠

    ゆとり世代はなぜ転職をくり返すのか? ──キャリア思考と自己責任の罠

    ビジネス・実用

    3.7
    1巻924円 (税込)
    いま、「ゆとり世代」の若者の転職が増えている。自分らしいキャリアを模索して転職をくり返す人や、「ここではないどこかへ」と気軽に会社を渡り歩く人が増えているのだ。本書は、若者たちに綿密なインタビューを実施、分析し、転職するように彼らを煽る社会構造をあぶり出す。〈意識高い系〉の若者は何を考えて転職するのか? 転職する若者が抱えるリスクとは? 若者のキャリアに社会はどう向き合うべきか? 同世代の社会学者として、人材会社社員として、若者のキャリアに向き合ってきた著者が回答を示す。上司の世代も当事者の世代も必読の一冊。

ユーザーレビュー

  • ゆとり世代はなぜ転職をくり返すのか? ──キャリア思考と自己責任の罠

    Posted by ブクログ

    とっても面白かった。
    約10年前に元リクルートの人が書いた本だが、現代にも通じることがあった。

    個人の意思は社会構造の影響を受けて、社会からの要請を
    生存戦略の一つとして無意識に内面化してしまう。

    社会の流れの変化により、1990年代から終身雇用が難しくなり、
    個人の尊重や自己実現の重視へシフト。
    民間の人材紹介がOKになったことにより、多様なキャリアが受け入れられるようになり、また自己実現の風潮に拍車がかかった。

    今巷で叫ばれている「自分らしい自律的なキャリア」は、それが理想というより、それまで社会では一社に勤め上げる企業戦士の人材が必要だったが、これからは個人がその時その時必要な場所で経済活動に寄与してくれる人材が必要なため、叫ばれているという背景が多分にある。

    暇と退屈の倫理学と照らして書かれている箇所が印象深かった。
    それまで「暇」はブルジョワジーの特権であった。
    フォードが生産性を上げるために労働者に「休暇」を与えた。
    突然休暇を与えられた労働者は使い方がわからず、文化産業に欲求を掻き立てられ文化産業の商品を消費するようになった。

    ここの「休暇」と「自律的にキャリアを歩む自由」は重なっている。
    自律的にキャリアを歩む術を知らないのに、突然その自由だけ与えられてどうしていいかわからず、結局見えないゴール/実現できるかわからないゴールに向かって転職等をしてしまう。

    ここで出されている対応策が「やりたいこと」ではなく「できること」「スキルを身に着けること」を重視したキャリア形成。

    私も面接等でも聞かれるから「やりたいこと」を明確にしないとって、思ってきたけど「できること」をして少しでも社会貢献に繋がるならそれでいいなと考えが変わった。

    とても良い本だった。

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    2026年08月08日
  • ゆとり世代はなぜ転職をくり返すのか? ──キャリア思考と自己責任の罠

