作品一覧

  • 完全版 チェルノブイリの祈り 未来の物語
    4.0
    1巻3,630円 (税込)
    一九八六年四月二六日,その事故は起こった.人間の想像力をこえる巨大な惨事に遭遇した人びとが語る個人的な体験,その切なる声と願いを,作家は被災地での丹念な取材により書きとめる.消防士の夫を看取る妻,事故処理にあたる兵士,汚染地に留まりつづける老婆――.旧版より約一・八倍の増補改訂が施された完全版.解説=梨木香歩

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  • セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと
    4.4
    1巻3,080円 (税込)
    20世紀の壮大な実験,ソ連.それが人びとの心になにを残したのか探るため,作家はソ連崩壊後,自殺者の家族や,強制収容所の経験者,民族紛争を逃れた難民,地下鉄テロの被害者,デモに参加して逮捕拘禁された学生らに聞き取りをおこなう――.街頭や台所で交わされるさまざまな市民の声を集め,21世紀のいま甦りつつある抑圧的な国家の姿をとらえた大著.

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ユーザーレビュー

  • セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと

    Posted by ブクログ

    『死に魅入られた人々』では、ソ連邦崩壊までしかたどられなかったですが、しかし、本書では、対象がプーチン政権の時代まで延長されています。最初に「訳者あとがき」、とくに603-605頁を読んでソヴィエト/ロシア現代史の概略を知っておくと、インタヴュイーたちの言う意味がよく理解できると思います。要は、価値観、世界観がひっくり返るような政治の変動を生き抜くのはたいへんだということに尽きます。

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    2025年07月01日
  • セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと

    Posted by ブクログ

    クーデターを打ち破り解散したソヴィエト連邦。自由に憧れ、見習ったのは西側諸国。その体制は使い古され疲労が起きていた中古品。共産主義の苦しみと使いこなせぬ資本主義。自ら何かを生み出せない”セカンドハンド”の時代…「共産主義の終わりに死を選んだ元元帥」「元連邦内対立国で起きた男と女の悲恋物語」「地下鉄爆弾テロから生還した母と娘」「チェチェンから棺に入り戻ってきた娘と向き合う母」「ミンスクの不正選挙に対するデモ参加で拘束された女子学生」…インタビューの受け答えの中に埋まる文学。それは発掘でもあり創作でもある。

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    2023年08月05日
  • 完全版 チェルノブイリの祈り 未来の物語

    Posted by ブクログ

    ロシア・ウクライナ戦争がはじまって、いま起きていることを理解したくてスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの本を読みはじめた。

    311が起きた時もこれからどうなるのかをチェルノブイリから学べるかと、本を読んだりドキュメンタリーを見たりしていた。
    その結果としては何もわからないままで恐怖が残っただけだったけど。
    新宿御苑で汚染土を使った実証実験が行われると聞いて、また少しずつ放射線に関する本を読みはじめている。
    この本を読んだ印象では、福島の事故で出た放射線はチェルノブイリよりずっとマシだったみたいだ。
    311の頃は「直ちに影響はありません」を聞くと一体何言ってるんだと混乱が深まるばかりだったけど

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    2023年03月07日
  • セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    共産主義下で生きてきた人びとへのソ連崩壊直後から20年以上にわたるインタビュー集。著者のライフワーク「ユートピアの声」完結作。

    この2月からロシア発信の報道にまるでWWⅡ当時の過去に生きているような違和感を感じ、手に取りました。

    WWⅡの「大祖国戦争」、彼らにとってWWⅡはファシストに打ち勝った偉大な国としての勝利、それを支えに生きてきたのに、結局は資本主義になにもかも奪われた、というのがペレストロイカ。

    第1部は1991~2001年、第2部は2002年~2012年の2部構成。話し手やその親族の実体験が多く語られていて辛い内容も多いです。特に第1部のWWⅡから戻った人々の経験は凄惨です。

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    2022年04月12日
  • 完全版 チェルノブイリの祈り 未来の物語

    Posted by ブクログ

    「もう一つの戦争を体験、そしてそれはまだ終わっていない」「失ったのは町じゃない、人生丸ごと」「住民は人間ブラックボックス」「誰も何も理解していなかった。これが一番恐ろしい」……原発事故後、旧ソ連政権下で封殺された、或いは黙して語られることのなかった「チェルノブイリ人」の証言の数々。著者の地道な取材で拾い上げられ 、10 年という時を経て届けられた市井の人々の声なき声、拭い去ることのできない“心の傷跡”が痛過ぎる。特に冒頭の消防士の妻の証言には言葉を失う。ノーベル文学賞も宜なるかな、と思える衝撃の記録文学です。著者はロシアのウクライナ侵攻に際してもいち早く声明を発表。「市民に真実を伝えて」と訴え

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    2022年04月02日

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