作品一覧

  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

    小説・文芸

    3.8
    1巻924円 (税込)
    電灯もオイル・ランプもなく、夜がまだ謎めいていたころ、森を忍び歩く悪魔として恐れられた「精霊熊」。死者のための供物を食べさせられ、故人の罪を押しつけられた「罪食い熊」。スポットライトを浴びせられ、人間の服装で綱渡りをさせられた「サーカスの熊」。ロンドンの下水道で、雨水や汚れを川まで流す労役につかされた「下水熊」。──現在のイギリスに、この愛おしい熊たちはいません。彼らはなぜ、どのようにしていなくなったのでしょう。『10の奇妙な話』の著者であるブッカー賞最終候補作家が皮肉とユーモアを交えて紡ぐ8つの物語。/【目次】1 精霊熊/2 罪食い熊/3 鎖につながれた熊/4 サーカスの熊/5 下水熊/6 市民熊/7 夜の熊/8 偉大なる熊(グレート・ベア)/訳者あとがき/解説=酉島伝法
  • 10の奇妙な話

    小説・文芸

    3.8
    1巻924円 (税込)
    命を助けた若者に、つらい人生を歩んできたゆえの奇怪な風貌を罵倒され、心が折れてしまった老姉妹。10年の長きにわたり、部屋で安らかに眠り続ける少年。屋敷の敷地内に薄暗い洞窟を持つ金持ち夫婦に雇われて、“隠者”となった男。“蝶の修理屋”を志し、古物店で見つけた手術道具を使って博物館に展示されている標本の蝶を蘇らせようとする少年。家の近くの丘で掘り出した骨を集め、ネックレスを作る少女。――ブッカー賞最終候補作の著者が、日常と異常の境を越えてしまい異様な事態を引き起こした人々を描く、奇妙で愛おしい珠玉の短編集。/【目次】ピアース姉妹/眠れる少年/地下をゆく舟/蝶の修理屋/隠者求む/宇宙人にさらわれた/骨集めの娘/もはや跡形もなく/川を渡る/ボタン泥棒/訳者あとがき/解説=石井千湖

ユーザーレビュー

  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

    Posted by ブクログ

    罪を被る熊、下水道の掃除をする熊、潜水夫の熊など、イギリスの社会で熊がどうしていなくなったのかをユーモラスに描く短編集。
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    イギリスにはクマはいない。はるか昔に狩り尽くしたから。という事実を知っていて、それをどう表現するものなのか、という好奇心で読んだのだけど、本当に面白かった。熊を労働階級の人々に重ねて、その過酷な環境を描く社会風刺もすごく効いている。これらがユーモアを交えて描かれていて、とても面白く読めた。
    特に作者が熊(社会的地位の低い人々)に対してシンパシーを持っていることがよく分かって、共感できるお話だった。訳者解説にはイギリスのクマの絶滅事情も書かれ

    0
    2026年07月28日
  • 10の奇妙な話

    Posted by ブクログ

    どの短編も奇妙で、ちょっとまぬけで
    ちょっと残酷で、ちょっとワクワクして、
    とにかくおもしろかった。
    中でも蝶の修理屋さんの小道具を手に入れた少年の話しは、ワクワク感がすごかった。
    蝶のコレクションを見ると、美しいのだけれど、
    これほどの蝶を殺してミイラにしているかと、
    思うと、なにか違うんじゃないかと思う気持ちは
    よくわかるし、そう思ってもきた。
    少年の努力と思いが報われた瞬間は、もうたまらなくスッキリとして、ほっこりとして、嬉しくなった。
    それに火星人がきたと大騒ぎになる子供たちの話し。
    これは楽しかった。常になにかに飢えて、冒険をしたくなるお年頃。つまらない日常が一瞬にして
    ワクワクだら

    0
    2026年07月25日
  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    真夜中の精霊であり、罪を食い、犬と闘い、サーカスで働き、下水処理をする熊たちの奇妙な味の8つの寓話。

    イギリスでは乱獲により熊は絶滅し、さらに「熊いじめ」というブラッド・スポーツが19世紀まで行われていた、そのイギリスの作家による仄暗くユーモアたっぷりの不思議な物語たち。

    ミック・ジャクソンは容赦ない。描かれるクマは悲しみを誘うけれどちっとも可愛くないし人間も泥臭くずるがしこく浅ましい。そんな熊と人間がまるで心を通わせたかと思ったときにちゃんと現実を教えてくれる。特に74頁。

    こういう話を読むと「この本に出合えて良かったなぁ」と強く思います。

    イギリスと言えばプーさんやパディントンの国

    0
    2025年12月20日
  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

    Posted by ブクログ

    これは――おとぎ話なのか?痛烈な風刺なのか。どうとも捉えられそうな、イギリスと熊の物語8編。
    言葉なき熊と取引めいたことをして、人間は心の安寧を得る。しかし、しょせんそれは異なる種族との取引。常識も前提も違う熊との間で、お互いに利がある取引なんてのはまやかしなのだと明らかになる。熊は知らず課された役割を、やはりそうとは知らぬまま放棄して、少しずつ人間社会から遠ざかっていく。そのさまが、人への皮肉や糾弾にみえる。
    読み進めているうちに、熊が人にも思えてくるのがこの本の怖いところ。虐げられている人、支配されている人、社会の中で見えない存在とされている人たちを熊に仮託しているのではないか?ときに団結

    0
    2025年05月25日
  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

    Posted by ブクログ

    テレビから熊出現のニュースが流れると、イギリスから逃げてきたのかと、その町は熊にとって居心地の良い場所だっただろうかと、つい考えてしまいます。
    不思議と心に残る一冊です。

    熊も人もナメてはいけない。

    0
    2024年12月04日

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