経塚丸雄のレビュー一覧

  • 旗本金融道 : 5 情けが宝の新次郎

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    祖父の源太郎がかどわかされ、新次郎自身も幕府評定所に召喚され、あのこわい鳥居耀蔵の審議を受ける。このままでは切腹どころか首切りにもなりかねない。最大の危機をどう乗り越えるのか。もちろんこういう小説だから死罪になるわけないのである。乾坤一擲の手で乗り切る?いやいや家人や家来や友人たちの力がここで発揮される。新次郎は乱暴者であっても、人情には厚いのだ。その人情によって結ばれた人々の絆で助けられる。ああ、感動的だなあ。結局はお気楽なのだが、結構面白いシリーズだった。大団円で終わる。

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    2020年07月29日
  • わんわん武士道 : 1 猛犬、江戸に跳ぶ

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    将軍家治に異国からプレゼントされた生きもの、それは巨大犬、仁王丸と名付けられたマスチフ、75kgの巨体、あたかも熊のよう。誰も近づけません。一方、心配症で過保護な母親に育てられた小笠原官兵衛39歳は、「剣術」と「鳥寄せ」の2つの特技を。また、成り行きから小犬、百若を飼うことに。官兵衛が、みんなから怖れられている仁王丸に、百若を介しながら徐々に徐々に、躾けていく作品、なかなか面白かったです。官兵衛の美人4姉妹、文武両道(ふみ、たけ、りょう、みち)が作品に「華」を添えています。

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    2018年10月30日
  • 子連れ侍江戸草紙

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    記憶が正しければ「わんわん武士道」シリーズの作者ではなかったか?
    この本の面白いところは、実によく主人公が考えているところだ。自分の身の振り方、奉公先での身の処し方や武士道そのものの生き方など、問題に当たるたび、自問自答する。
    大恋愛の末夫婦になったものの、一人娘を残して産褥の弊害で死んでしまった愛妻。
    長く男児が生まれず、長兄の後継として家に残っていたが、長男が生まれ、家を出ることになった際もそうだ。
    物事を受け止め、気が滅入りそうな出来事にも、考え方を整理して向かう実に賢い人物だ。
    読んでいて、清々しいし応援したくなる。

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    2021年03月10日
  • わんわん武士道 : 3 猛犬、恋に落ちる

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    仁王丸にいよいよ嫁を取らねばならないタイミングが来たようだ。ところが嫁候補の弁天は、幼い頃飼育をしていたカピタンの部下が、主人に見えないところで鞭で殴っていたようで、細く長いものを見ると暴れだす。
    それで使用人も噛まれる羽目に。

    次女の武の、大奥勤のための試験が始まる。
    苦手な長女、次女との葛藤や、睨まれている田沼老中からのプレッシャーに勘兵衛がんばる!

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    2021年01月15日
  • わんわん武士道 : 1 猛犬、江戸に跳ぶ

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    小笠原官兵衛、39歳は千五百石の直参旗本。父親は官兵衛が生まれてすぐに亡くなった。今は老いた気の強い母親と、5年前に亡くなった妻(これも気が強かった)の残した4人姉妹。小普請組となって長い。(38年)

    たった一人の跡取りであった官兵衛は、家を出ることも許されず、唯一通えた道場で剣を、友人もなく寂しさを自然を観察し得ることのできた『鳥寄せ』の技を持っていた。

    厳しく、管理せずにはいられない母親のところに帰りたくないばかりに剣の道も極めた。

    そんな官兵衛はひょんなことから、オランダのカピタンから贈られた巨大な犬、名前も「仁王丸」というマステフ犬のしつけを仰せつかった。

    と、ここまで書いても

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    2021年01月14日
  • わんわん武士道 : 2 猛犬、月に咆える

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    同僚の長谷川外記との結納も済んだ夜、口入れ屋から雇い入れた男を含んだ盗人が、仁王丸に毒入饅頭を食わせ、結納金を盗みに入る。
    足に障害の残るチン、百若が外に出たがるので盗賊に気づいた官兵衛。

    そこから毒の解毒に昼夜を問わずかかりきりになる。

    そんな最中、時期将軍の跡取りに関しての一橋家を含む田沼一派と、現将軍の中の良い弟、清水家中将の間に入り翻弄されるのは官兵衛。

    官兵衛は政治など興味はなく、ただただ仁王丸の健康を取り戻し、人を再び信頼して欲しかったのであった。


    今回の第2巻もいいお話に終始。
    ほんわかいい心地の読後感!!

