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  • 太平洋ひとりぼっち

    太平洋ひとりぼっち

    小説・文芸

    3.6
    1巻1,257円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1962年、19フィートの〈マーメイド〉で日本人初の単独太平洋横断航海に成功した堀江謙一氏が著した体験記。一人の青年が夢をかたちにするまでの航跡は、ヨットによる海外渡航が認められなかった時代における「挑戦」の記でもある。

ユーザーレビュー

  • 太平洋ひとりぼっち

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    地元のヒーロ吉田松陰。小学校のころにはさっぱり意味がわからなかったがようやくわかるようになってきた。やっぱり第八章のここがハイライト。

    一、今日、私が死を目前にして、平穏な心境でいるのは、春夏秋冬の四季の循環という事を考えたからである。

    つまり、農事で言うと、春に種をまき、夏に苗を植え、秋に刈り取り、冬にそれを貯蔵する。秋、冬になると農民たちはその年の労働による収穫を喜び、酒をつくり、甘酒をつくって、村々に歓声が満ち溢れるのだ。この収穫期を迎えて、その年の労働が終わったのを悲しむ者がいるというのを聞いた事がない。

    私は三十歳で生を終わろうとしている。

    未だ一つも事を成し遂げることなく、このままで死ぬというのは、これまでの働きによって育てた穀物が花を咲かせず、実をつけなかったことに似ているから、惜しむべきことなのかもしれない。

    だが、私自身について考えれば、やはり花咲き実りを迎えたときなのであろう。なぜなら、人の寿命には定まりがない。農事が四季を巡って営まれるようなものではないのだ。

    人間にもそれに相応しい春夏秋冬があると言えるだろう。十歳にして死ぬものには、その十歳の中に自ずから四季がある。二十歳には自ずから二十歳の四季が、三十歳には自ずから三十歳の四季が、五十、百歳にも自ずから四季がある。

    十歳をもって短いというのは、夏蝉を長生の霊木にしようと願うことだ。百歳をもって長いというのは、霊椿を蝉にしようとするような事で、いずれも天寿に達することにはならない。

    私は三十歳、四季はすでに備わっており、花を咲かせ、実をつけているはずである。それが単なる籾殻なのか、成熟した栗の実なのかは私の知るところではない。

    もし同志の諸君の中に、私のささやかな真心を憐れみ、それを受け継いでやろうという人がいるなら、それはまかれた種子が絶えずに、穀物が年々実っていくのと同じで、収穫のあった年に恥じないことになるであろう。

    同志諸君よ、このことをよく考えて欲しい。

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    2016年03月25日
  • 太平洋ひとりぼっち

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    現在もヨットでの航海を続けている堀江謙一という人がいます。この人の初の単独太平洋横断行の記録。

    海の美しさと、広さ、そしてその中にいる人間の孤独と小ささ。
    たった一人の世界で生きるということは何か、堀江さんは見つめます。

    人はここまでできる。

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    2012年03月25日
  • 太平洋ひとりぼっち

    Posted by ブクログ

    短文の連続で、歯切れよく爽快にして痛快。反面、この上ない恐怖と不気味さに心が震える。コンプライアンスには反している。しかし、意地でもやり遂げようとする姿に興奮と感銘が止まらない。

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    2022年03月21日
  • 太平洋ひとりぼっち

    Posted by ブクログ

    堀江謙一さん初めての太平洋横断の時の本。
    ずっと後になってからのアメリカ→日本の本を先に読んでしまったのだけど、その頃はもうスーパースターだったのに対し、今回読んだ時は孤立無縁で何と密出国。

    写真を見るとこんな小さなヨットで3ヶ月も?と驚く。いや、そもそも動力のないヨットでって!
    もともと体育会ヨット部で技術はお有りのようだったが、凡人には考えつかない。
    でも自分ならできる!という思いで成し遂げたのは若さの特権のようでまぶしかったです。

    孤立と孤独は別物。周囲に人はいるのに孤立するのは耐えられないが、そもそもいないのには慣れる、というのが印象深かった。

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    2025年02月14日
  • 太平洋ひとりぼっち

    Posted by ブクログ

    新たに太平洋を横断されることを新聞で知り、その原点の航海を読んでみた。時代の差もあるのだろうが、なんとも独特な文章。まぁでもそれも人柄の一端として味わえました。
    海好きなもので、「誰もいない中、見渡す限りの海の中で、星空の下、ヨットに揺られてアメリカを目指す、なんてすてきだなぁ」、と思ったりしましたが、現実はそんな生易しいものではないのをあらためて感じました。これだけタフな人でも、途中でさみしくてつらいのね・・

    0
    2022年04月29日

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