作品一覧

  • ヒトと文明 ──狩猟採集民から現代を見る

    ヒトと文明 ──狩猟採集民から現代を見る

    ビジネス・実用

    4.5
    1巻968円 (税込)
    二〇世紀後半から、生物学としての人類学「ヒト学」は大きく変貌した。著者の専門である分子人類学は、タンパクの遺伝マーカーの研究で始まったが、現在ではゲノム全体の情報を用い、アジアの古層民族集団の起源および系統進化を明らかにしつつある。さらに、日本で長い歴史をもつ人類学は、文理合同の学際研究を通じて、ヒトの特異性と多様性および起源の総合的な解明をめざす。本書は筆者の研究史を追いながら、「DNAから人権まで」をモットーに「文明とは何か」「先住民族の人権」「人類学者の社会的責任」などの問題を解き明かしてゆく。
  • 日本の人類学

    日本の人類学

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻946円 (税込)
    遺伝子研究を導入して人類の進化をたどってきた東大の人類学と、独自の霊長類研究を展開してきた京大の霊長類学。日本の人類学は、彼らの切磋琢磨によって世界をリードしてきた。東大分子人類学の泰斗である尾本恵市と、京大霊長類学を代表する研究者である山極寿一が、人類学のこれまでの歩みと未来を語り尽くす。人類はどこからやってきたのか。ヒトはなぜユニークなのか。ユニークさゆえに生じる人間社会の問題とはなにか。新しい人類学を求める視点から鋭く論じる。
  • 教養としての将棋 おとなのための「盤外講座」

    教養としての将棋 おとなのための「盤外講座」

    ビジネス・実用

    3.9
    1巻968円 (税込)
    将棋は指さなくても面白い。「観るファン」のための初めての本格的将棋ガイド。羽生永世七冠、梅原猛氏らが将棋の魅力を語り尽くす!
  • ヒトはいかにして生まれたか 遺伝と進化の人類学

    ヒトはいかにして生まれたか 遺伝と進化の人類学

    ビジネス・実用

    -
    1巻814円 (税込)
    人類学の泰斗が、近年の遺伝学の成果を取り入れ、「ヒトの誕生」への道のりを語る。古代ギリシャの哲人を悩ませた「なぜサルはヒトに似ているか」という問題に、ダーウィンの進化論がひとつの答えを提示し、20世紀の半ば以降は、DNAと進化の関係が探究されてきた。「毛がない」ことの意味、人類学からみた「雪男の謎」、ヒトの特徴である「ネオテニー」「自己家畜化」とは。文系・理系を融合した「新しい人類学」を提唱する。(講談社学術文庫)

ユーザーレビュー

  • 教養としての将棋 おとなのための「盤外講座」

    Posted by ブクログ

    880

    羽生 善治
    将棋棋士。1970年生まれ。1996年、史上初めて七大タイトルを独占。2017年、永世七冠の資格獲得。2018年、国民栄誉賞。

    梅原 猛
    哲学者。1925年生まれ。京都市立芸術大学、国際日本文化研究センター名誉教授。ものつくり大学総長、日本ペンクラブ会長などを歴任。1999年、文化勲章。

    尾本 恵市
    1933年生まれ。分子人類学者。東京大学、国際日本文化研究センター名誉教授。2015年、瑞宝中綬章。

    将棋にはこのように、理系と文系といった学問領域の枠を超え、さらには芸術から文明論に至るまで、実に多彩な「見どころ」「考えどころ」がある。あらゆる人の知的好奇心に訴えかけるだけのポテンシャルを秘めているのである。

    一時間以上も長考することがありますが、それだけ考えて次の手を指 しても、相手にまったく予想していなかった手を返されると、考えた時間がすべてむだになってしまうんです。五時間ほどの持ち時間のうち一時間がむだになると、正直 いえば精神的にかなりがっくりくることもあります(笑) でも、じつはそれはむだではないんですね。そのときにいろいろな手を考えたことの蓄積が、いつか別の対局で生きてきて、思いもしなかったひらめきが生まれることがあるんです。

