デイヴ・エガーズの作品一覧
「デイヴ・エガーズ」の「アイとムリ」「王様のためのホログラム」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「デイヴ・エガーズ」の「アイとムリ」「王様のためのホログラム」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
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Posted by ブクログ
光の速さで駆ける犬・ヨハネス。
読み終えた瞬間、その冒険の先に広がる世界を思って、
気づけば涙が流れていた…
『アイとムリ』デイヴ・エガーズ
動物文学って、どうしてこんなに名作が多いんだろう。
『シートン動物記』(アーネスト・T・シートン)
『白い牙』(ジャック・ロンドン)
この2冊を超える破壊力の本、なかなかないと思ってたけど…
お友達に教えてもらった『アイとムリ』。
これは間違いなくお気に入りの動物小説になりました。
✧
本作はアメリカで最も優れた児童文学に贈られる
ニューベリー賞の受賞作。
主人公は、光速で駆ける犬・ヨハネス。
(表紙からしてすでに躍動感がすごくて、かわいい…)
仲間の動物たちと暮らす広い公園で、
少しうるさい人間に悩まされつつも、
ヒトに飼い慣らされることなく、自由奔放に生きている。
そんなヨハネスの役割は、公園の「目」になること。
隅々まで観察し、異常がないかを
<バランスの守護者>たちに伝えるのだ。
✧
前半は、動物たちの賑やかな日常にほっこりして
「癒し系の動物小説かな?」と思っていた。
……が、ここからが本番。
ヨハネスたちが “とある計画” を実行した瞬間、
物語がガラッと反転する。
後半はもう、感情がジェットコースター。
胸がぎゅっとして、でも前に進むしかない。
何よりすごいのは、
この本は「物語の先」を想像せずにいられなくなるところ。
まだ見ぬ世界の広がり。
彼らの行く末に待つ未来。
視界が一気にひらけるような、
息をのむほどの美しさに心を持っていかれる。
✧
そして絵がまた素晴らしい。
本書に使われている風景画の多くは、
すでに亡くなった画家たちの古典的作品。
そこにショーン・ハリスさんが
ヨハネスを描き足しているのだけれど、
その融合が奇跡のように美しい。
特に最後のページの絵の静かな美しさは、反則級。
そっと泣きながら本を閉じました。
Posted by ブクログ
とにかく面白かった。500ページ超の本を一気に読んだ。
実在するIT企業を髣髴をさせる現実的な設定が特に面白かった。
あと10年もすれば全て実現できるのでは?と思わせる
妙にリアルな近未来の世界がぞわぞわと心に迫ってくる。
便利にすること、だれにでも分かりやすくすること、正直で公平であること。
そこから始まったことが段々と常軌を逸していく。
スタートが「善」だと、そこに異議を唱えるのは難しい。
中庸というのは本当に難しいのだと改めて思った。
このシステムは本当に便利だ、だれにでも無料で使えるようにするべきだと思うシステムもあった。けれど、その裏には常に危うさが付きまとう。
オンラインが実生活から切り離せなくなっている以上、この難しいバランスをずっと取り続けなければならないのだ。
Posted by ブクログ
現代の1984。舞台はサークルという「C」のロゴを持つIT企業。疑いようもなくモデルはGoogleであり、世界は知らず知らずのうちに情報を管理され、プライバシーはなくなり、監視のもとに晒される。「C」の穴が閉じるとき、サークルは完全な円になる。
ここでは、SNSのニコマークを得るのに中毒になっている人間や、知る権利の正義を信じてハードワークをこなす人間がたくさん出てくるが、それらは全て私たちの生き写しだ。私たち一人ひとりは罪のない一般人だし、影響力もないし、そんなに悪い人でもない。ただその無意識の盲信が集団で持つ力はあまりに大きすぎる。
知る権利は確かにあるところまで正義だろう。性犯罪をなくすこともできるだろうし、介護が必要な親の生活を見届けることもできるだろうし、税金の無駄遣いをなくす効率的な政治をすることもできるだろう。しかし、アカウントを義務化して、人間にマイクロチップを埋め込むのはやりすぎだ。ただ、その境目はどこだろう。その境目ははっきり分かったり急にやってくるものではなく、あまりにグレーで緩やかにやってくるために、我々は変化に気付かず、気付いた時には世界は終わっている。
非常によくできた小説で、デイヴ・エガーズという新進気鋭の作家の実力にも非常に惹かれた。
Posted by ブクログ
犬のヨハネスは、この公園の「アイ」。アイとは、公園の見張りをして、公園の「バランス」の守護者であるバイソンたちの目となる者のこと。
「バランス」がくずれるようなことが起こると、バイソンたちに報告する。そのために、ヨハネスは走り回っている。とても自由に。でも決して人間たちに捕まらないように。そんなある日、ヨハネスは公園内にできた美術館に惹かれ始めて…。
新しく広大な世界、もっと自由に走り回れる世界に憧れるヨハネスを応援しながら読んでいた。アシスタントアイの個性的な動物とのやり取りも楽しかったなあ。特にカモメのバートランドとヨハネスの間に育まれた絆には感動した。現実でも、こんなふうに種を越えてやり取りしたりすることはあるのかなあ、あったら素敵だなあと想像してみたりした。
バイソンたちを閉じ込められた空間から解放する作戦を立て、アシスタントアイをはじめいろんな動物たちと協力して実行するクライマックスは、いちばんひきこまれた。
初めて読むような設定だったり、途中ヨハネスたちが何をしたいのかいまいち分からなくて、少し読み進めるのに苦しんだけど、最後にはとても感動したし、野生の動物たちの目から見た世界を味わえて楽しかった。