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    2021年01月14日
  • 旗本金融道 : 4 斬るも情けの新次郎

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    強欲な祖父から無理難題を言い渡されて困惑する新次郎だが、そんな折旧友から儲け話を持ち掛けられる。ところがそれは、水野忠邦のとんでもない陰謀とつながっていたのだった。この陰謀に絡めとられた友人の修吾のために、新次郎はじめ家来一同はとんでもない手を打つ。この後、弟の常三郎のためにも一肌脱ぐのだった。やれやれ、こんなこと、現実ではあり得んよなという具合でありながら、痛快感はたっぷりで、まあ許すぜ。

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    2020年07月28日
  • 旗本金融道 : 1 銭が情けの新次郎

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    旗本の次男坊
    母方の叔父の急死で母の実家に末期養子

    母の実家は旗本ながら金貸し
    しかもかなりの阿漕
    先代(祖父)は健在でかなりの吝嗇

    自由気ままに生きてきた新米旗本、そして新米金貸しの奮闘
    叔父殺害の犯人の探索

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    2019年02月23日
  • わんわん武士道 : 2 猛犬、月に咆える

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    経塚丸雄 著「猛犬、月に咆える」、わんわん武士道シリーズ№2、2018.10発行。犬の扱いが上手く、野の鳥も呼び寄せることができる小笠原官兵衛40歳は、将軍家治公の巨大猛犬仁王丸をあずかり、美人犬医者早苗からは小型犬百若をもらい受けた。犬の調教をしながら、官兵衛は母と湯島の美人四姉妹である娘たちと暮らしている。四姉妹の名は文武両道、ふみ、たけ、りょう、みち。反抗的な文18歳は19年上の貧乏侍の所に、騒動を好む部15歳は大奥を希望、依存心が強い両12歳は隣の銀次郎と、大食漢の道9歳は犬医者を目指す。

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    2018年11月13日
  • わんわん武士道 : 1 猛犬、江戸に跳ぶ

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    直参旗本 小笠原官兵衛に舞い込んだ仕事は、上様へ献上された犬を飼いならす
    こと。外国産の大型犬で吠える吠える。殺陣シーンはないけど、ほのぼのとした
    ストーリーでした。大型犬を飼うなら、散歩は必要だよと思いました。

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    2018年08月22日
  • 旗本金融道 : 1 銭が情けの新次郎

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    経塚丸雄氏、初読みです。「旗本金融道(一)銭が情けの新次郎」、2016.3発行。旗本の次男坊、安藤新次郎は、母方の祖父、榊原源兵衛のところに養子縁組に。この榊原家は百八十俵なれど金貸しで年二千両の収入が。「義理欠く、見え欠く、情け欠く」が家の方針とか。そんな家の殿様になった新次郎の物語です。シリーズのようですから、読み進めてみたいと思います。100両の質草に武士の美人妻が。質流れになったら、どうなることでしょう~。

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    2018年07月13日
  • 旗本金融道 : 3 馬鹿と情けの新次郎

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    許嫁の兄梅太郎が転がり込んできて家内に不調和をもたらすわ、大目付の入り婿にと乞われて往生するわ、兄の様子がおかしくて何とかしなけりゃならないわで、主人公の新次郎はあちこち走り回るのだが、結局何とかしてしまうというお気楽さ。これはないよなと思うことが多いけど読んでしまうんだよなあ。やれやれ。

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    2020年07月26日
  • 旗本金融道 : 2 銭が仇の新次郎

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    因業金貸し旗本の養子に入った新次郎だが、次から次へと困ったことが起こってなかなか大変だ。貸した金の取り立てのやり方の辺りは、まあなかなか面白かったが、後は結構無理無理感、ご都合感がある。重みのないのは、まあしゃあないか。

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    2020年07月25日
  • 旗本金融道 : 2 銭が仇の新次郎

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    じいさん、”借金のかた”に手を付けて子どもができちゃって”借金のかた”が奥様昇格
    女の子だったのでひとまずは安心
    実家は出禁(これはよくあることだが)
    お松との縁談もうまく進まず
    プライベートにいろいろ苦難あり

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    2019年03月21日
  • 旗本金融道 : 1 銭が情けの新次郎

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    旗本の暴れん坊の三男坊が、金貸しを営む吝嗇家の叔父の養子になる話。
    謎解きもあって楽しめるのだけど、テンポが遅くて、説明文が長くて、途中読むペースが遅くなってしまった。
    謎解きの結末と、今後の恋物語に進展を期待させる最後に、一気に盛り上がったけれど。

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    2017年04月13日