    有名な話がありますね。日本の敗戦直後に、将棋は戦争につながるものだから禁止しようと考えたG日Q(連合国総司令部)が升田を呼び出し、「日本の将棋は相手の駒を取ったら自分の持ち駒として使うが、これは捕虜の虐待ではないのか」と難癖をつけた。すると升田が「虐待とはなんだ。捕虜でも差別せず仕事をさせているんだ。 おまえらのやっとる西洋将棋(チェス)こそ、捕虜は使わずに殺すし、キングを守るためには女(クイーン)まで犠牲にするじゃないか」などとまくしたて、G日Qの面々を「こんなによく喋る日本人は初めて見た」と妙に感心させて、そのおかげで将棋 は禁止にならずにすんだという。

    羽生さんは数学が得意だったとのことですが、じつは学問の世界でもっとも早熟なのが数学者です。そのかわり、学者としての寿命がとても短いですね。創造的な仕事ができるのは、だいたい二十代までです。

    羽生
    じつは、将棋には不思議なところがありまして、必ずしも正解をめざせばいい というものではないんです。極端にいえば、悪い手を指したほうが勝てるということ もあるんですよ。
    梅原
    えっ、どういうことですか。
    羽生
    私がそう思うようになったのは、大山先生と戦ってからです。私は幸いにも、 生前の大山先生と対戦する機会にわりと恵まれたんですが(9戦して羽生の6勝3 敗)、実際に盤をはさんで対局してみて、ひとつ気がついたことがありました。なん と、大山先生は対局中、将棋盤をほとんど見ていないんですよ。
    梅原
    なんだって! 羽生何を見ているかというと、日の前の相手なんです。おそらく大山先生は相手の くせを見抜いていて、その気配や表情を観察しながら、いま何を考えているか、どん な心理状態にあるかを読みとっていたんでしょう。 梅原ほー、それは面白いね。
    羽生
    大山先生ほどの人になると、いま相手がどの手を嫌がっているかが、観察して いるだけでわかるらしいんですね。将棋には、理論的には正解ではない、むしろ悪い 手であっても、心理的に相手が嫌がり、ミスを犯しやすくなる手というのがあるんで す。かりにAとBという二つの選択肢があって、Aは正解の手、Bは悪い手だけど相 手が嫌がる手だとすれば、大山先生は迷わずBを選びます。理屈では悪い手でも、相 手が問違ってくれさえすればいいというわけです。

    これは私自身が最近、感じていることですが、将棋に勝つためには「他力」が必要なんです。自分ひとりで勝とうとしても、無理なんですね。よく、理想的な将棋の勝ち方として、自分の構想どおりに一手一手、プラスになる手を積み重ねていき、 一本の線のようなストーリーを描いて勝つというのが理想であるように思われがちで、実際にそう考えている棋士は多いんですが、実は将棋の手で「プラスになる手」というのはほとんどないんです。

    さきほど理系は直観、文系は熟練という話をしましたが、じつは文系の学問でも、理系的な直観は大切なんです。というより必要不可欠なものです。 直観は、学問に対する火のような情熱から生まれてくるものです。それは文系、 系を問わず同じです。しかし直観を得たならば、今度はそれを水のように冷静になって徹底的に疑い、検証することが必要になります。そして場合によっては、せっかくの直観を捨てなくてはなりません。

    スマホや電子機器を通じてやたらと仲間どうしでつながりたがるのも、形を変えた村社会だと思います。結局、個人として生きることができないから、つるむのです。いま、しっかりと自分の足で立っている人は誌だ少ないですね。

    1975年、13歳のときに山形県から上京して奨励会に入り、プロ棋士をめざして修業を始めた私は、一方ではプロの四段になる前に上智大学に入学し、数学を専攻した。奨励会員が大学に進むことはいまでこそ珍しくなくなったが、当時はまだ高校に 行く者さえ少ない時代だった。

