森正人のレビュー一覧

  • 豊かさ幻想 戦後日本が目指したもの

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    成長や発展を常に是とし希求する社会の雰囲気に疑問があり、ふと手に取った本だったが良著だった。
    昭和の高度経済成長期の只中にあっても、実は国民の中に豊かさを実感していない多くの人たちがいたことを、当時のアンケート資料などを用いながら明らかにしていく。

    本の最後の方で紹介された座談会「人間にとって豊かさとは何か」は今から50年以上前に行われた座談会である。その中で公害を例に挙げて、問題点をこう説明した箇所がある。
    「いま起こっている新しい貧困といわれている問題には累積化現象というのがありまして、原因が蓄積されてきてある一定の時点まで来ると爆発的に出るものが多いんです。(中略)だから、現代の時点で

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    2024年02月04日
  • 四国遍路 八八ヶ所巡礼の歴史と文化

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    四国遍路の歴史を学べる本。
    お遍路は歩いてこそ、というのはここ最近の話であることに驚いた。
    お遍路に対して真剣な人から観光気分の人まで全てを受け入れる、良くも悪くも間口が広いことが四国遍路の魅力の一つなのだと改めて認識できた。

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    2020年11月17日
  • 豊かさ幻想 戦後日本が目指したもの

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    現代日本が本当に豊かなのかを詳細に論じた好著だ.1950年のアメリカ博覧会と1955年の原子力平和利用博覧会で、アメリカ的な豊かさにあこがれ、それを追及することを当然と考えた国民.コンビナート、高速道路、家族計画、サラリーマン、高度成長、公害等のキーワードを軸に昭和の時代を概括して、第8章「豊かさという幻想の虚構性」で問題点の考察と論を進めているが、"虚構性"を具体化している点が良かった.p279に述べている「自発的隷従」は支配される側の状態をうまく表現した言葉だと感じた.昭和が良かったという神話も色褪せてきているようだな.

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    2019年12月29日
  • 四国遍路 八八ヶ所巡礼の歴史と文化

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    仏教を私たちの側から体験できる四国遍路、その歴史と変遷を文化誌的にまとめた一冊。
    最近の世界文化遺産登録運動と重なって、盛り上がりを見せている遍路ですが、近世もしくは近代には寺が荒れてしまうほどの衰退があったとは知りませんでした。その真実の姿は、歩いてみなければわかりません。

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    2018年05月17日
  • 四国遍路 八八ヶ所巡礼の歴史と文化

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    四国遍路の歴史を、ブラックな面も含めて淡々と解説した本。ワタシは面白く読んだが、あまりにも包み隠さず書かれているので、読んでガッカリする人もいるかも。

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    2015年01月13日
  • 戦争と広告 第二次大戦、日本の戦争広告を読み解く

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    「写真週報」について分析したものである。写真をもっと大きく出して文章を付属にするとメディアリテラシーの教材となるが、写真が小さすぎるので少し見づらい。戦争広告としての資料のひとつとしての写真ではある。永遠のゼロについての解説が最後にあるので、映画を見た人も見ていない人も参考になるであろう。

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    2016年05月03日