世界各国の税収が極端に減少する現代経済社会。
税金は表の経済にしか、課税し、徴収するしかない。
しかしながら、タックスヘイブン(租税回避地)やシャドーバンキング(影の銀行)を使った、いわゆる脱税や資産隠し、麻薬や売春や賭博によって生まれ蓄えられた金をアングラマネーと呼称している。
闇に流れ、動く金は
...続きを読む想像を絶する額に達している。
もはや中央銀行やIMFも制御できない闇資金の還流が世界経済を揺さぶっている。
その歴史と仕組みなどについて、詳細に述べられた著作である。
アメリカ、イギリスのタックスヘイブンの歴史、仕組み、イタリアのアングラマネー、特にバチカンのアングラマネーとマフィアとの歴史的な展開、最後に、ドイツ経済も、実は、アングラマネーの世界にどっぷりつかっている。
財政赤字などに悩まされているアメリカという一応世界経済の中心国が、上記のような闇の世界に立ち向かおうとしている現在、おひざ元のアメリカ自体も大いなる矛盾を抱えているが、ここは、世界の良識を信じ、少しでも、表の経済が立ち行くような方向に向いてほしいものである。