    Posted by ブクログ

    ■一つの会社での就労期間が短い人材は転職するたびに転職や再就職が難しくなっていくということが分かっている。このようなプロセスの中で彼らのキャリアは不安定なものになっていく。
    ■「学歴の高低」は「転職による年収の増減」「満足度の向上と低下」に直接影響を与えるという分析結果もある。
    ・育った家庭の経済常用による本人の学歴や初職への就職に対する影響まで視野に入れると格差の再生産構造が見えてくる。
    ・家庭の経済状況が厳しかったものは高い学歴を獲得しづらくその結果厳しい労働環境の企業に就職し,そこから抜け出そうと転職したとしても状況は改善されず,むしろ更なる厳しい状況に陥っていくという負の連鎖の構造が見えてくる。
    ■若者のキャリアが転職によって不安定なものとなるとしたら彼らにとって重大な問題であるばかりでなく,社会的不安や社会的損失の引き金になると考えられる。
    ■太田聰一は若年失業者の増加が,
    ①日本の人的資本レベル(人材が身につけている知識や技能のレベル)の長期低迷
    ②貧困の連鎖の可能性
    ③若年労働市場の悪化による少年犯罪発生率上昇の可能性
    ④自殺者増加のリスク
    ⑤年金制度指示の困難化
    ⑥晩婚化及び少子化の促進
    といった様々な問題を引き起こす可能性を指摘している。
    ■大卒者が職を失ったりキャリアが不安定化したりするとしたら労働力の有効活用という観点からも大きな問題となる。
    ・国民の4人に1人が65歳以上である「超高齢社会」を世界で最初に迎え生産年齢人口が圧倒的に減少傾向にある日本において無視できない問題。
    ■日本経営者団体連盟(現・日本経団連)の「新時代に『日本的経営』」1995
    ①個人の努力に報いることを目的としない終身雇用や年功序列といった「集団主義」的労働慣行によってサラリマン,特にホワイトカラーは会社に対する不満を募らせ生産性が上がっていない。
    ②厳しい環境を生き残り,社員の「自己実現」や「個性の発揮」を引き出すべく各社員の能力を存分に発揮できるの力主義・業績主義を採用する。
    ③能力が発揮されなかった場合には社員の能力ではなく職場が求める能力と社員の能力のずれという「雇用のミスマッチ」に原因があると考える。
    ④「個性尊重・自己実現」の視点からは能力や適性が合わない環境での仕事はふさわしくないため,企業を越えた横断的な労働市場を形成し,人材の流動化を図らなければならない。
    ■若者の転職者の3つのパターン
    ①意識高い系
    ・自分にとっての働く意義を明確に認識し仕事を通して実現したいことをはっきりと考え,そのために転職をしていたパターン
    ・「キャリアアップを目指す」「やりたい仕事に就く」「仕事のやりがいが重要」そういった意識を持って仕事に取り組み仕事の内容を通して実現したい希望が満たされるか否かに就労の満足度を判断する基準が置かれる
    ②「ここではないどこかへ系」
    ・働くことの意義が意思決定のたびに移り変わりながらキャリアを形成していたパターン
    ③「伝統的キャリア系」
    ・転職先で働き続けることを望む
    ・自律的キャリアと対比されるキャリアである伝統的キャリアを転職先で歩もうとするパターン
    ■「近代型能力」
    ・基礎学力
    ・標準性
    ・知識量,知的操作の速度
    ・共通尺度で比較可能
    ・順応性
    ・協調性,同質性
    ■「ポスト近代型能力」
    ・生きる力
    ・多様性・新奇性
    ・意欲,創造性
    ・個別性・個性
    ・能動性
    ・ネットワーク形成力,交渉力
    ■

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    2018年11月17日
  • ゆとり世代はなぜ転職をくり返すのか? ──キャリア思考と自己責任の罠

    Posted by ブクログ

    修論ベースにした本だけど、なるほどこれだけ書ければ修論も本になるなという感じ。
    日本のキャリア観の変化を丁寧に辿っていて、キャリア思考も社会の影響を受けているとかはそのとおり。転職するゆとり世代をカテゴライズしていて、意識高い系という懐かしい言葉もあったし、ここではないどこかへ系といった造語も出てきた。
    就活の問題点や理不尽な自己責任など、それがブラック企業に繋がる構造といった社会学的に面白い指摘があった。
    面白かったのはキャリアコンサルティングというのか、キャリアアドバイザーの面談に立ち会って記録しているところ。転職を考えている人間にはここだけでも実利があっていい。

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    2025年07月11日
  • ゆとり世代はなぜ転職をくり返すのか? ──キャリア思考と自己責任の罠

    Posted by ブクログ

    「好き」を仕事にすること。
    「自己実現」として働くこと。
    キャリア教育によって導かれてきたことから起きてきたこと。

    「よい」「悪い」ではなく、本書を通して起きていることを知ることができて、参考になりました。
    過剰な自己責任を促すことにもつながり得る声かけ、自分もしてきたかもと、自らを顧みる機会ともなりました。読めてよかったです。

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    2025年05月04日
  • ゆとり世代はなぜ転職をくり返すのか? ──キャリア思考と自己責任の罠

    Posted by ブクログ

    キャリア自己責任論が課題なのは特に個々人のキャリアサポートをする際に忘れてはいけない視点だろう。
    個人と社会の関係にうまいことなにかできないのが難しいところだと思った

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    2021年07月18日

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