この著者らしく楽しいキャラクタの楽しい会話。いつも怒ってるような表情の真面目秘書の透子さんが魅力の中心。かつて全国でブイブイ言わせてた探偵の九条清春は地元のゆる〜い謎だけを扱いたいという。
■簡単なメモ
【予告状ブラック・オア・ホワイト】ご当地アイドル「ブラック・オア・ホワイト」に脅迫状。犯人を見つけるか護衛するかしてくれとの依頼を、真面目秘書の透子はやる気ない探偵の九条清春に引き受けさせる。
【桐江さんちの宝物】桐江さんが遺した箱を開けずに中の「宝物」が何か知りたいと志乃さんは言う。
【嘘つきの町】五輪で思うような成績を残せなかった地元の柔道選手について何か不自然な嘘を突かれているとライバル選手が謎を提示した。
【おかえりエーデルワイス】夢見ヶ丘動物公園のリスザルが狙われている?
【絵馬に願いを】九条の知人、一水が奉納した絵馬がなくなった謎を解けという依頼。
■簡単な単語集
【一水充/いっすい・みつる】九条の知人。一水グループは日本有数の企業グループだったが経営不振で解体された。充は九条清春のせいで一水グループが解体させられる羽目に陥ったと思っているようだ。
【犬飼恵理】地元の夢見ヶ崎動物公園の飼育員。リスザルを守ってくれと依頼してきた。
【ウィデール】探偵事務所の入っているビルの一階にある喫茶店。白川美優がアルバイトしている。マスターは痩せぎすで百八十センチくらいの長身。
【小田切虎徹/おだぎり・こてつ】がっしりした肉体を持つ二十八歳。九重電産社員。九重電産は九条グループの傘下。
【川崎市】物語の舞台であり、「ご当地」。
【川崎大師】初詣の参拝客数が全国二位らしい。
【企業グループ】九条の他に三笠、五堂、七峰などがある。一水というのもあったが経営不振で解体された。
【九条清春/くじょう・きよはる】探偵。二十八歳。やる気なし。中学時代から去年まで素人探偵として全国でブイブイ言わせていたが急に疲れを感じてしまい地域密着型探偵として身近でささやかな案件を扱いたいと思うようになった。美容には詳しい。
【九条清春の祖父】九条グループの会長。奔放なタイプ。気まぐれで子会社を訪れることあり。透子に清春の秘書をやってくれと頼んだ。理由は「直感」(よく当たるらしい)。
【九条家】国内有数の企業グループのひとつ。会長秘書によると《九条家の方々は特定の技能が優れている代わりに、ほかの面はポンコツなことが多いので、覚悟しておいてください。》p.70
【黒川茜/くろかわ・あかね】ご当地アイドル「ブラック・オア・ホワイト」の一人。二十歳で最近酒の味を覚え飲み歩いてる。オーラは強い。実家は川崎区で黒沢文具店を営んでいる。コンサート直前、カルガモにエサをやっていた。
【黒川志乃/くろかわ・しの】茜の祖母で黒川文具店の経営者。
【五堂】九条の知人。中年女性っぽい。神奈川県警にコネを持っているを
【ご当地探偵】事件性がある案件、血なまぐさい案件、独自基準の全国レベル、県レベルは扱わず、市内レベルの小さな案件だけを扱っている。
【下村桐江】黒川志乃の幼馴染だが十日ほど前に亡くなった。漆塗りの箱に「宝物」が入っていると言っていた。夫が立ち上げた下村陶苑の二代目。三代目は息子の俊之。嫁の忍とは折り合いが悪かった。
【三笠】九条の知人。九条に気があるらしいが冷たくされて喜んでいるタイプ。
【白川美優/しらかわ・みゆ】ご当地アイドル「ブラック・オア・ホワイト」の一人。十六歳の高校生。実家は幸区で白川ベーカリーを営んでいる。
【白川康弘/しらかわ・やすひろ】ご当地アイドル「ブラック・オア・ホワイト」のプロデューサー。最初の事件の依頼人。
【須磨】夢見ヶ丘動物公園の園長。飼育員としての経験もあるが今は事務方。
【掃除】やればやるほど成果が出るので透子はわりと好き。
【透子/とうこ】探偵秘書。二十五歳。真面目でデキる女。何かやらねばならぬという義務感のようなものがあるらしい。無理矢理でも仕事を見つけてきたい天然ワーカホリック。「ブラック企業? ムシロ好物デス」もいうタイプ。いつも怒っているような表情。不測の事態には滅法弱い。
【七峰】九条の友人。七峰グループの一員。三ツ星レストランでソムリエをやってる。妹と九条を食事させたがっている。
【波多野】夢見ヶ丘動物公園の飼育員。サル担当。笑顔の似合う好青年。
【船見芽衣/ふなみ・めい】川崎大師のお守りお授け所の窓口で暇そうにしていた巫女さん。探偵の素質がある? ちょっと東北っぽい訛が感じられる。
【ミシェル】夢見ヶ丘動物公園のヨウム。犯人のらしき言葉を覚えていた。
【山本龍雄】柔道のオリンピック選手。この町の出身。小田切のライバル。警備会社勤務。
【リスザル】あまり高額ではないらしい。
【料理】かけた時間と食材が台無しになるリスクを伴う行為であり透子の場合リスクを負う確率がやや高い。
【渡会透子/わたらい・とうこ】→透子