堀江謙一のレビュー一覧

  • 太平洋ひとりぼっち

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    地元のヒーロ吉田松陰。小学校のころにはさっぱり意味がわからなかったがようやくわかるようになってきた。やっぱり第八章のここがハイライト。

    一、今日、私が死を目前にして、平穏な心境でいるのは、春夏秋冬の四季の循環という事を考えたからである。

    つまり、農事で言うと、春に種をまき、夏に苗を植え、秋に刈り取り、冬にそれを貯蔵する。秋、冬になると農民たちはその年の労働による収穫を喜び、酒をつくり、甘酒をつくって、村々に歓声が満ち溢れるのだ。この収穫期を迎えて、その年の労働が終わったのを悲しむ者がいるというのを聞いた事がない。

    私は三十歳で生を終わろうとしている。

    未だ一つも事を成し遂げることなく、

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    2016年03月25日
  • 太平洋ひとりぼっち

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    現在もヨットでの航海を続けている堀江謙一という人がいます。この人の初の単独太平洋横断行の記録。

    海の美しさと、広さ、そしてその中にいる人間の孤独と小ささ。
    たった一人の世界で生きるということは何か、堀江さんは見つめます。

    人はここまでできる。

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    2012年03月25日
  • 太平洋ひとりぼっち

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    2022年新聞の記事で、はじめて堀江謙一さんのことを知りました。

    堀江さんは、1962年に世界で初めて太平洋単独無寄港で横断成功。しかも23歳という若さ。その船は、6メートル足らずの小さなヨットだったというから驚きです。

    新聞の記事には、堀江さんが再び単独無寄港で太平洋横断を目指すとありました。しかも、83歳になっているというじゃないですか。もう信じられなくて、鳥肌が立ちました。

    1962年の単独太平洋横断の挑戦と、幾つもの壁、航海日記からの気持ちの変化
    などが書かれています。
    堀江さんの諦めない精神力!
    型破りなところに感服。
    関西弁がいい感じに和みます。ロマンが詰まった一冊です。

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    2025年05月28日
  • 太平洋ひとりぼっち

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    短文の連続で、歯切れよく爽快にして痛快。反面、この上ない恐怖と不気味さに心が震える。コンプライアンスには反している。しかし、意地でもやり遂げようとする姿に興奮と感銘が止まらない。

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    2022年03月21日
  • 太平洋ひとりぼっち

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    堀江謙一さん初めての太平洋横断の時の本。
    ずっと後になってからのアメリカ→日本の本を先に読んでしまったのだけど、その頃はもうスーパースターだったのに対し、今回読んだ時は孤立無縁で何と密出国。

    写真を見るとこんな小さなヨットで3ヶ月も?と驚く。いや、そもそも動力のないヨットでって!
    もともと体育会ヨット部で技術はお有りのようだったが、凡人には考えつかない。
    でも自分ならできる!という思いで成し遂げたのは若さの特権のようでまぶしかったです。

    孤立と孤独は別物。周囲に人はいるのに孤立するのは耐えられないが、そもそもいないのには慣れる、というのが印象深かった。

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    2025年02月14日
  • 太平洋ひとりぼっち

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    新たに太平洋を横断されることを新聞で知り、その原点の航海を読んでみた。時代の差もあるのだろうが、なんとも独特な文章。まぁでもそれも人柄の一端として味わえました。
    海好きなもので、「誰もいない中、見渡す限りの海の中で、星空の下、ヨットに揺られてアメリカを目指す、なんてすてきだなぁ」、と思ったりしましたが、現実はそんな生易しいものではないのをあらためて感じました。これだけタフな人でも、途中でさみしくてつらいのね・・

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    2022年04月29日
  • 太平洋ひとりぼっち

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     1962年、日本人初、西宮からサンフランシスコへ、単独で太平洋を渡った堀江謙一氏の手記。2004年の新装版。関大一高でなんとなく入ったヨット部時代から、大学には行かずに働きながらお金をため、周りの理解を得られないままについにこっそり太平洋へ飛び出し、嵐や凪に遭遇しながらも3か月間航海して、ついにゴールデンブリッジをくぐってサンフランシスコに到達するまで。
     1963年には映画化もされて大ブームが起きたらしいが、そんなことは全く知らず、ただたまたまNHKのドキュメンタリーで知り、こんな有名な本があるということで読んでみた。
     何と言ってもコテコテ関西弁。おれも関西人だけど、なんか昔おじいちゃん

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    2019年04月24日
  • 太平洋ひとりぼっち

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    ネタバレ

    ヨット乗りとしてなかなか興味深いお話でした。

    父の本棚から出てきた一昔前の作品でしたが、わかりやすく面白かったです。
    ノンフィクションはあんまり読みませんが、これはこれで面白いなぁと思いました。

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    2012年08月08日
  • 太平洋ひとりぼっち

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    読み終えた瞬間は、あまりにもあっけなく、そっけなく、最初「あれ?」これが締めの文章?と思ったが、その直後、「あ、これは物語じゃないんだ」と腑に落ちた。

    克明な記録でもないし、ただの日記である。だから、内容に正確さとか矛盾とかを求めていない。


    今から約50年前、一人の日本人が、小さなヨットで、太平洋を横断し、シスコへ渡航した。

    94日間。


    「陸の人間にとっては、海は陸を隔てる。ヨットマンにとっては、海は陸をつなぐものである」

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    2010年10月09日