作品一覧

  • pray human
    -
    1巻682円 (税込)
    ねえ君、わたしは生きていく。このクソみたいで美しい世界を。 魂を揺るがす、少女たちのレジスタンス。 創作が芥川賞候補になったわたしは、意外な人物からの電話を受ける。17歳のとき入院した精神科で、患者たちのボスを気取っていた「安城さん」だ。8年ぶりに再会した彼女は、別人のように痩せこけ点滴に繋がれながらも、変わらず悪態をつき、わたしの封印した記憶を甦らせていく。精神病棟で出会った仲間たちとの日々、救えなかった親友、そして子供時代の傷―ー。長い沈黙を越えて、わたしは真実を語り始める。 デビュー作『ジニのパズル』で群像新人文学賞、織田作之助賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した注目の新鋭が、傷ついた魂の再生を描く圧倒的感動作。第33回三島由紀夫賞候補作。
  • ジニのパズル
    3.8
    1巻649円 (税込)
    東京、ハワイ、オレゴンと、ジニは学校からたらい回しにされてきた。ホームステイ先で彼女は、五年前の出来事を語りはじめる。在日韓国人として生まれた、朝鮮語がわからないまま、過ごした朝鮮学校での日々。居場所を見つけられず、二つの言語の間で必死に生きるなか、あの日、テポドンが発射される。第59回群像新人文学賞受賞作。第155回芥川賞候補作。

ユーザーレビュー

  • ジニのパズル

    Posted by ブクログ

    日本の小学校、朝鮮の中学校、アメリカの高校といった異色の経歴を持つジニ。
    僕自身在日韓国人で、中学まで朝鮮学校に通って高校から日本学校に通った。
    だから、ジニの心情なり肖像画の違和感がとてつもなく共感できた。

    ただジニの感受性の豊かさは僕より全然豊かで、「確かに言われてみれば、あれっておかしかったよな?」って思うことが多々あった。
    視点が鋭いだけでなく、非常に批判的見方である。

    確かに僕の周りにも一定数、そういう子がいた。
    しかし僕みたいな学生が大半であり、みんな「韓国人なのに、なぜ朝鮮学校に通っていたのか?」と聞かれると答えれなかったし、親が通わせたからという質問しかできなかった。
    その

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    2023年01月15日
  • ジニのパズル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    目を逸らしてはならない。今ここで進んでいる歴史は大人たちの責任だろうか。それは否定しない。でも、子供だからなにもできないなんてことがあるだろうか。私たちは誰もが革命家の卵だ。自分以外の星が輝いてくれるから、影も必要?そんなことはない。自分の非力さに、抗う相手の大きさに、怯みたくない。間違っても、受け入れればいい。なにもしない自分で胸を張って生きられるか。

    私たちの出すこたえや考えは二択ではできていない。敵の敵は味方だろうか。本当に同じ立場にあるのだろうか。世界はもっと複雑にできている。理解できないから、誰かにとって都合のいいものであって欲しいから、そんなふうに単純化したせいで、より複雑になっ

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    2020年05月09日
  • ジニのパズル

    Posted by ブクログ

    この本の感想を書くのは難しい。
    それはたぶん「この本の感想を書くのは難しい」と書くことにさえ、なにか間違っているような気がしてしまう自分自身への違和感のようなものに起因するような気がする(ごめんなさい、本当にどう書いてよいか書きようがない)。

    それはつまり「日本人」である自分は、この本に物語られた「在日朝鮮人」のボイスをどのように受け止めていいのかわからないという戸惑いから来ているようにも思う。

    気になったから色んな人の感想を読んでみた(普段はそんなことしない。小説を読んでどんな感想を持とうが、それはその人の自由だと思うから)。
    良い評価をつける人の多くは、この本に書かれた荒々しく、生々し

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    2020年03月04日
  • ジニのパズル

    Posted by ブクログ

    自分の今の職場には、韓国から来た人と中国から来た人が何人かいる。自分はその人達を「同じ作品に携わり、より良いものにするために一緒に頑張る人」という認識で接していて、国籍なんて関係ないと思ってる。だから知り合って間もない頃は「えーっと、この子は韓国と中国どっちだったかな……」なんて考える間が、会話の中で一瞬生まれることもあった。自分の中で、国の違いを意識しないようにしようとしていたからかもしれない。
    でもそれは、相手の生まれ育った国をあまり尊重していないようで、失礼にも思えて。だって、「この人何県出身だったっけ……」と同じことだもん。まるで相手に興味がないみたいじゃないか……!
    小学生から高校生

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    2019年04月13日
  • ジニのパズル

    Posted by ブクログ

    自分の知らない、でも社会にはある朝鮮学校を舞台にした小説。著者の実体験を踏まえたフィクションということからすごく没入しやすく、心が痛くなる作品でした。

    あまりにもあっという間に終わってしまったがために星4つにしましたが、ぜひチェシルさんの他の作品を読みたいと思わせてくれる一冊でした。

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    2025年06月15日

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