清水杜氏彦のレビュー一覧

  • うそつき、うそつき

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    ネタバレ

    首輪型の嘘発見器をつけることが義務になった世界。自分の今住んでいるここがこんな世界になったら嫌だな、と思いつつ接客業をしていたことがあるので、これはこれで接客も楽そうだなと思うことも、、笑
    作中に「嘘は嘘だとわかったときに傷つく」(うる覚えです、、)とあって確かになあと。嘘自体が悪い訳じゃなく、悪意ある嘘(これもまた主観になってしまうけれど)がダメなのかなと考えた。

    作品自体は主人公フラノの視点で描かれる。16歳と18歳の時のフラノの体験が交互に書かれていくので、読み進めながら、18歳の時に言ってたアレはこの時の話なのか、、や16歳最後のストーリーと18歳最初のストーリーが繋がっていたり、、、そういう伏線?が回収されてく感じに感動しました。(再読だけど絶対同じところで感動してる笑)

    フラノがどんどんピンチに陥っていく時。
    首輪があるのにも関わらず、誰を信じたらいいのかわからない状態になってしまう。首輪はあってもなくても人間の本能的に嘘はついてしまうものなんだろうなと改めて認識。
    最後の最後、フラノは愛する人も救えず、自分自身も救えずに生きたいと願いながら首を絞められてしまう。

    嘘に振り回された少年の無念さがなんともいえない作品でした。

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    2022年08月04日
  • わすれて、わすれて

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    タイトルや本文中の記述から察するに、おそらく「うそつき、うそつき」の時代から三、四世代未来の世界。管理社会は崩壊し、暴力の国と言えるほど荒廃した世界となる。国が犯罪抑止のために強盗を死罪にした結果、それ以上の罰が与えられることはないと強盗に伴い、口封じのために殺人が蔓延った。
    まあつまり、前作とはまた違ったディストピアである。続編ではない。

    この作品の主人公は、殺伐としたテーマの主人公としては面白いことに、二人の十六歳の美少女。
    2人とも国でいちばん品の良いお嬢様学校に通う同級生。
    1人は父を殺した強盗たちへの復讐心に燃える、金髪の美少女カレン。もう1人は黒髪で、国いちばんの銃の使い手と名高い、リリイ・ザ・フラッシャーと渾名されるリリイ。
    物語は一貫してリリイの視点で語られていく。
    2人とも裕福のゆえ過去に強盗に押し入られ、目の前で両親を殺されるという共通の過去を持つ。
    己の復讐をするために、カレンは銃の名手のリリイに復讐の相棒となるよう話を持ちかけ、2人は復讐の旅に出る。
    さて、この物語の鍵となるのが、忘れたいできごとについて書き込んだら綺麗に忘れることができる、忘れたことすら忘れてしまえる魔法の本、通称「ダイアリー」。カレンの家に押し入った強盗たちの目当ては、このダイアリーだったが、なんとか奪われずにカレンの手元にある。
    このダイアリーを用いて、復讐相手に復讐されたことを忘れさせ、相手を殺すことなく禍根を残すことなく復讐を完了させる…はずだった。

    美少女×復讐譚ということで、厨二病的な?と思われそうだが、ちゃんとテーマもメッセージ性もある。
    人によってはモヤモヤするだろうし好みも分かれる作品だろうが、これだけは言いたい。
    これは、決して復讐礼賛譚ではない。
    復讐のためにはどんな手段も厭わないカレンに対して、リリイはやりすぎだと何度も諌め、復讐を続けるかどうか、続けていいのか何度も2人は言い合い衝突する。
    やったら、やりかえされる。
    このよくあるテーマを、この作品は、暴力の国に生きる思春期の少女たちのぐちゃぐちゃになるまでの葛藤を通して描いていく。
    よくあるテーマということは、この話はフィクションだが、それだけ私たちの身近にあるテーマでもあるということ。
    卑劣な犯罪を行なった人が裁判の末軽い罪になったと報道された時、多くの人が罪が軽すぎる、死刑もしくは無期懲役にすべきだ、などと考えを述べたりしますよね。私たちの心の中には、重罪を犯した者には報復を、という考え…望みとも言える…が少なからず根ざしている。もちろん全員ではないだろうが。
    他人の被害はその程度で済むが、もしも自分や自分の大事な人が酷い目にあったら?
    心の底から復讐を否定できるだろうか。