    0
    2023年10月25日
  • 教養としての将棋 おとなのための「盤外講座」

    Posted by ブクログ

    将棋を多面的に解説する本で、将棋を指さない人にも日本の文化を知るという意味で読んでもらいたい。
    梅原猛氏と羽生善治氏の対談、考古学から考える将棋の起源、数学的に分析する将棋の面白さ、美術品としての将棋の駒、将棋がもたらす教育的効果、将棋の観戦記の変遷など、読み応えがあるし面白い。
    江戸時代の名人や棋士のレベルについての羽生さんの見解だとか、升田幸三がGHQに呼び出されて将棋の精神について説いた話、「負けました」や無言で察することの重要さなどは忘れないでおきたい。

    1
    2021年03月14日
  • ヒトと文明 ──狩猟採集民から現代を見る

    Posted by ブクログ

    ヒトとは何かを、文系、理系双方の考え方を交えて論じたもの。ヒトについては、生物学、医学、遺伝子学などの科学的分析と、文化人類学、史学、考古学など人文系の分析とがあって、融合した研究はなされてこなかった。そこを総合的に研究し、まとめたすぐれた研究成果だと思う。極めて論理的かつ学術的な、説得力ある内容であった。
    「(明治17年(1884)「じんるいがくのとも」設立(坪井正五郎))世界最古の人類学会は、1859年(「種の起源」出版年)パリに創設された。それからわずか20数年後に、日本に人類学会が設立されたのは驚くべきことである。アメリカには、20年先行している」p29
    「大型類人猿はその他サルに比べてはるかにヒトに近縁である」p44
    「現代人の脳容量は1000ccから2000ccまで個人差があるが、脳の大小と頭脳的活動には相関がない」p51
    「(「文化」の定義)私は、便宜上ヒトの文化を「遺伝によらず、学習によって集団内部にひろがり、価値判断によって選択され、世代を超えて伝えられる生活様式(伝統)及びその産物」であると理解している」p59
    「ヒトの分布圏は極北から熱帯へ、森林から乾燥地へ、さらに低地から高山まで、地球上のおよそあらゆる地域に広がっている。動物界で、ヒトほど多様な環境の中に棲み、身体的にも多様性が高い種は少ない」p101
    「(黒人のパーマ頭)直毛と比べて縮毛は頭部の表面に空気を保ち、あたかもヘルメットをかぶったように加熱から脳を守る効果がある」p108
    「ビッグバンはおよそ138億年前、地球の年齢はざっと45億年、生命が生まれたのが40億年前のことである。多様な動物が出現したのは約5億年前、1億ないし2億年前に繁栄した恐竜は約6600万年前に絶滅し、以後は哺乳類や鳥類の時代になった」p158
    「ダーウィニズムが「適者生存(サバイバル オブ ザ フィッテスト)」というメッセージを与えるのに対して、木村資生の中立説では「幸運者生存(サバイバル オブ ザ ラッキエスト)」となる。(木村は、英国の権威ある(進化生物学のノーベル賞に相当)「ダーウィン・メダル」を授与される)」p160
    「自然界では、持続的な正のフィードバックは例外的な現象である(数は一定を保つか減少する)。ガン細胞の増殖やイナゴの大発生等は、やがてエネルギー源や餌を食い尽くして死滅する。つまり、持続的な正のフィードバックは反適応的現象である。文明化のヒトの人口増大もこの現象ではないか」p163
    「ヒトは、進化史の一時期に「絶滅危惧種」であった。ボトルネックの原因として考えられるのは気候変化であろう。①ヒトの誕生当時の19万年前から13万年前の間と、②7万4000年前から5万9000年前の間は世界的に氷河期であった。いずれの場合もそれに続く温暖な間氷期があったために、ヒトは絶滅から免れることができた」p166
    「(ローレンツ)医学の発達によって本来なら淘汰されるはずの遺伝的疾患が残されるため、集団の中に有害遺伝子が蓄積してゆく。つまり、現代人は遺伝的に衰弱しているという」p183
    「(シューマッハー)現代人は自分を自然の一部とは見なさず、自然を支配、征服する任務を帯びた、自然の外の軍勢だと思っている。現代人は自然との戦いなどというばかげたことを口にするが、その戦いに勝てば、自然の一部である人間が実は敗れることを忘れている」p182
    「マンモスを1頭ではなく2頭殺すことを覚えた旧石器時代のハンターたちは、進歩を成し遂げた。しかし、群れ全体を断崖絶壁から追い落として200頭いっぺんに殺すことを覚えたのは、進歩しすぎだった。彼らはしばらく羽振りのいい生活を送ったが、そのあと飢えてしまった」p188
    「それまでの人類史では普遍的な存在であった狩猟採集民とは別に農耕・牧畜民が出現し、その系列が人口増大と土地や富・権力の集中、ならびに世界への拡散を通じて現代文明を築いてきた」p196
    「(植民地主義)①コロンブスによる西インド諸島(ハイチ)への渡航と侵略(1492~1504)②コルテスによるアステカ王国の壊滅(1521)③アルバラードによるマヤ文明の破滅(1541)④ピサロによるインカ帝国の植民地化(1533)」p228
    「戦争の起源に関する考えは2つに分かれている。1つは、戦争がすでにヒトの誕生と同時にあった、生物としての攻撃性・暴力が原因だとする。別の考えでは、戦争は農耕の開始以後にはじまった。その直接的原因は「人口増大」と「土地及び富と権力」の私物化・獲得競争という文化にあるとする。私は、後者の立場である」p240
    「盛況と(ピューリタン)たちは「紙が病原菌をつかわして、われわれの行く手を清め給うた」ことに感謝すればよかった」p246
    「2005年のEFは約1.3である。つまり、人間全体が地球に与える負荷を吸収・処理するには地球が1.3個分必要であることになる。(日本は2.3、アメリカとUAEは4.3)」p252
    「一般の人にとって、知らない人間や民族に関しては関心がないので、どうなってもよい。同じ村の一員が苦境に立つとみんなで涙を流して心配するが、遠い国の見知らぬ人間の悲惨さについては興味がない。「知らない」ということが地球文明のための大きな問題となる」p261

