作品一覧

  • 構造災  科学技術社会に潜む危機
    3.3
    1巻792円 (税込)
    「人災」とされる福島原発事故。「人災」対「天災」という分類は、未曾有の大災害の真実を尽くしきれているだろうか。本書は、戦前から連綿と続く、日本社会に根をおろした「構造」にあえて眼を向ける。その「構造」から、科学技術と社会のあいだの危機のメカニズムを解明する。そして、問題克服の道筋をさぐる。

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  • 科学社会学の理論
    -
    1巻1,320円 (税込)
    原発事故、オゾン層破壊、資源の枯渇……深刻なリスクと隣り合わせの現代社会の中で、科学技術とともに幸せな生を送るには? 「社会」という視点を欠落させてきた科学者や技術者とも、科学技術を「社会」の現象として考察してこなかった社会学者とも適切に距離を保ち、「科学社会学」という新たな知を立ち上げる。第一人者が福島原発事故に先立って公にした予想を踏まえ、豊富な具体例とともに明快に説く。

ユーザーレビュー

  • 構造災  科学技術社会に潜む危機

    Posted by ブクログ

     難しい名前の本だが、自分なりに理解すると、科学技術の問題が、社会構造の問題に波及・反映して問題を複雑化、困難化していくこと、それ自体災害ととらえる考え方だと思う。

     構造災の特性
    (1)先例が間違っているとときに先例を踏襲して問題を温存してしまう。
    (2)系の複雑系と相互依存性が問題を増幅する。
    (3)小集団の非公式の規範が公式の規範を長期にわたって空洞化する。
    (4)問題の対応においてそのば限りの対処療法が増殖する。
    (5)責任の所在を不明確にする秘密主義がセクターを問わず連鎖する。(p46)

     著者は社会科学系の学者だが、原子力を中心に様々な事故について、この4つの問題がからみあう問

    0
    2012年10月15日
  • 構造災  科学技術社会に潜む危機

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    構造災の要素
    ①先例が間違っているときに先例を踏襲して問題を温存させてしまう。
    ②系の複雑性と相互作用性が問題を増幅する。
    ③小集団の非公式の規範が公式の規範を長期にわたって空洞化する。
    ④問題への対応においてその場限りの想定による対症治療法が増殖する。
    ⑤責任の所在を不明瞭にする秘密主義がセクターを問わず連鎖する。

    ファシリテータ、インタープリターなどの「つなぎ目」の提案


    構造災はこのような対症治療法の対症治療法の対症治療法・・・といった、つぎつぎに対症治療法が増殖し、本来解決すべき問題が帰って視界から遠のいてしまう状態を含む。
    そして対症治療法はそのように増殖する傾向を元来もちやすい

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    2013年03月19日
  • 構造災  科学技術社会に潜む危機

    Posted by ブクログ

    新しい概念というのは、書くほうも試行錯誤するのでしょう。その試行錯誤に多少とも付き合うことになるので、なかなか理解が遠い。それでも・・・・、何か変だ・・・と思っていることへの解答として魅力ある概念だという感じはした。
    構造災としての原発事故だとすれば、なぜ現在もなお廃炉を惜しむ声があるのだろうか。
    当事者こそ、しっかり構造災を学んでほしいものだ。

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    2012年10月16日

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