    そしてテーマはもうひとつ。
    「わすれて、わすれて」というタイトルにある通り、忘れること…特に辛いことを忘れることの是非について。
    いつまでも覚えていたい大切な思い出も、どうにかしてでも忘れたいほどの辛い思い出も、ひとは抱えて生きていかねばならない。
    「ダイアリー」の存在を通して、少女たちは、さまざまな記憶を抱えて生きていくことについて考えていくことになる。
    ちなみにこのダイアリーには、魔法のペンも対となって存在する。書き込んだ内容を魔法のペンで消すことで、再び思い出すことができるのだ。
    作中で描かれるさまざまなダイアリーの使い方の是非については、それぞれ読み手の心で考えるとして…
    もしダイアリーが手元にあったら、あなたはどのように使う?

    そのようなことを、本作を読んで私は考えた。


    あと私はこの作品とても好み。というか作者の世界観の設定の練り方が好きなのかも。
    カレンとリリイのドライなやりとりや、2人とも自分が美少女だという自覚と自信があるところが、なぜか私にはうざったくなくいいなと思えた。
    最後にカバーイラストが大好きだ〜ありがとう片山若子さん〜見惚れる。

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    2022年04月20日
  • うそつき、うそつき

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    ネタバレ

    嘘発見器を身につけることが義務となった国で、その首輪を外す仕事をしながら生きる少年フラノ。さまざまな人との出会いから自身と制度の秘密を知ることに。
    首輪除去の成功と、時には残酷な失敗を重ねていきながらも最後は必ず成功すると思ってたら...!!人間の弱さ、臆病さ、愚かさそしてそれによる愛おしさが浮き彫りになって感じられた。フラノの淡々とした文章で綴られる生への渇望と、それが叶わない結末が静謐さを醸し出すラスト。子どもの頃読んでたらビリビリに本を破いていたかも知れないけれど大人になった今だとその余韻が好みだったりもする。

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    2021年07月23日
  • うそつき、うそつき

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    あれ結構好きだったけどあんまり流行ってない。アガサ・クリスティー賞受賞作。ここからの1番のヒットは「同志少女よ〜」かな。試しに読んでみようかな。
    文体がけっこうマッチした感はある。基本口語で平易な言葉で語られるんだけど少し難語なんかを入れてスパイスにしていると思われる。まぁ平易よりだからジュブナイルっぽさはでちゃうんだけど。そういう意味ではラノベみたいなターゲッティングで売ったほうがよかったのかなぁ〜
    嘘をつくと光る首輪がつけられる管理社会もの。その特に影の世界で生まれる悲哀は描けてると思う。主人公はおこちゃまでかわいいよ。コストはどこから、、、とかも思うけど、その辺納得いくなら。もう少し社会全体の受容のされ方が描かれてもよかったかな。その分思いを馳せる余地がある。自分はわりと受け入れられるのかなとか、ゆったりと想像を巡らせるいい本です。

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    2026年05月15日
  • わすれて、わすれて

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    誰かを憎んだとき、復讐に燃えるか、いっそ忘れてしまった方が楽か。
    ずっとその問答を繰り返す。
    愚かで救いようない輪廻の物語だけど、色々考えさせられた。

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    2024年10月25日
  • うそつき、うそつき

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    純ミステリというよりかはSF、近未来(?)IF世界(?)のお話

    ずーっとどこか暗い作品なので明るい気分になりたい時の作品ではないかな
    でも、個人的には好きだし読みやすかった

    嘘発見器の装着が義務付けられた世界ってもうそれだけでメンタル病みそうなんだけど、世界は上手に回ってるなーと
    登場人物みんな嘘つき!って言いたくなったけど、首輪の存在がなければバレないような嘘ばかりな訳で嘘発見器の装着確かに効率的なのかも……?
    いやでも、バッテリー代を税金で補うこと考えたらどうなん…?犯罪率低いからそっちけいの経費が抑えられるのか??でもでも、観光客とか来なくなったとあったのでやっぱりこの国は衰退に向かってる感じも……

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    2024年09月14日
  • 少女モモのながい逃亡

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    面白かった。先が気になって早く読み進めたいがところどころの文章表現が心に響き、丁寧に読みたいと思えた本。
    旧ソ連を題材にしつつも、具体的な国名や地名はでてこないところが幻想的。飢餓という極限状態で生きる人間のの心に垣間見られる美しさが宝石のように感じられる。

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    2023年03月08日
  • うそつき、うそつき

