最後の方、どう解釈したものか...考察したり雰囲気に呑まれたりいろいろな楽しみ方がありそうなお話。
なんとなく思い出したのは、西洋哲学の「『もの自体』は認識できない」という考え方。
目に見えるものは、みな光の反射が人間の頭の中でつくりだす像に過ぎず、「もの自体」を認識しているわけではないという。赤
...続きを読む外線や紫外線のように実在するが、人間の目には見えていないものがあるように、結局は脳内にあるものでしかないのだという。
それで、その光の反射を像として成立させるものが冒頭で出てきたフィルターだと解釈できないだろうか。
当初は、そのフィルターにバグが生じて、グラフトの姿がハルルのフィルターでしか認識できなくなる等の怪現象が起きた。
後半部分はそのバグが悪化?して「もの自体」と「像」の境目が無くなり、ハルルが液体になった。
最後の場面は、父親が「もの自体は存在せず、これは心象世界に過ぎない」という認識を持ったことで、それが「もの自体」の世界に影響を及ぼし、本当に存在しなくなってしまった。
そして父親がいなくなった世界で、外宇宙からの出品を見つけて、無限ループ、みたいな...
宇宙と言えば、人体のことをミクロコスモス(小宇宙)と呼ぶことがあるらしいし、ひょっこり万物が持つ宇宙と宇宙が混ざり合って、ということかもしれない(雰囲気思考)
そして、占い師やバスソルトなど、外宇宙から介入してきた人の意図が見えないのが怖くもある。