作品一覧

  • 豊かさ幻想 戦後日本が目指したもの
    4.5
    1巻1,870円 (税込)
    「幸福な暮らし」とは何だろう。昭和どころか平成すらも終わろうとしている今、戦後の占領期の、「開発すれば、大規模なイベントをすれば、遮二無二働けば豊かになる」という考え方が再び頭をもたげているようにも思われる。アメリカ博覧会、国土開発プロジェクト、公害などの歴史をひもとくことで、開発、発展、生産性という言葉が、日本において豊かさや幸福とどのように結びつけられてきたのか、その来歴を考え、現代への警笛を鳴らす。 序 章 「豊かさ」の夢 第二章 アメリカ的な豊かさと展示される事物―空間の地政学 第三章 国土開発、産業化と豊かさへの確信―空間の文化・政治・経済学 第四章 道路開発と豊かさへの幻想―国土空間のネットワーク化と物質化 第五章 性と生―家族計画と身体空間への介入 第六章 物質的豊かさと収奪される身体空間 第七章 港都四日市の輝ける未来と公害―イデオロギー装置としての風景 第八章 豊かさという幻想の虚構性(から目覚める) 終 章 「昭和」を終わらせる力に抗して
  • 「親米」日本の誕生
    -
    1巻1,870円 (税込)
    日本は急激にアメリカ的なものを求め、そして同時に憎んでもいた――。現代につながる親米的な感覚は、第二次大戦の後からずっと続いている。敗戦国となった日本がいかにアメリカにあこがれと反発を抱いてきたのか。外交や政治といった国だけの問題ではなく、身近な民衆の中にある感情を、戦後の様々な雑誌、新聞の広告、記事、テレビやラジオなどから読み解いていく。
  • 四国遍路 八八ヶ所巡礼の歴史と文化
    4.0
    1巻836円 (税込)
    八八の寺院を巡る四国遍路の姿を決定づけた、ある僧の案内記。貧困、病気、差別に苦しめられた巡礼者たちの記録。評判を呼んだ新聞記者による遍路道中記。バスや鉄道の登場がもたらした遍路道の変革――。本書では、近世以降の史料を博捜し、伝説と史実がないまぜになった四国遍路の実態を再現する。千数百キロの遍路道を歩く巡礼者と、彼らと相対した地域住民。これまで語られてこなかった彼らの実像に光を当てる。
  • 戦争と広告 第二次大戦、日本の戦争広告を読み解く
    3.0
    1巻1,496円 (税込)
    戦争広告は、いかに”嘘”をついたのか――? 太平洋戦争中、雑誌には多くの戦意高揚広告が掲載され、また、日本各地で戦争展覧会が開催された。 それらは誰の、どんな意図によって作られ、人々はどのような影響を受けたのだろう。視覚イメージから戦争を読む。 はじめに  序章 第一章 戦争のはじまり 第二章 乾坤一擲と大躍進――大東亜戦争における軍事力 第三章 視覚文化としての銃後の覚悟 第四章 二一世紀における大東亜戦争 おわりに

ユーザーレビュー

  • 豊かさ幻想 戦後日本が目指したもの

    Posted by ブクログ

    成長や発展を常に是とし希求する社会の雰囲気に疑問があり、ふと手に取った本だったが良著だった。
    昭和の高度経済成長期の只中にあっても、実は国民の中に豊かさを実感していない多くの人たちがいたことを、当時のアンケート資料などを用いながら明らかにしていく。

    本の最後の方で紹介された座談会「人間にとって豊かさとは何か」は今から50年以上前に行われた座談会である。その中で公害を例に挙げて、問題点をこう説明した箇所がある。
    「いま起こっている新しい貧困といわれている問題には累積化現象というのがありまして、原因が蓄積されてきてある一定の時点まで来ると爆発的に出るものが多いんです。(中略)だから、現代の時点で

    0
    2024年02月04日
  • 四国遍路 八八ヶ所巡礼の歴史と文化

    Posted by ブクログ

    四国遍路の歴史を学べる本。
    お遍路は歩いてこそ、というのはここ最近の話であることに驚いた。
    お遍路に対して真剣な人から観光気分の人まで全てを受け入れる、良くも悪くも間口が広いことが四国遍路の魅力の一つなのだと改めて認識できた。

    0
    2020年11月17日
  • 豊かさ幻想 戦後日本が目指したもの

    Posted by ブクログ

    現代日本が本当に豊かなのかを詳細に論じた好著だ.1950年のアメリカ博覧会と1955年の原子力平和利用博覧会で、アメリカ的な豊かさにあこがれ、それを追及することを当然と考えた国民.コンビナート、高速道路、家族計画、サラリーマン、高度成長、公害等のキーワードを軸に昭和の時代を概括して、第8章「豊かさという幻想の虚構性」で問題点の考察と論を進めているが、"虚構性"を具体化している点が良かった.p279に述べている「自発的隷従」は支配される側の状態をうまく表現した言葉だと感じた.昭和が良かったという神話も色褪せてきているようだな.

    0
    2019年12月29日
  • 四国遍路 八八ヶ所巡礼の歴史と文化

    Posted by ブクログ

    仏教を私たちの側から体験できる四国遍路、その歴史と変遷を文化誌的にまとめた一冊。
    最近の世界文化遺産登録運動と重なって、盛り上がりを見せている遍路ですが、近世もしくは近代には寺が荒れてしまうほどの衰退があったとは知りませんでした。その真実の姿は、歩いてみなければわかりません。

    0
    2018年05月17日
  • 四国遍路 八八ヶ所巡礼の歴史と文化

    Posted by ブクログ

    四国遍路の歴史を、ブラックな面も含めて淡々と解説した本。ワタシは面白く読んだが、あまりにも包み隠さず書かれているので、読んでガッカリする人もいるかも。

    0
    2015年01月13日

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