    0
    2018年10月21日
  • 日本の人類学

    Posted by ブクログ

     人類学は京大と東大が両輪のごとく、それぞれの特徴を生かしつつ発展してきたとのことで、京大の山極(現総長)、東大の尾本両氏の対談が実に楽しい。尾本氏からすると人類学の学者が総長になるのは、いかにも京大らしく羨ましいとのこと。東大は分子人類学、遺伝子研究に、そして一方では京大は霊長類学に特色。霊長類学は本来は人類学と動物学の狭間の領域。今西錦司氏以来の伝統で、それが日本の人類学の権威になっていることに誇りを覚える。ルワンダの山奥で26年ぶりに出会った34歳のゴリラのタイタスが、山極氏を憶えていた!近づいてきてまじまじと見つめ、子供っぽい表情になったという!34歳は老年の域になるらしい。この実話は本当に感動的だった。ゴリラとチンパンジーの性格の違いで、チンパンジーは相手を理解しても助けてやらない。ゴリラは相手を助けようとするいかに平和な動物かということが印象的。いずれもヒト科の動物で、サルよりも人間に近いらしい。確かに「彼ら」を研究することが人類の理解に役立つことは間違いない!

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    2017年12月18日
  • 日本の人類学

    Posted by ブクログ

    大学の先生の話は
    立派かもしれないけれども
    ちっとも面白くない
    そんな定説(?)をすっかり
    覆してくださる

    いやあ 人類学って
    こんなに 面白いんだ
    こんな 歴史を背負っていたんだ
    こんな 人たちが居たんだ

    「人類学」って 
    私たちの過去と
    私たちの未来と
    何より
    私たちの現在と
    ちゃんと つながっているんだ

    そんな 気持ちを
    持たせて もらいました
    この お二人の碩学の対談を
    企画された編集者さんに感謝です

    0
    2025年08月31日

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