記憶が正しければ「わんわん武士道」シリーズの作者ではなかったか?
この本の面白いところは、実によく主人公が考えているところだ。自分の身の振り方、奉公先での身の処し方や武士道そのものの生き方など、問題に当たるたび、自問自答する。
大恋愛の末夫婦になったものの、一人娘を残して産褥の弊害で死んでしまった愛妻。
長く男児が生まれず、長兄の後継として家に残っていたが、長男が生まれ、家を出ることになった際もそうだ。
物事を受け止め、気が滅入りそうな出来事にも、考え方を整理して向かう実に賢い人物だ。
読んでいて、清々しいし応援したくなる。