清水杜氏彦の作品一覧
「清水杜氏彦」の「うそつき、うそつき」「少女モモのながい逃亡」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「清水杜氏彦」の「うそつき、うそつき」「少女モモのながい逃亡」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
小説・文芸
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Posted by ブクログ
首輪型の嘘発見器をつけることが義務になった世界。自分の今住んでいるここがこんな世界になったら嫌だな、と思いつつ接客業をしていたことがあるので、これはこれで接客も楽そうだなと思うことも、、笑
作中に「嘘は嘘だとわかったときに傷つく」(うる覚えです、、)とあって確かになあと。嘘自体が悪い訳じゃなく、悪意ある嘘(これもまた主観になってしまうけれど)がダメなのかなと考えた。
作品自体は主人公フラノの視点で描かれる。16歳と18歳の時のフラノの体験が交互に書かれていくので、読み進めながら、18歳の時に言ってたアレはこの時の話なのか、、や16歳最後のストーリーと18歳最初のストーリーが繋がっていたり、、、そういう伏線?が回収されてく感じに感動しました。(再読だけど絶対同じところで感動してる笑)
フラノがどんどんピンチに陥っていく時。
首輪があるのにも関わらず、誰を信じたらいいのかわからない状態になってしまう。首輪はあってもなくても人間の本能的に嘘はついてしまうものなんだろうなと改めて認識。
最後の最後、フラノは愛する人も救えず、自分自身も救えずに生きたいと願いながら首を絞められてしまう。
嘘に振り回された少年の無念さがなんともいえない作品でした。
Posted by ブクログ
タイトルや本文中の記述から察するに、おそらく「うそつき、うそつき」の時代から三、四世代未来の世界。管理社会は崩壊し、暴力の国と言えるほど荒廃した世界となる。国が犯罪抑止のために強盗を死罪にした結果、それ以上の罰が与えられることはないと強盗に伴い、口封じのために殺人が蔓延った。
まあつまり、前作とはまた違ったディストピアである。続編ではない。
この作品の主人公は、殺伐としたテーマの主人公としては面白いことに、二人の十六歳の美少女。
2人とも国でいちばん品の良いお嬢様学校に通う同級生。
1人は父を殺した強盗たちへの復讐心に燃える、金髪の美少女カレン。もう1人は黒髪で、国いちばんの銃の使い手と名高い、リリイ・ザ・フラッシャーと渾名されるリリイ。
物語は一貫してリリイの視点で語られていく。
2人とも裕福のゆえ過去に強盗に押し入られ、目の前で両親を殺されるという共通の過去を持つ。
己の復讐をするために、カレンは銃の名手のリリイに復讐の相棒となるよう話を持ちかけ、2人は復讐の旅に出る。
さて、この物語の鍵となるのが、忘れたいできごとについて書き込んだら綺麗に忘れることができる、忘れたことすら忘れてしまえる魔法の本、通称「ダイアリー」。カレンの家に押し入った強盗たちの目当ては、このダイアリーだったが、なんとか奪われずにカレンの手元にある。
このダイアリーを用いて、復讐相手に復讐されたことを忘れさせ、相手を殺すことなく禍根を残すことなく復讐を完了させる…はずだった。
美少女×復讐譚ということで、厨二病的な?と思われそうだが、ちゃんとテーマもメッセージ性もある。
人によってはモヤモヤするだろうし好みも分かれる作品だろうが、これだけは言いたい。
これは、決して復讐礼賛譚ではない。
復讐のためにはどんな手段も厭わないカレンに対して、リリイはやりすぎだと何度も諌め、復讐を続けるかどうか、続けていいのか何度も2人は言い合い衝突する。
やったら、やりかえされる。
このよくあるテーマを、この作品は、暴力の国に生きる思春期の少女たちのぐちゃぐちゃになるまでの葛藤を通して描いていく。
よくあるテーマということは、この話はフィクションだが、それだけ私たちの身近にあるテーマでもあるということ。
卑劣な犯罪を行なった人が裁判の末軽い罪になったと報道された時、多くの人が罪が軽すぎる、死刑もしくは無期懲役にすべきだ、などと考えを述べたりしますよね。私たちの心の中には、重罪を犯した者には報復を、という考え…望みとも言える…が少なからず根ざしている。もちろん全員ではないだろうが。
他人の被害はその程度で済むが、もしも自分や自分の大事な人が酷い目にあったら?
心の底から復讐を否定できるだろうか。
そしてテーマはもうひとつ。
「わすれて、わすれて」というタイトルにある通り、忘れること…特に辛いことを忘れることの是非について。
いつまでも覚えていたい大切な思い出も、どうにかしてでも忘れたいほどの辛い思い出も、ひとは抱えて生きていかねばならない。
「ダイアリー」の存在を通して、少女たちは、さまざまな記憶を抱えて生きていくことについて考えていくことになる。
ちなみにこのダイアリーには、魔法のペンも対となって存在する。書き込んだ内容を魔法のペンで消すことで、再び思い出すことができるのだ。
作中で描かれるさまざまなダイアリーの使い方の是非については、それぞれ読み手の心で考えるとして…
もしダイアリーが手元にあったら、あなたはどのように使う?
そのようなことを、本作を読んで私は考えた。
あと私はこの作品とても好み。というか作者の世界観の設定の練り方が好きなのかも。
カレンとリリイのドライなやりとりや、2人とも自分が美少女だという自覚と自信があるところが、なぜか私にはうざったくなくいいなと思えた。
最後にカバーイラストが大好きだ〜ありがとう片山若子さん〜見惚れる。
Posted by ブクログ
あれ結構好きだったけどあんまり流行ってない。アガサ・クリスティー賞受賞作。ここからの1番のヒットは「同志少女よ〜」かな。試しに読んでみようかな。
文体がけっこうマッチした感はある。基本口語で平易な言葉で語られるんだけど少し難語なんかを入れてスパイスにしていると思われる。まぁ平易よりだからジュブナイルっぽさはでちゃうんだけど。そういう意味ではラノベみたいなターゲッティングで売ったほうがよかったのかなぁ〜
嘘をつくと光る首輪がつけられる管理社会もの。その特に影の世界で生まれる悲哀は描けてると思う。主人公はおこちゃまでかわいいよ。コストはどこから、、、とかも思うけど、その辺納得いくなら。もう少し社会全体の受容のされ方が描かれてもよかったかな。その分思いを馳せる余地がある。自分はわりと受け入れられるのかなとか、ゆったりと想像を巡らせるいい本です。