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    独自を世界を構成し、等身大の少年を描く。     
    人間はうそつきだ。  
    嘘をうまく利用し、活用し、操って、生きていく。     
    人間は嘘からは逃れられない。嘘と向き合って付き合っていかなければならない。    
    誠実に嘘をつき、嘘を嘲笑う。    
    嘘を軽蔑し、嘘にすがりつく。   

    主人公は嘘との相性が悪かった。

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    2018年01月25日
  • うそつき、うそつき

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    ネタバレ

    旅行用に買って、1ヶ月くらいかかって読みました。
    序盤はハイペースだったのに、段々雲行きが怪しくなってきて&結末を読むのがもったいなくなってきて、ペースが落ちました。

    パラパラっとめくった時にエピローグ前の最後の文を読んでしまい、薄々オチはわかっていましたが、なんというか虚しくなります……。おもしろかったけども……。ハッピーエンドでないのはわかっていたけども……。デスノートを読んだ時の気分……。
    結局何が嘘で本当か、
    嘘を見破るはずの首輪があったのにわからなかったんですね。
    まあなんにしろ師匠が悪いような気もしますが。
    師匠と出会ってしまったことも。

    それにしてももしこんな首輪があったら……と考えてしまいますね。外さないなぁ……。やっかいだなぁ。

    全く関係ないですが、この片山若子さんのイラストが好きで、大抵内容が好みなので衝動買いしてしまいます。(少年検閲官とか春季限定~シリーズとか)

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    2017年12月09日
  • 予感(ある日、どこかのだれかから電話が)

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    あ〜そういうことだったのかと最後に理解できたけど
    視点がクルクル変わり分かりにくい
    設定は外国のようだけど、登場人物は日本的な名前だし…ん〜なんだかなぁというのが率直な感想

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    2025年07月07日
  • うそつき、うそつき

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    うーん、アガサ・クリスティー賞って何なんだ?って思ってしまうほどミステリーでないんだけど。
    SF?ディストピア小説?って感じでした。
    私の好みではなかった。

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    2023年05月12日
  • うそつき、うそつき

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    3にしたけど2.7くらい。ファンタジーすぎたけど読んでみてもいいかなって思う作品だった。んー。特に感想は無い。

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    2023年04月26日
  • 予感(ある日、どこかのだれかから電話が)

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    終盤の方で "読書を習慣としてしまったあとで得られる効用はたいてい同じだ。[..] 人生を一方的に複雑にしていく" と出てくるあたり。話の筋からはあまり関係ないように思いましたが、妙にインパクト大きく受け止めました。構造もすごいのでしょうが、私は混乱したまま、あまり考えずに読み進めました。面白かったです。

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    2023年04月22日
  • わすれて、わすれて

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    ネタバレ

    おとぎ話的なディストピアでした。

    アニメ化されたら映えそうだなぁ、と思いつつ、
    あまり残るものはなかった感じです。

    前作がちょっと気になったので、
    機会があったら読みたいです。

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    2023年01月27日
  • 予感(ある日、どこかのだれかから電話が)

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    ネタバレ

    現実パートのほうが現実味がない不思議な雰囲気。本を読みすぎると余計なこと考えがちというのは興味深い…。

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    2022年09月29日
  • わすれて、わすれて

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    記憶を消すことができるノートと、それを修正して思い出すことができるペン。この二つのガジェットの使い方で魅せてくれると思いきや、そこまで予想外でもないので面白味に欠ける。

    全体的に驚くような斬新さがない話。それなのに、ところどころの文章で、「私、センスいいでしょう?」という作者のドヤ顔が見えるようで、居心地が悪いと感じてしまう。
    これは前作「うそつき、うそつき」でも感じたことだ。作者の考える驚きのレベルが低すぎる気がする。この程度のネタではミステリーは書けないだろう。少女たちの復讐ロードノベルということで、ミステリーを期待してはいけないのかもしれないが……。

    また、アクション・シーンの貧相さに苦笑してしまう。想像で補うことが前提となっているようだ。しかし想像すると明らかにおかしいような動きがあるので困りもの。

    ラストも「正直あんまり考えていなかったのかな?」と思わせる微妙さ。テキトーだなぁ……と思ってしまった。

    色々書いたが、文字数は少ないしサクサク読めることは読める。不思議な雰囲気や世界観も、慣れれば意外と肌になじんでくる。
    凄くつまらないってわけではない。ジュブナイルとしてなら悪くないと思う。(だが、児童書にはこれよりも面白いものがいくらでもあるだろうなぁ。)

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    2016年11月16日